ネットワークカメラ/防犯・監視システム

2014.5.20 掲載

ヤマト運輸株式会社 様

  • サービス・その他
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(システム開発:日本電気株式会社)

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国内最大級の多機能スーパーハブ「羽田クロノゲート」
約800台のネットワークカメラを集中管理し高セキュリティーと作業オペレーションの効率化を実現。

お客様のニーズ・課題
羽田クロノゲートを新設するにあたり、IT・セキュリティー設備の一環としてネットワークカメラシステムを導入。ネットワークカメラの導入目的は、防犯および作業オペレーション。
導入効果
約800台のネットワークカメラのうち、特に作業オペレーション用カメラの映像を、集中管理室で常時モニタリング。人や車の適切な配置ができることで、効率的な物流オペレーションが実現している。
ヤマト運輸株式会社 様

「宅急便」やクロネコメール便を中心とした一般消費者・企業向け小口貨物輸送サービス事業を展開するヤマトグループの総合力の源となっている企業です。全国津々浦々まで配送サービス網を構築しており、品質の高い宅配サービスを提供。近年、ヤマトグループでは「バリュー・ネットワーキング」構想と称して、より付加価値の高い物流サービスの提供に注力しています。今回の取材に訪れた羽田クロノゲートベースは、付加価値の高い物流を実現する多機能スーパーハブの一つです。

ヤマト運輸株式会社
羽田クロノゲートベース 課長 宮下学様にお話を伺いました。

導入背景

羽田クロノゲート新設に伴い、IT・セキュリティーシステムの一環として導入。


集中管理室で作業オペレーションをモニタリング

2013年7月、当グループは、「バリュー・ネットワーキング」構想を発表しました。「バリュー・ネットワーキング」構想とは、物流を「バリュー(付加価値)を生み出す手段」に進化させることで物流の改革を実現するというもの。これにより日本のモノづくりの国際競争力強化に貢献していこうというものです。このバリュー・ネットワーキング構想の中核となるのが、2013年10月に東京・大田区に誕生した羽田クロノゲートです。

羽田クロノゲート新設に伴い、IT・セキュリティーシステムの一環として、ネットワークカメラの導入が計画されました。台数は約800台。主な目的は防犯と作業オペレーションの監視です。これまでも宅急便のベース店では作業オペレーション目的にカメラ(NEKOビジョン)を導入してきましたが、作業リーダーが巡回してオペレーションをすることも一般的でした。しかし、羽田クロノゲートの面積は、物流棟と事務棟をあわせ19万平方メートル(述べ床面積)。東京ドームに換算すると4個分の広さです。そのため、人の巡回では限界があります。そこで集中監視室でオペレーションができるよう、ネットワークカメラおよびモニタリング設備の設置を決めました。

選定理由

逆光下、照度ゼロルクス環境下でも鮮明に映し出す独自機能が決め手に。


低照度環境でも映像の確認が可能な赤外線照射機能付きカメラ

羽田クロノゲートのIT・セキュリティーシステムを構築するにあたり、日本電気(NEC)様にお願いしました。私たちが提案依頼書の中で記したのは、固定と旋回、そしてそれぞれの画質など基本的な条件のみです。NEC様がソニーのネットワークカメラを選んだ理由は、逆光下や照度ゼロルクス環境下での映像を見やすくする補正機能「View-DR」など、ソニーの独自の機能を評価したからだと聞いています。確かに私たちの施設では、施設の中から外を映すこともあります。そんな状況でもきれいに映像が見えなければ、集中監視室でオペレーションはできません。もう一つ、ソニーのネットワークカメラを選んだ理由は、高画質という点です。ソニーはネットワークカメラにもハンディカムの技術が生きているので、やはり画質が良い。これらのポイントを評価して、ソニーのネットワークカメラを選定しました。

システム内容

固定型、旋回型合わせて約800台。防犯用カメラの一部はNECの入退管理システムと連動。


事務棟にも防犯用のカメラを設置

防犯および作業オペレーションを目的として、固定型ネットワークカメラ、および旋回型ネットワークカメラを合計約800台導入しました。また防犯用のネットワークカメラの一部はNECの入退管理システムや外周センサーと連動させており、高セキュリティーを確保しています。これらのカメラのうち、作業オペレーション用カメラを中心に集中管理室で24時間モニタリングしています。1つの画面に映し出されるカメラ映像は12個。作業オペレーション用カメラについては、ライブ映像が映し出されますが、防犯用カメラの映像は12分ごとのシーケンシャル表示となっています。またこれらのネットワークカメラが撮影した映像は1カ月間、ネットワークレコーダーに保存しています。ネットワークカメラとは別システムですが、映像を見て現場に指示ができるよう、放送設備も整備しています。

導入効果

人と車の適正配置が実現し、物流オペレーションの効率化に貢献。


旋回型カメラで物流オペレーションを確認

防犯と作業オペレーションという2つの目的のためにネットワークカメラを導入しましたが、双方の目的通りの効果を発揮してくれています。作業オペレーション用として導入したネットワークカメラにより、人と車の適正配置が実現しています。羽田クロノゲートベースではマテハンや仕分けエリア、バース(荷積み、荷下ろしエリア)の要所となるところを網羅するよう、ネットワークカメラを配備したことで、カメラ映像による荷物の仕分け作業の指示や車両誘導が実現しています。

導入してから気付いたことも多々ありました。第一に録画した映像を見ることが多いということです。羽田クロノゲートベースでは車両の入退出やバースエリアにもさまざまなセキュリティー装置を採用しており、慣れていないドライバーなどは戸惑いから渋滞になるなどのトラブルが発生することがあります。なぜ、そんなトラブルが起こったのか、対処法を検討するためにも映像を見て確認しています。作業をスムーズにするためにも、画質は重要ですね。ソニーのネットワークカメラは画質、操作性ともに満足しています。

第二にリアルタイムでの指示がなかなか難しいことです。例えば映像で特定の行き先に荷物が集中していることを見つけ、作業のリーダーに指示をしても、そのリーダーが戻ってきた頃には、先の状態が解消されていたり、ということが多々あります。羽田クロノゲートベースは広いので、作業リーダーが常に近くに居るわけではありません。集中管理室でオペレーションを指示しても、現場に反映されるには数分のタイムラグが発生してしまうのです。よりリアルタイムなオペレーションを実現するにはどうすればよいか、このあたりは今後の課題として検討したいと思います。

今後の展望

羽田クロノゲートベースの価値を向上させる仕組みづくりにまい進。

集中管理室で映像だけではなく音声も確認できるような仕組みを構築していきたいと思っています。実は映像だけではなく音声もオペレーションにとって、重要な要素なのです。より効率的なオペレーションを実現するためにも、音声を拾えるような仕組みを構築できればと考えています。高セキュリティー、高効率を可能にするような取り組みは、羽田クロノゲートベースの価値向上にもつながるからです。ヤマトグループの使命は「物流の改革」の実現を目指すこと。その中核を担う羽田クロノゲートベースの価値をさらに向上させるような、仕組みづくりにまい進していきたいと思います。

システム構成
ネットワークカメラ ×約800台
SNC-CH160
SNC-DH120
SNC-ER520
※上記は納入時の構成です。閲覧される時点で販売が終了している可能性がありますことをご了承ください。