内蔵メモリーがいっぱいになったのでメモリーカードに撮りたいのですが、カードが認識されず困っています。故障でしょうか?
使っているハンディカムと、記録方式は何ですか?
ハンディカムはFDR-AXP35です。きれいな画質で残したいので、XAVC S 4Kに設定しています。
では一度メモリーカードを取り出して、メモリーカードの種類を確認しましょう。
64GBのSDXCメモリーカードです。以前使っていたハンディカムでは使用できていたのですが。
4K動画に限らず、XAVC S形式の動画撮影は、容量の大きいデータを連続で記録していくため、SDXCメモリーカードの中でも書き込み速度が速いSDXCメモリーカードが必要です。
メモリー容量さえ大きければいいというわけではないのですね。書き込み速度は、どのようにして確認するのでしょうか。
いろんなメーカーがいろんな種類のメモリーカードを出しているので、スピードクラスという統一の規格を用いて、最低書き込み速度がわかるようになっています。
スピードクラスには「SDスピードクラス」と「UHSスピードクラス」の2種類があります。このふたつのスピードクラスの間に互換性はなく、別の規格です。
2種類もあるのですか。こんがらがりそうです。
順番に説明しますね。まず「SDスピードクラス」からです。
この、アルファベットのCのようなマークの中にある「4」という数字が、SDスピードクラス4であることを表しています。
SDスピードクラスには2、4、6、10の4種類があり、それぞれの数字が最低書き込み速度を表しています。たとえば「4」の場合、1秒間あたり4MB(4MB/s)の最低書き込み速度を保証します。
「10」の場合は10MB/sということですね。
そうです。数字が大きいほど最低書き込み速度が速いのです。
XAVC S形式の動画を撮影する場合は、この数字が「10」のSDXCメモリーカードが必要です。このように表示されていることもあります。
SDスピードクラスについては、わかりました。
それでは次に、「UHSスピードクラス」です。SDスピードクラスよりも、さらに高速の規格です。
UHSスピードクラスにはⅠとⅡの2種類の規格があり、お使いのハンディカムFDR-AXP35はUHS-Ⅰに対応しています。
SDロゴの横にある「Ⅰ」がUHS-Ⅰ規格であることを表します。
アルファベットのUのようなマークの中にある数字「1」がUHSスピードクラス1であることを表します。この数字には1と3の2種類があります。
それぞれの最低書き込み速度は以下のとおりです。
3 ⇒ 1秒間あたり30MB(30MB/s)
1 ⇒ 1秒間あたり10MB(10MB/s)
お使いのハンディカムの初期設定である「XAVC S 4K/60Mbps」の場合はSDスピードクラス10でも撮影できますが、録画モードを100Mbpsに設定して撮影する場合は、UHS-Ⅰのスピードクラス3以上のSDXCカードが必要です。
このような表示のあるSDXCカードを用意してください。
ちなみに、右上の94MB/sは、このカードをUHS-Ⅰ規格に対応した機器で使用した場合の、最大書き込み速度を表しています。
最大読み出し速度と最大書き込み速度は、メーカーやカードの種類によって異なりますので、仕様表などを確認して、購入の参考にしてください。
では結局、このSDスピードクラス4のSDXCメモリーカードはXAVC S 形式の記録に対応していない、ということですね。
残念ながら、そういうことになります。
XAVC S記録に対応しているメモリーカードが用意できないときは、ハンディカム側で記録方式をAVCHD形式に切り換えるといいですよ。AVCHD形式はSDスピードクラス4以上推奨です。
[MENU]−[画質・画像サイズ]−[記録方式]をタッチしてください。
なるほど、そういう手もあるのですね。
AVCHDに設定したらメモリーカードが認識されました!
これで撮影できます。ありがとうございました!
ちなみに、記録先をメモリーカードに変更すると、記録、再生ともにメモリーカードになります。内蔵メモリーに記録したものを再生するときは、記録先を内蔵メモリーに戻してくださいね。
記録先は[MENU]−[セットアップ]−[メディア切替]で変更します。メディア切替をする方法は、動画でもご紹介しています。
UHS-Ⅰ規格のメモリーカードはUHS-Ⅰに対応していない機器でも使えますが、その速度を生かすことはできません。保証されている最低書き込み速度は、対応機器同士で使った場合の速度です。