東日本大震災後の報道で、ボランティアの方が泥を丁寧に取り除いた写真を、持ち主に返却するため、壁に貼り出している映像をご覧になった方も多いのではないでしょうか?
思い出も皆様の大事な財産の一つです。
このページでは、災害時に大事な思い出を失わないようにする工夫を、わかりやすくご紹介します。
今までデータの保存は、メディア(CD、DVD、SDカード、USBメモリーなど)もしくは、ストレージ(外付けハードディスクなど)を使用するのが一般的でしたが、最近では、ネットワーク上のサーバーにデータを保存することができる「クラウドサービス」が普及してきています。
今までどおりメディアやストレージに大切なデータを手元に保存し、さらに「クラウドサービス」を利用してネットワーク上にもデータを保存しておけば、保存先を分散させることができるので、万が一被災してもクラウド上のデータは残る可能性があります。
すでに企業向けには、災害リスク分散型バックアップサービスも多く存在しています。
「クラウドサービス」とは、サービス提供企業が管理しているインターネット上にあるコンピューター(「クラウド」、「クラウドコンピューティング」)に、自分のパソコンやタブレット、スマートフォンにあるデータを保存することができるサービスです。
クラウドは英語で「雲」の意味で、インターネットを雲の絵で表現することに由来しています。
データの管理(保存・取り出し)は、ご自身のログインIDとパスワード(暗証番号)を使って行います。
インターネットにアクセスできる機器であれば、お手持ちのどの機器からも同じIDとパスワードでデータを保存・取り出すことが可能です。保存したデータを家族や友人で共有できるサービスもあります。
上記でもご説明した通り、インターネットにアクセスできる機器であれば、どこからでもどの機器からでも、同じIDとパスワードでデータを保存・取り出すことが可能です。
そのため、もし災害でお使いの機器が故障したり、データを保存しておいたメディアを紛失してしまったとしても、クラウドのIDとパスワードさえ覚えていれば、災害が落ち着いてからほかの機器でアクセスし、データを取り出すことができます。
また、データはコピー(複製)ができるため、コピーしたデータを手元の機器や、クラウドどちらにも保存しておくことも可能です。
クラウド上に保存したデータは、インターネットにアクセスできる機器であれば、どこでもデータを取り出すことができるため便利ですが、クラウドはインターネットを介した別の場所(サービス提供者のサーバーコンピューター)にデータが保存されるため、ネットワークに障害が発生するとサービスが利用できなくなることもあります。
失いたくない大事なデータは、メディアやストレージに保存して手元に置いておき、加えてクラウド上にもデータを保存する、というように、「データを分散しておく」という視点でクラウドサービスを利用するとよいでしょう。
ここでは、いくつかのクラウドサービスをご紹介します。
写真の保存が可能 動画の保存が可能
それ以外のデータ保存が可能
保存できる総容量 有料/無料
PlayMemories Online(プレイメモリーズオンライン)は、ソニーの写真・動画クラウドサービスです。
ログインIDはPlayStation Networkアカウントを使用します。
写真や動画を簡単にアップロードでき、場所を選ばずさまざまな機器で見られ、家族や友人との共有もできます。
Microsoft社 が提供しているクラウドストレージです。ログインIDはMicrosoft アカウントを使用します。
Microsoft Officeソフトとの連携や同期が可能です。詳細は以下のMicrosoft社のページをご確認ください。
Google社が提供しているクラウドストレージです。ログインIDはGoogleアカウントを使用します。
15GBまで無料で使え、有料でさらに拡張もできます。詳細は以下のGoogle社のページをご確認ください。
Dropbox社が提供しているクラウドストレージです。ログインIDはDropbox専用のアカウントを使用します。
2GBまで無料で使え、有料でさらに拡張もできます。詳細は以下のDropbox社のページをご確認ください。
1か所にデータを保管した場合、その媒体が消失した場合、すべてを失ってしまいます。
クラウドサービスを上手に利用し、自分が被害にあってもデータを失うリスクを減らせるように、日ごろから分散して保管する方法も検討してみましょう。