東日本大震災の際、「携帯電話や固定電話などの通信回線はつながらない中、スマートフォンやタブレット、パソコンからはインターネットやメールがつながったので、家族や知人の安否確認や災害情報を得ることができた。」ということがありました。
また、避難所にパソコンやタブレットなどの支援物資が届けられても、「活用方法がわからず、使いこなせなかった。」という声もありました。
ここでは、いざというときにパソコンを活用するための方法についてご説明します。
自宅が停電になると、屋内で使用している固定電話や据え置き型モデム、無線LAN機器は使えなくなってしまいますので、自宅以外でインターネットに接続する方法を覚えておきましょう。
携帯電話の基地局が停電していなければ、パケット通信で直接インターネットに接続することができます。
東日本大震災以降、docomo、au、ソフトバンクなどの通信事業者は、停電に備え全国の基地局でバッテリーによる稼働を進めています(2016年12月現在の情報)。
携帯電話の基地局が停電しておらず、事前に通信会社とテザリングの契約をしていれば、屋外でもスマートフォンを介したテザリングで、機器を最大5台まで同時にインターネットに接続することができます。
<参考>
通信基地局が停電しておらず、事前に通信会社でモバイルWi-Fiルーターの購入および契約、設定をしていれば、モバイルWi-Fiルーターを介してインターネットに接続することができます。
同時に接続できる機器台数は、モバイルWi-Fiルーターによって異なります。
駅や公民館などの公共施設、飲食店、コンビニエンスストアなどで公衆無線LANスポットが利用できる場合もあります。公衆無線LAN事業者と事前に契約が必要な場合もありますが、東日本大震災では一部の場所で無料開放する措置が取られたようです。Wi-Fiが利用できる場所は店先などに目印になるステッカーが掲示されている場合が多いので、Wi-Fiスポットがどこにあるのか確認しておくと良いでしょう。
被害状況や復旧情報、また避難場所や支援物資の到着状況などの情報を入手する手段には、地域の防災無線やテレビ、ラジオなどがありますが、それ以外の方法として、インターネットを使って情報収集する方法があります。
また、インターネットの接続に時間がかかるとバッテリーを消費してしまうので、短時間で必要な情報を入手できるように、以下のページを参照し、今から役立つページをお気に入り(ブックマーク)に登録したり、必要なアプリケーションをダウンロードして準備をしておきましょう。
災害情報 | 内容 |
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tenki.jp | 日本気象協会が運営している天気総合ポータルサイトです。 |
Googleクライシス レスポンス |
Googleが提供するの災害時に役立つサイトです。 Google災害情報、Googleパーソンファインダー、災害時ライフラインマップなど各種サービスがあります。 |
Yahoo!天気・災害 | Yahoo!が提供する天気・災害総合サイトです。 |
Yahoo!防災速報 | Yahoo!が提供するサービスです。登録すると地震、津波、ゲリラ豪雨、計画停電などの災害情報や今後の予報・予測 を、緊急のお知らせを受け取れます。 |
ニュース | 内容 |
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radiko.jp | インターネットを通じてラジオを視聴することができます。 |
Ustream | インターネットで生放送番組を視聴できます。 東日本大震災時には、テレビの地上波番組が配信されました。 |
交通情報 | 内容 |
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NAVITIME | 地図でルート案内や周辺検索、また交通情報、電車の運行情報、最寄りの病院検索ができる便利なアプリケーションです。 |
「家族や親せき、友人の安否を確認したい」「自分の無事を伝えたい」という思いは、誰もが同じです。
被災地は、安否を問い合わせる電話が殺到し、通話量が規制されてつながりにくい状態が続くことも予想されます。
東日本大震災以降、携帯電話やインターネットで利用できる安否確認サービスが大幅に増えました。
安否確認のサービスは、普段から活用できるものや、災害時を想定して試すことのできるものがあります。
以下に挙げるサービスを参考にしながら、万が一に備え、安否確認に利用するサービスを家庭内でいくつか優先順位をつけて決めておきましょう。
たとえば、自宅に固定電話があり、家族にインターネットに接続できる機器を持っていない方が含まれるなら、災害伝言ダイヤル(171)を利用したり、逆に、固定電話を利用していない場合は、災害伝言版(web171)にするなど、環境にあったものを選ぶのもおすすめです。
サービス名 | 内容 |
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災害伝言ダイヤル (171) |
災害用伝言ダイヤルは、加入電話(プッシュ回線、ダイヤル回線)、公衆電話、ISDN、携帯電話・PHS、IP電話(050の電話番号から始まるIP電話は除く)からの利用が可能です(詳細はご利用の電話会社にお問い合わせください)。
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災害用伝言板 (web171) |
災害用伝言版(web171)へアクセスし、メッセージを閲覧、または登録したい電話番号を入力します。その後、画面の指示に従って進めていくと、静止画、動画、音声、テキストなどのメッセージを、閲覧・登録することができます。 |
Twitter (ツイッター) |
140文字以内のメッセージ(つぶやき)をインターネット上に発信できます。その手軽さから、ユーザー数が急激に増えていきました。 画面上には自分のつぶやきだけでなく、登録(フォロー)した人のつぶやきも時間順に表示されます。 |
Facebook (フェイスブック) |
Facebookは大規模災害の発生時に会員間での安否確認が行える「災害用伝言板」機能を開始しました。「無事を報告」ボタンをクリックすることで、家族や知人に無事を知らせることができます。登録は実名が原則となっているため、情報の信頼度が高いとされています。 |
Skype (スカイプ) |
Skypeは、ビデオ通話や音声通話、インスタントメッセージを送ることができるアプリケーションです。普段から利用しても楽しめるアプリケーションなので、あらかじめ家族や友人のアカウントを登録して使ってみてはいかがでしょうか。
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インターネットに接続できる機器+インターネットに接続できる環境さえあれば、情報を受信することも発信することもできます。
事前に役立つウェブサイトをお気に入り(ブックマーク)に登録し、必要なアプリケーションはダウンロードしておきましょう。こうすることで、災害時に検索やダウンロードをせずに済むため、バッテリーの消費を抑えることができます。
また、いざというときに連絡を取り合う手段を、ご家族で話し合っておきましょう。