法人のお客様映像制作機器 XDCAM/NXCAM XDCAM/NXCAMとは

XDCAM/NXCAMとは

XDCAMシリーズは、ファイル記録に対応しながらも、テープ運用で慣れ親しんだジョグ/シャトルなど従来のVTRと同じ操作性を踏襲したことで、 世界中で高い評価を頂いているフォーマットです。2004年発売開始以来、進化を続け、記録メディアも信頼性・耐久性に優れたプロフェッショナルディスク(業務用光ディスク)とメモリーカード両方をサポートし、それぞれのラインアップを拡充しています。
また、さまざまな記録フォーマット(ビットレート)対応やリニアとノンリニアのハイブリッド編集など用途に合わせた運用を可能にし、報道、番組制作など映像コンテンツ制作において柔軟で効率的な高画質制作を実現します。MPEG HD422やXAVCといったビデオフォーマットのMXFファイル形式記録に対応しており、放送業界をはじめとしたプロフェッショナルにご愛用頂いています。

NXCAMシリーズは、コンスーマーフォーマットを採用した業務用ハンディカムコーダーラインアップの総称で、XAVC SやXAVC HSといったビデオフォーマットをMP4ファイル形式で記録することが可能です。

※詳細は「商品一覧」にてご確認ください。

XDCAM基礎知識

さまざまなフォーマットの記録再生対応

XDCAMシリーズはSD/HDマルチコーデックを搭載し、さまざまなフォーマットの記録再生に対応しています。メニュー設定で記録フォーマットを変更することができますので、1台で目的に合った柔軟なコンテンツ制作が可能です。
主なコーデックとしては、MPEG HD422に加え、MPEG-4 AVC/H.264コーデック(XAVC)を採用し、高画質、高音質記録再生を実現しています。

XDCAM HD422コーデックはMPEG-2 Long GOP方式を採用し、フレーム間の差分情報を用いることで高効率の圧縮を実現したため、低ビットレート(=高圧縮)でありながら「高画質」「長時間記録」が特長です。
ネットワーク転送速度やメディア/サーバーなどの記録容量もフレーム内圧縮方式のXAVC(100Mbps)に比べて半減できるため、スピード・効率重視の報道制作などに適しています。
またCMのファイル搬入基準(*1)としても規定されているファイルフォーマットです。

*1 ARIB TR-B31/CMファイルベース搬入基準
:MPEG HD422(MPEG-2 Long GOP 50M)/
オペレーショナルパターン:MXF OP-1a

MPEG-4 AVC/H.264 Intra Frame方式に準拠したXAVC 100Mbps のコーデックは、フレーム内圧縮の為、圧縮効率が低く、 LongGOP方式に比べると高ビットレート(=低圧縮)でデータサイズが大きくなります。しかし、XAVC HDでは『ソニー独自のコーデック技術』により、編集・ダビングを繰り返しても画質劣化しにくいのが大きな特長です。従って、ダビング特性・画質重視の番組制作などに適したフォーマットです。

※対応コーデックは機器により異なります。

MXFファイル記録対応

XDCAMはMXFファイル記録に対応しています。
オペレーションパターンはOP1aを採用しています。MXF OP1aは映像・音声・メタデータを1つのファイルとして扱う構造のため、ファイル転送のワークフローに最適で、XDCAM以外でもノンリニア編集機やサーバーなどシステム間でファイル伝送を行うフォーマットとして幅広く採用されています。

  • ※プロフェッショナルディスク上ではビデオ、オーディオ、プロキシ、メタデータがそれぞれ独立のファイルとして記録されています。
  • ※XDCAM記録フォーマットによっては、MXFではなくMP4ファイルでの記録になります。

XDCAMのフォルダー構造

XDCAM は高解像度MXFファイルを記録するClipフォルダ、低解像度ProxyAVデータ用のSubフォルダ、ClipListデータを保存するEditフォルダの他、任意のデータを記録するGeneralフォルダとUserDataフォルダから構成されています。XAVCファイルやMP4ファイル、MA用のBWFなど音声ファイル、ノンリニア編集機のネイティブファイル、取材情報のWordファイル、JPEG Still 画像等XDCAMフォーマット以外のファイルはUserDataフォルダに"データ"として保存することも可能です。

※UserDataフォルダは映像・音声記録を記録するClipフォルダと共用のため、UserDataエリアを使用した場合、記録できる映像・音声の時間は減少します。

XDCAMのメタデータ

XDCAMではメタデータの活用によりファイルベースオペレーションにおいて、効率的なワークフローを実現します。

ディスク メタデータ: プロフェッショナルディスク全体のメタデータ

クリップメタデータ: 各クリップに紐づいたメタデータ

クリップタイトルやコメントなど一般的に言われる「メタデータ」がこれにあたります。クリップメタデータはMXFファイルのHeader情報の中に埋め込まれており、 Content Browserなどを使ってMXFファイル転送をするだけで、メタデータも紐づいた形でファイル転送が行えます。

※機種やシステムによってはメタデータが紐づかない場合もあります。

XDCAMではクリップ名などメタデータを変更することが可能です。
また日本語にも対応しています。例えば、項目名や撮影者などわかりやすいクリップ名に変更することにより、ノンリニアや素材サーバーなどに取り込んだ際の素材管理が容易に行えます。

プランニングメタデータ: 収録前にロードし、各クリップを紐づけていくメタデータ

取材/収録項目名・記者/ディレクター名・カメラマン名などをあらかじめプランニングメタデータとしてDiscに入れておき、カムコーダーにロードをして収録を行うと、そのメタデータに紐づいて収録されます。

《プランニングメタデータをカムコーダーにロードする方法》

  1. プロフェッショナルディスク/SxSメモリーカードの特定フォルダに記録しておく
  2. USBメモリーに記録しておく
  3. パソコン・携帯端末からWi-Fi経由でカムコーダーに送信する

特にWi-Fi経由での運用により、収録現場でのメタデータの内容変更も簡単に行えます。また報道支援システムとプランニングメタデータを連携することで、メタデータ入力の簡易化が可能です。

ファイルオペレーション

特長的なXDCAMファイルオペレーション

MXFファイル記録に対応したXDCAMではファイル記録であることを意識せず、VTRと同じ感覚でオペレーションを出来ることがメリットですが、テープオペレーションにはないファイルならではの機能も充実し、効率的なファイルオペレーションを実現しました。

"クリップ"オペレーション

REC ON⇒OFF動作で1つの"クリップ"が生成されます。

メディア内のクリップはサムネイルによる一覧表示が可能で、見たいクリップを一つ選択すると、テープのように早送り・巻き戻しなく、瞬時にプレビューすることが出来ます。Expand機能により、選択したクリップを更に等分割して最大1728分割のサムネイル表示が可能ですので、目的のシーンを効率よくサーチし、表示することができます。
また、プレビュー中にRecボタンを押しても、新しい"クリップ"として記録されますので、貴重な映像を途中から上書き消去することもありません。

クリップコンティニュアスREC機能

短いクリップを数多く記録したくない場合には、クリップコンティニュアスREC機能をオンにすると、記録と停止を繰り返しても、連続した1つのクリップとして記録することも可能です。

任意のファイル名によるクリップ管理

XDCAMではクリップのファイル名を任意のものに設定して運用することが可能ですのでメディア内はもちろん、ノンリニアやサーバーに取り込んだ場合も、わかりやすく素材管理することが可能です。

Unicode2.0の文字セットの数字、文字、記号が使用可能 (一部使用できない文字記号あり)
漢字の場合は18文字 (文字種によっては14文字まで、ASCII文字は56文字)

クリップリスト編集

クリップリストは、ディスクやメモリに記録されているクリップから必要な素材を選び、カット編集を行う機能です。クリップリストデータは素材をどのクリップの、どのタイムコードからどのタイムコードまでを再生するかというプレイリストのようなもので、"サブクリップ"と呼ばれています。このクリップリストは、ソフトウェア"Content Browser"で作成したり、XDCAM HD・XDCAM HD422シリーズの場合は、本体のサムネイル表示から行うことが出来ます。
これを使い、収録素材の簡易編集を行うことができます。このクリップリストデータはノンリニア編集機で読み込むことができます。XDCAMでオフライン編集を行い、ノンリニア編集機側でオンライン編集を行う、というワークフローも構築可能です。

ネットワーク

ファイル転送機能

FTPなど標準プロトコルを使って同一ネットワーク上にあるXDCAM機器やサーバーなどに、 映像、音声、メタデータなどの高速転送が可能です。
また、『ダイレクトFTP機能』が搭載されている機種であれば、PCを使わず本体のみで、接続先へ直接ファイル転送することが可能です。

ダイレクトマウントによるファイル操作

USB接続(Drive)やCIFS接続などXDCAM機器をPCネットワークドライブとしてマウントすることにより、ローカルディスクと同様に直接ファイルを操作したり、ドラック&ドロップで簡単にファイル転送することが可能です。

※接続方法は機種により対応が異なります。

記録メディア

S×Sメモリーカード

SxSメモリーカードは、 ExpressCard規格に準拠し、高速な転送速度を実現しています。また、パソコンからのダイレクトアクセスが可能なため、収録から編集の取り込みまでのフローを進化させます。

SxSメモリーカードは「SxS PRO+」シリーズと、「SxS-1」シリーズの2つのラインアップをご用意。いずれもプロフェッショナルの厳しい要求を満たす高い信頼性・耐久性を備え、安定した記録が可能です。何らかの理由で撮影中にメモリーカードが抜けたり、機器のバッテリーが外れた場合でも、「サルベージ機能」に対応しているため、安心してお使いいただけます。

メディアコストと長期保存性に優れたプロフェッショナルディスクをノンリニア(PC)との親和性に優れたSxSメモリーカードの特性を活かした適材適所の運用と連携オペレーションにより、共通のファイルフォーマットで効率的なワークフローを実現することができます。

放送・業務用レコーディングメディアはこちら

プロフェッショナルディスク

プロフェッショナルディスクは、コストパフォーマンスに優れたXDCAMファイル記録用の光ディスクメディアで、

  • 書き換え回数1000回以上
  • 読み取り回数は100万回以上
  • データ保持年数50年以上(※加速度試験による推定値)

と、テープメディアに比べ、信頼性・耐久性に優れています。

また、放送業務用メディアとしてご運用いただくため

  • 記録信頼性: ファイルシステムの二重記録
  • 耐衝撃性: 記録中の衝撃にも強い記録方式
  • 強力なエラー訂正機能、サルベージ機能

など、記録・再生の信頼性を高めるさまざまな機能が搭載されています。

更に、耐久性や防塵力に優れたカートリッジを採用することでディスクへの埃や衝撃および表面の保護を強化しています。過酷な環境下で使用される放送業務用として、温度や湿度への耐久性も考慮された設計になっています。

1層、2層、3層リライタブルディスク、そして4層ライトワンスディスクと豊富なラインアップを揃え、 、収録・編集・送出・アーカイブとあらゆるファイルベースコンテンツ制作をサポートします。

コーデック×メディア 対応表

  HD SD
XAVC MPEG
HD422
(MXF)
MPEG
HD420
(MXF)
MPEG
HD420
(MP4)
MPEG IMX DVCAM
100Mbps 50Mbps 35Mbps 25Mbps 18Mbps 35Mbps 25Mbps 50Mbps 40Mbps 30Mbps 25Mbps
Professional
Disc
128GB
(4層)
   
100GB
(3層)
   
50GB
(2層)
   
23.3GB
(1層)
   
SxS SxS PRO+
SxS PRO  
SxS-1  

記録/再生時間

  プロフェッショナルディスク SxSメモリーカード
メディア型名 PFD23A
(1層)
PFD50DLA
(2層)
PFD100TLA
(3層)
PFD128QLW
(4層)
SBP-32G1A SBP-64G1A SBP-64B SBP-128B
メディアタイプ 書換型 書換型 書換型 追記型 書換型 書換型 書換型 書換型
記録容量 23GB 50GB 100GB 128GB 32GB 64GB 64GB 128GB
記録クリップ数 300 300 1200 1200 600 600 600 600
記録
時間
XAVC 100Mbps 約21分 約46分 約92分 約120分 - - 約60分 約120分
MPEG HD422 50Mbps 約43分 約95分 約190分 約240分 約60分 約120分 約120分 約240分
MPEG HD 35Mbps 約65分 約145分 約290分 約360分 約90分 約180分 約180分 約360分
25Mbps 約85分 約190分 約380分 約480分 約100分 約200分 約200分 約400分
18Mbps 約112分 約248分 約496分 約600分 約140分 約280分 約280分 約560分
MPGX IMX 50Mbps 約45分 約100分 約200分 約240分 約60分 約120分 約120分 約240分
40Mbps 約55分 約120分 約240分 約300分 - - - -
30Mbps 約68分 約150分 約300分 約360分 - - - -
DVCAM 25Mbps 約85分 約185分 約370分 約450分 約110分 約220分 約220分 約440分

※記録/再生時間は目安であり、クリップやオーディオチャンネル数によって異なります。仕様は変更される場合があります。

* フレーム周波数29.97P及び59.94iの場合

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