法人のお客様映像制作機器 XDCAM/NXCAM 事例紹介 株式会社 鹿児島讀賣テレビ 様

株式会社 鹿児島讀賣テレビ 様

放送局

2020年3月掲載

報道制作の柔軟さと劇的なスピードアップを新IBO OTCとMedia Backbone報道ソリューションで実現

株式会社 鹿児島讀賣テレビ 様
株式会社鹿児島讀賣テレビ様は、2006年に導入後、運用されていたソニーのOTCシステム「IBO」を新たなバージョンへ更新するとともに、「Media Backbone報道ソリューション News MAMシステム」を新たに導入し、2019年6月から運用を開始しました。
  • 技術局 制作技術部長 岩元 和也様
    株式会社 鹿児島讀賣テレビ
    技術局 技術部
    副部長
    末永 幸成様
  • 技術局 制作技術部 宇佐見 由貴様
    株式会社 鹿児島ビジョン
    報道ディレクター
    冷水 正志様
  • 報道制作局 報道部 副部長 後藤 友彰様
    株式会社 鹿児島ビジョン
    報道取材部カメラデスク
    松江 洋喜様

ワンストップソリューションとサービス品質が採用の決め手に


サブのOTC操作卓


OTC操作卓上の「PinP」のオンオフボタン(上)と
画面上の位置を指定するスイッチ(下)

当社では、ソニーのOTCシステム「IBO」を長らく運用してきており、更新の時期に差し掛かっていました。各社のシステムも検討しましたが、いままでの慣れや運用ノウハウの蓄積、取材用のXDCAMカムコーダーとの親和性、NNNニュース情報システムとの連携が実現されていることから、引き続き、新しいバージョンのIBOを導入することにしました。

IBOとMedia Backbone報道ソリューション News MAMシステムとの組み合わせにより、取材した素材のインジェストや回線収録、元素材の管理、編集作業の進捗管理、完パケ素材(サブ出し素材)の管理、送出サーバーへの転送、および、番組の項目表 / キューシート作成、サブでのOTC送出までを一貫して行えます。

毎日お昼の2分半ほどのニュース、夕方の40分のニュース番組、そして夜8時55分からのショートニュースの3本のほか、JリーグのPR番組を今回、導入された新システムで制作しています。

インジェスト・回線受け中も編集が可能に

インジェストは、収録回線数が増えて、並行して多くのベースバンド収録、および、ファイルインポートができるようになり、収録中でもプロキシでのプレビューや編集作業を開始できるようになりました。

ベースバンド収録では、収録開始後、10秒くらいで追っかけ編集を始めることができるため、特に放送中、現場で記者会見が同時進行しているような場面で、とても便利です。収録回線数も3回線から8回線に増え、選挙特番など、回線数が足りなくなりがちだった場面で、余裕が生まれました。


インジェスト端末および回線収録端末のモニター


回線収録用のPWS-100/INGT

編集終了後の転送が“秒”の速さに

編集室は、報道専用で6室、制作用で5室あります。更新前からXPRIを導入し、ノンリニア化していましたが、今回の更新でIBOとMedia Backbone 報道ソリューション News MAMシステムが一体化したことで、更にワークフローが進化し、誰でも、どの編集室でも、どの項目でも編集できるようになりました。編集中に事件などが発生し、取材に出た後、戻って来た場合でも、別の編集室で作業を続行できます。

編集を終えた完パケ素材については、従来は編集システムから送出サーバーへベースバンドで転送(カマタキ)していたため、転送には実時間がかかっていました。さらに、送出予備としてHDCAMにも同時に書き出しをしており、物理メディアの手渡しも避けられませんでした。

今回のシステムでは完全にファイルベースになったことで、編集を終えて、エクスポート(書き出し)すると、8秒後にはキューシートに完パケ素材が登録されます。オンエア中の追い込み編集をしている際、項目まであと2分と迫っても「まだ2分もある!」と思えてしまうほど、世界が劇的に変わりました。

手動系統の充実で“柔軟さ”がアップ


送出システムのXDCAM Station

送出では、DSK送出が2系統から3系統に増え、3系統目をマニュアルで使用できるようになったため、再撮用に使用したりしています。従来、HDCAMで備えていた予備系統は、本線同様にXDCAM Stationになりました。予備系統のXDCAM Stationにも同じく、すべての完パケ素材があらかじめ転送されています。また、OTCから独立した専用のポン出し端末からの送出もできます。また、子画面の手動送出機能も追加してもらいました。桜島の噴火状況がわかる情報カメラの映像や、台風の進路図を出しっぱなしにしたりするような用途で使っています。

便利さがいまではすっかり当たり前に

従来のシステムでは、オンエア中も追い込みで編集中という項目が何本もありました。しかし、更新後はオンエア開始前にすべての素材が揃っている、ということがよくあります。すごく速く、すごく便利になりました。いまではすっかり当たり前のものになってしまいましたが、更新して1カ月ほど経った頃に一番有り難さを感じて「こんな素晴らしいものはない」と実感しました。

今後は、報道フロアの模様替えに合わせた素材プレビュー端末の増設や、バージョンアップでのL字送出機能の追加、将来的にはアーカイブシステムの統合なども考えていきたいと思っています。

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