法人のお客様映像制作機器 XDCAM/NXCAM 事例紹介 株式会社 宮崎放送 様

株式会社 宮崎放送 様

放送局

2018年9月掲載

XDCAM Stationによるファイル送出を実現したOTCシステムの導入

株式会社 宮崎放送 様
株式会社宮崎放送様は、報道サブのリニューアルに当たり、Media Backbone報道ソリューションワンタッチコントロール(OTC)送出システムを採用。2018年1月より、マルチソースに対応したショートニュースの放送を開始されました。
(記事内容は2018年4月時点)
  • 技術局 制作技術部長 岩元 和也様
    技術局
    制作技術部長
    岩元 和也様
  • 技術局 制作技術部 宇佐見 由貴様
    技術局
    制作技術部
    宇佐見 由貴様
  • 報道制作局 報道部 副部長 後藤 友彰様
    報道制作局
    報道部 副部長
    後藤 友彰様

災害発生時の素早い情報伝達を目指して

沖に南海トラフを抱えている宮崎県は、東日本大震災以降、地震や津波に対する防災意識が高まりました。それに伴い、4基あった情報カメラを10基以上に増やして海岸線などに設置。また、複数のIPカメラを導入するなど、万が一の災害に対して素早くより多くの情報を提供できるように整備してきました。しかしその中で映像ソースが増えたことで、既存のシステムではすべてをモニタリングすることが難しくなったことが、ニュースサブ更新の理由の一つでした。

XDCAM Stationによるファイル送出システムの構築

もう一つの課題が、ファイルベースによる送出まで行うことでした。これには当初からXDCAM Stationを使ったファイル送出を考えていたので、システムのご提案をいただくときに「XDCAM Stationを使ったファイル送出ができること」を条件に入れさせていただきました。XDCAM Stationを選んだ理由は、パソコンベースでないサーバーであること。そしてなにより、放送機器で送出したいという考えからでした。すでに局内や中継車などでXDCAM Stationを使用しているので、冗長性を含めた信頼性が高いこともポイントでした。また、従来のOTCシステムとは違い、仮想化技術を用いることにより、柔軟なシステム構成とメンテナンス性の向上を実現した点です。これにより、以前よりもコストパフォーマンスが高く、メンテナンスもしやすいものとなりました。

限られたスペースへ効率よく機材を配置

図面の段階でこだわったのは、狭いスペースの中にいかに機材を配置するかです。映像ソースが増えたことで、モニター環境を充実させたいという希望があったので、32インチの16面タッチパネルを3枚設置してもらいました。こちらは、既存の機器とともに狭いスペースの中にうまく収めてもらえたと思います。

また、実際にオペレートするスタッフが新システムへ違和感なく移行できるように、以前の設備と同じ位置にボタンや機器をレイアウトするようにお願いしました。運用開始前の研修期間がかなり短かったのですが、大きなトラブルもなく移行でき、これはスタッフにも大変好評でした。

作業効率がアップし運用性が向上


通常のショートニュース放送時は2名体制でオペレーションを行い、 緊急時にはスタッフ1名で対応。

通常こちらの報道サブでは、昼と夜に5分程度のショートニュースを放送しています。以前は、編集した映像を一度メディアに入れて、それを送出サーバーへコピーしていましたが、現在はネットワーク経由で直接サーバーへ送れるので、作業効率が向上し、時間的な余裕も生まれ編集スタッフにも好評です。

ショートニュース放送時のオペレートは2名で行っています。取材を行った記者がスイッチャーを担当し、編集スタッフが音響を担当しています。新システムのボタンや機器レイアウトは、以前の設備と変わらない配置に設計していただいたので、とても扱いやすく、大きなトラブルも無く運用できています。


更新前と同じ位置にスイッチ類をレイアウト

一方、地震や津波などの災害発生時には、第一報を伝える重要な役割を持っています。数多く設置された情報カメラ、IPカメラからの映像を、一人でもオペレートできるよう、実際に中継映像を使った中規模訓練を月2回、小規模の訓練を平日に毎日行っています。以前は映像ソースをすべてモニターに出すことができませんでしたが、新しいシステムではすべてのソースを表示し、ワンタッチで切り替えることが可能になり、運用性が大幅に改善しました。

今後はほかのサブと連携した拡張を検討

今回のニュースサブのリニューアルによって、コンパクトで使いやすいOTC送出システムが整備できました。今後は報道支援システムとの連携やほかのサブと連携したシステムの拡張も検討していきたいと考えています。

また、これからも報道に携わる者として、災害に関する正確で信頼性の高い番組づくりを目指していきたいと思っています。

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