HAP-Z1ESは、CDを超える情報量を持つハイレゾ音源として知られるDSD音源に対応。DSD(ダイレクト・ストリーム・デジタル)とは、スーパーオーディオCD用に開発されたデジタル記録技術で、マルチビット方式のPCM記録とは異なり、2.8224MHzや5.6448MHzなどの高い周波数でサンプリングを行い、音楽信号をダイレクトに1bitデジタルデータに変換。信号はパルスの粗密で表現され、空間を伝わる音波にも似た形となっています。原理上は100kHzを超える広い再生周波数帯域と、可聴帯域内の十分なダイナミックレンジを確保でき、原音に極めて近い録音が可能な方式です。スーパーオーディオCDを生みだしたソニーの持つ独自のデジタル音声技術を採用したことにより、より高音質なDSD音源の再生を楽しめます。また、ギャップレス再生も可能です。(*)
* DSD方式のギャップレス再生については、本体のソフトウェアバージョン 13741R以降にて対応
不可逆圧縮音源やロスレス圧縮といった方式のほか、デジタル音源データはさまざまなフォーマットで流通しています。HAP-Z1ESではそうした多彩なフォーマットに幅広く対応することで、音源データの形式やサンプリング周波数などを気にすることなく、手軽にさまざまなデジタル音源を活用できます。DSD音源としては、業務用のDSD録音で使われるDSDIFFのほか、DSDレコーダーで使われるDSF形式に対応。サンプリング周波数は2.8MHzと5.6MHzの再生ができます。また、非圧縮のリニアPCMではWAVとAIFF形式に対応。ロスレス圧縮はFLACやアップルロスレス、WMAロスレス、ATRACロスレスに、またサンプリング周波数および量子化ビット数はPCM方式では最大192kHz/32ビット(*)まで再生可能です。このほか、不可逆圧縮フォーマットは、MP3、AAC、WMA、ATRACに対応しています。
* 本体のソフトウェアバージョン 13741R以降にて対応
SACDのフォーマット作成で培ったDSD処理技術、スタジオマスタリング時のDSDアップコンバート技術、圧縮することで失われた情報をオリジナルに近づける高音質化技術を結集。DSDやPCM音源だけではなく、家庭内でリッピングしたCDやMP3などの圧縮音源も、高音質で楽しめます。
豊かな情報量を持つハイレゾ音源ファイルをより高音質で再生するには、高精度なD/A変換回路が必要です。HAP-Z1ESでは、DSD音源のD/A変換方式として理想的なアナログFIRフィルター、移動平均フィルター、アナログローパスフィルターを含むデジタルフィルター群で構成。ソニーが持つDSDマスタリング技術、DSD再生のノウハウにより、それぞれのフィルターに最適な特性が与えられ、原音の情報をあまさずに表現する、理想的なD/A変換を可能にします。
前述の理想的なD/A変換システムの性能を最大限に生かすため、あらゆる形式の音楽データを5.6MHz相当のDSD信号に変換する「DSDリマスタリングエンジン」を搭載。高性能なDSPとソニーが独自に開発したオーディオICで構成された変換エンジンには、ダイレクト8倍オーバーサンプリングやノイズシェイピング技術など、録音スタジオなどで使われる業務用機の開発で培った技術を盛り込みました。これにより、さまざまな楽曲データも、元のデータの情報量を損なわずより高精度なD/A変換ができます。DSDリマスタリングエンジンはON/OFFが可能(*)ですので、音質のお好みによって切り替えてお使いいただけます。
* 本体のソフトウェアバージョン 10345R以降にて対応
PCM信号という形でデジタル化された音楽信号には、元の音楽成分の他にfs(サンプリング周波数)ごとにノイズ成分が含まれます。正確なDA変換するためにはこのノイズ成分を取り除く必要がありますが、アナログフィルターだけでは元のオーディオ成分を損なったり、ノイズを取りきれないといった現象が生じます。オーバーサンプリング・デジタルフィルターは、デジタル演算でこのノイズを取り除きます。たとえば8倍オーバーサンプリングであれば、fsから7fsまでのノイズを取り除くことができます。デジタルフィルターでオーディオ成分に近いノイズ成分を除去することで、アナログフィルターによるノイズ除去をより容易にします。
HAP-Z1ESでは、PCM音源の処理部に最大(*1)で8倍のオーバーサンプリング・デジタルフィルターを採用。一気に8倍のサンプリングレートに信号を変換するフィルター構成を採用していますので、精度の高いオーバーサンプリングが可能です。さらに、通常の8倍処理である「ノーマル」モードに加えて、オーバーサンプリングの精度を更に向上させた「プレジション」モード(*2)の2種類を用意。圧縮音源からハイレゾ音源まで、最適なアルゴリズムによるオーバーサンプリングを、2種類のモードから切り換えてお楽しみいただけます。DSEE HXは元のオーディオ成分以上の信号成分を生成する信号処理ですが、オーバーサンプリング・デジタルフィルターはオーディオ成分以外の余分なノイズ成分を除去する演算ですので、元のオーディオ成分を加工しません。
*1 44.1/48kHzでは8倍、88.2/96kHzでは4倍、176.4/192kHzでは2倍で変換
*2 本体のソフトウェアバージョン 13741R以降にて対応
ハイレゾ音源の多くは、非圧縮のリニアPCMやロスレス圧縮など、さまざまなかたちで配信されています。さらに普及率の高いMP3やAACなどの不可逆圧縮音源など、デジタルデータで提供される音楽データは多種多様です。HAP-Z1ESでは、そうした数多くのデジタル音源データを高音質で再生するため、高音質技術「DSEE」を搭載。MP3やAACなどの不可逆圧縮音源に対しては、圧縮によって失われがちな高音域を20kHzまで周波数補完します。また、すべての非可逆圧縮音源とリニアPCM音源やロスレス音源に対して、40bit浮動小数点で演算を行い、ノイズシェーピング処理により32bit固定小数点に変換してDA変換器に伝送することで、通常の32bit精度を遥かに超えた精度の高いビット拡張を実現します(*)。これらにより、ハイレゾ音源はもちろん、あらゆるデジタル音源データの微小領域の信号を復元し、より原音に近い自然で表現力豊かなサウンドを楽しめます。
* HAP-S1に搭載のDSEEは「32bit固定小数点演算」によるビット拡張
オリジナルはRシリーズから始まり、ESシリーズにも採用されてきたフレーム・ビーム(FB)シャーシを、より高音質を追い求めてさらに進化させました。今までのFBシャーシに、精度が高く圧倒的に剛性の高いベースを組み合わせることで、全体の歪みが少なく、響きの良いシャーシを構成。部品の高精度な取り付けと高剛性を両立させ、情報量が多く正確な音場を実現しています。また、シャーシの精度を守るため、3ピースのケースを採用。側板には精度の高いアルミを使用することで、防振とシャーシへの歪みを抑えています。底板は2.0mmと1.6mmの厚みの2枚の鉄板を組み合わせることで、高剛性と低重心を実現しました。またトランスの直下にはさらにもう2枚のベース板金を追加。万全の補強でトランスを固定しています。
美しいアルミ筐体の外観を損なわないようにするため、Wi-Fiアンテナはセット本体に内蔵しています。通常、アルミ筐体の場合、アンテナを内蔵することは非常に困難です。デザイン、電気、メカ、高周波技術の各担当者の知恵を結集し、シャーシ形状に最適かつ、Wi-Fiアンテナを内蔵してもノイズの影響を与えないような設計としました。それにより、美観や性能を損なわず、理想的なWi-Fi通信と高音質な再生を実現しています。また実際の家屋でのフィールドテストを繰り返し行い、その結果を設計にフィードバックすることで、より実環境に最適な性能を実現しています。
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