──“α”にとって“9”のナンバーがついたモデルは、頂点を意味するだけでなく、生み出される写真やカメラそのものに対しても特別な思いを感じます。
内田:α99は“α”シリーズのフラッグシップですので、“α”史上最高の画質を達成することは当然、という気持ちでした。プリントした際に思わず手を伸ばしてしまうような解像感や、薄い花びらの1枚1枚に立体感を感じるような階調表現を実現しています。そして写真表現力と同時に、“α”だからこそ、ソニーだからこそ実現できる撮影体験を追求しました。
──これからα99が“α”シリーズを代表する存在になるわけですが、ソニーのカメラだからこそ得られる撮影体験とはどういったことが挙げられますか?
内田:現在の“α”シリーズは「トランスルーセントミラー・テクノロジー」をはじめとするソニー独自の技術によって従来の一眼レフカメラとは異なる価値を提供していることが特長のひとつです。ファインダーから見える風景をそのまま写真にできる電子式ビューファインダー、動く被写体にも確実にフォーカスを合わせ続ける追尾フォーカス、そして新機能のデュアル位相差AFなど。“α”史上最高の画質と、革新的な技術を採用した“α”ならではの機能があわさることで、α99は新しい写真の表現と撮影体験を提供します。
──α900の登場からすでに4年が経過しており、その間“次のフラッグシップ”を求める声は多く聞かれていましたが。
漆戸:「次の“9”はいつ出るんだろう?」という期待は近年痛いほど感じていました(笑)。お客さまの声からは高画質への期待はもちろん、新しい撮影機能、ワクワクするような新技術を期待していることがひしひしと伝わってきました。しかし、伝統の“9”を背負う“α”は並みの高画質や新技術だけではお客さまの前に出すことはできません。カメラは究極としては表現の道具であり、狙った表現の写真が自在に操れることで初めて“名機”となります。そして表現力や使いやすさの先にある、“使って心地いい”という感覚を実現しなくてはなりません。開発にあたっては企画、開発、デザインと関係者全員がαの最上位を開発するのだということを念頭に、納得いくまで検討し仕上げました。