撮影者によって「よく使用する機能」「撮影モード」「露光レベル」などは異なります。
本当に使いやすいカメラは、自分が使う機能だけが必要で、
使わない機能やそのための操作部材は邪魔になってしまいます。
このように撮影者によって異なる撮影設定や機能に合わせて
カメラをカスタマイズできることが、使いやすいカメラには必要になります。
α-7700iでは、カメラ本体を多機能にして使いにくくするのではなく、欲しい機能や、撮影テクニックを、当時はまだ一般には知られていなかったICカードを使ってカメラに付加する、インテリジェントカードシステムを採用しました。好みの機能や、撮影対象に合わせたカメラ設定の自動化など、「自分好みのカメラの提供」を可能にしたのです。ICカードは小さなコンピュータ、カメラが得られるあらゆる情報を使用してシャッター速度や絞り値を決定したり、カメラのレリーズやAFをコントロールしたりと多彩なコントロールが可能になります。
撮影目的に応じて最適な描写が得られるよう、高度な撮影テクニックそのものをプログラムしたカードです。現在のシーンセレクタの起点となりました。
オートブラケット機能やハイライト・シャドウコントロール機能など、カメラに新しい機能を付加するカードです。露光中にAF駆動させることで幻想的な写真を作り出すファンタジーカードは話題となりました。
カメラの機能や操作方法を、個人個人の好みに応じて設定・記憶、カードを入れるだけで自動的にカメラ設定を行うカードです。一度設定したら抜き出してボディに記憶させておけるので他カードとの併用が可能です。
写真を学ぼうとする人や写真愛好家にとって、その時の撮影データは写真と共に残しておきたいものでしょう。このカードは撮影データを記憶、カメラの表示で確認できます。その後のAPSシステムやデジタルカメラではデータ記録は必須となりました。
プログラムモードは簡単で失敗の少ないモードですが、そのプログラムラインはメーカーからの押し付けでもありました。α-7000、α-9000のアクセサリであるプログラムバックスーパーでは、背面の大型ドットマトリクス液晶と簡単な操作で、自由に、自分好みのプログラムラインを作成して使うことが出来ます。あたかも現在のパーソナルコンピューターのような拡張性を当初からカメラに持たせ、様々なアクセサリ展開を可能にしたαシステムのシステム開発技術です。
インテリジェントカードシステムの中のカスタムカードの機能をカメラに内蔵したものです。α-707siから採用され今に続いています。
コニカミノルタはカメラ事業を2006年3月31日に終了しました。