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DEVELOPER'S  TALK「スゴ録」開発者インタビュー EPISODEPART 1PART 2PART 3PART 4
PART 3 高画質に磨きをかけた“おまかせ”録画・ダビング
 
  「HQ+(約15Mbps)モード」と「ダイナミックVBRダビング」でさらに画質を向上
 
新田

初代の「スゴ録」には、高画質録画の機能として「HQ+モード」、そしてDVDへの高画質なダビング機能として「ダイナミックVBRダビング」という2つを搭載していました。第2世代の「スゴ録」では、この2つに磨きをかけて、エンコードの質を向上させ、さらにキレイな映像で「録る」「残す」を実現しています。

「HQ+モード」は、MPEG2*の最高転送レートである約15Mbpsでハードディスクに録画する、高画質モードです。よく、お客様から「DVDの一番高い転送ビットレートは10Mbpsなのに、なぜ『スゴ録』ではそれ以上の15Mbpsで記録する『HQ+モード』を搭載しているのか?」という質問を受けることがあります。単に録画するだけでもキレイだからいう理由もありますが、「HQ+モード」が存在する本当の理由は「ダイナミックVBRダビング」を生かすためなんです。

ハードディスク搭載DVDレコーダーでは、一般的な使われ方として最初にハードディスクにコンテンツを録画することが多いです。それを保存したい場合には、DVDにダビングをします。簡単に言うと、後でダビングすることを考えた場合、ハードディスクに録画する最初の映像は、なるべく劣化して欲しくない。つまり、一番いい状態で録画しておいた方が、後でダビングする場合にもより高画質でDVDに残せる。これは、いろいろ実験してみたんですが、ハッキリと結果が違ってきます。最初から約10Mbpsで録画したコンテンツをDVDに標準(2時間)モードでダビングするより、一度ハードディスクに約15Mbpsで録画し、それをDVDに標準モードでダビングした方が、同じ標準モードのDVDを作る場合でも、キレイな映像になるんです。また、本来の2パスエンコード技術は、もととなる映像信号で2パス目のエンコードも行う仕組みになっています。なるべくこの技術に近い性能を出すためにも、1パス目にHQ+(約15Mbps)という高ビットレートが必要だったんです。

*MPEG2のMP@ML(Main Profile/Main Level)での最高転送レート
 
新田

VBRというのは「Variable Bit Rate(可変ビットレート)」の略。動きの少ない静かなシーンでは転送ビットレートを落とし、反対に動きの激しいシーンでは転送ビットレートを上げることで、同じ録画モードでもより美しい映像でエンコードを行うことができる技術です。しかし、一般的なDVDレコーダーで採用されている「リアルタイムVBRダビング」では、映像を読み込みながらリアルタイムでエンコードを行うので、コンテンツ全体を通してどこにどんな映像があるか予測が難しい。したがって、ある一定の範囲内でビットレートを割り当てることしかできない。つまり、実際には可変で使えるはずの一番良い部分を発揮できないという問題があるんです。

「ダイナミックVBRダビング」は、市販用DVDビデオの制作に用られる2パスエンコード技術を応用した高画質のためのダビング機能で、DVDレコーダーの中では「スゴ録」が先駆けて搭載したものです。2パスというのは“2回行う”という意味で、最初にハードディスクに録画した際に、映像の全体の複雑さの情報を取得しておき、その情報をもとにしてVBR方式でエンコードを行いダビングをします。初代の「スゴ録」を開発したときは、2パスエンコードを採用しているDVDレコーダーはなかったのですが、「これを入れたら画質がよくなる。ぜひ民生用のDVDレコーダーに導入したい。」ということで開発をし、採用しました。実際にこれでかなり画質が向上しました。まさに、“おまかせ”で高画質ダビングを実現してくれる技術というわけです。

HQ+MODE & DYNAMIC VBR DUBBING
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