■DVD-RAMの物理フォーマット
DVD-RAMの物理フォーマットは、「ウォブル・ランドグルーブ方式」が採用されています。「ランド」と「グルーブ」というディスク上の2つの“ライン”に記録ピットが形成されているのと、トラックピッチが0.615μmというのが、これまで説明してきたディスクとは異なる点です。DVD-RAMでは、それに加えて、「ZCLV(Zoned
Constant Linear Velocity)」という回転制御方式や、記録トラックを分断する形で設けられたアドレスエリアの採用などにより、再生専用DVDとはデータ配列が大きく異なっているので、DVD-RAMを読み出すには専用機構が必要になります。DVD-RAMは、再生互換よりも多くの書き換え回数を確保することを優先させたフォーマットといえます。
■DVD Video Recordingフォーマット
DVD Video Recordingフォーマット(略称VRフォーマット)は、DVDフォーラムが動画像のリアルタイム記録用として策定したものです。このフォーマットは、DVD-RWとDVD-RAMで用いられており、論理フォーマットの項で説明したUDF
Ver.2.00のランダム記録の実現と合わせて、記録したデータを任意の位置で分割できるという特長があります。これにより、記録したコンテンツの多彩な編集が可能です。ディスク編集の機能としては、記録したデータそのもの(オリジナルデータ)を加工するだけでなく、オリジナルには手を加えずに多彩な編集が行えるバーチャル編集機能のプレイリストも用意されています。その他、2ヵ国語放送音声の同時記録、1タイトル内での異なるアスペクト比の混在、「1回だけ録画可能」のコピー制御信号が含まれる映像の記録、といったテレビ録画のための機能が充実しています。ただし、記録と編集の機能充実を目的としているためDVD-Videoフォーマットとは異なる部分が多く、結果的に既存のDVD再生機器との互換性ありません。しかし、最近は、VRモードで記録したディスクにも対応したDVDプレーヤーがソニーをはじめ登場して来ています。ソニーは、今後発売するDVDプレーヤーに、VRフォーマットの再生機能を積極的に搭載予定。VRフォーマットの再生環境も整っていくものと思われます。