|
|
デジタル一眼レフカメラは自分の意図する撮影表現をするため、任意でボケ効果やシャッタースピード変化などを盛り込めるのが特長。さらに撮影シーンや目的に応じてレンズ交換できるのも楽しみのひとつだ。
現在、ソニーα用には21本(予定)のレンズが用意されているが、なかでも135mmF2.8[T4.5]STFは他メーカーにはない「唯一無二」の交換レンズ。レンズ内に「アポタイゼーション光学エレメント」と呼ばれる、特殊なレンズを組み込んで、特徴的な描写効果を持たせている。
このレンズで撮影した画像のボケを部分拡大してみると、ボケの中央に芯を残しつつ、周辺はソフトにぼやけていくのがわかる。この理想的なボケ味によって、自然で立体感のある画像が得られる。対して、一般的なレンズのボケでは中心から周辺までが均一的になるため、ボケの輪郭がクッキリと見える。 |
|
・使用レンズ:135mm F2.8[T4.5]STF |
・絞り:F4.5 |
・シャッタースピード:1/100秒 |
|
|
STFレンズは特性上、画面周辺のボケが変形しないため自然な印象を受ける。一般的なレンズでは周辺にいくにつれラグビーボール状の形になる。 |
|
|
|
|
|
|
ボケの質が異なるので、一概に優劣つけられないが135mmF2.8[T4.5]STFが独自のボケの柔らかさと高い描写性能を両立させていることは間違いない。ただし、その素晴らしい描写力と引き替えに本レンズでは、いくつか儀式がある。まずオートフォーカスが使えない。ファインダー内のフォーカス表示も表れないので、ピント合わせは自分の目が頼りだ。またソニーαレンズとして、唯一絞りリングが設けられており、使用時には無段階絞りポジションで任意の絞り値を選ぶかAポジションに合わせねばならない。これは本レンズには二種の絞りが内蔵されており、通常使用であればAポジションで構わないが、無段階絞りポジションであれば、より真に近い円形のボケを得ることができる。
一層きれいなボケ描写を望むなら無段階絞りポジションに設定するのが望ましい。なお、測光方法が絞り込み測光となるため、絞り開放時以外は若干ファインダー像が暗くなってしまうので注意したい。正直なところ、フルオートに慣れてしまったカラダには少し面倒だが、ボケ味に特化したオンリーワンの描写が楽しめるのなら、何をしてでも使いたい気持ちが上を行く。サーキットを走るレーシングカー同様、ある程度の犠牲を元に、ひとつのことを追求したタイプの製品。αレンズの大看板として、ミノルタ時代より人気が高く、腕に覚えのある方にはぜひとも楽しんでもらいたい逸品だ。 |
|
・使用レンズ:75-300mm F4.5-5.6 |
・絞り:F5.6 |
・シャッタースピード:1/125秒 |
|
|
・使用レンズ:135mm F2.8[T4.5]STF |
・絞り:F4.5 |
・シャッタースピード:1/160秒 |
|
|
|
このような状況下では、本レンズの輪郭のない柔らかなボケに対して、一般レンズで は輪郭がはっきりした細かなボケが目立つ。好みの分かれるところだが、自然なのは
STFだろう。 |
|
|
|
|
|
|
現在、ソニーには同じ焦点距離でSonnarT*135mmF1.8ZAという、マニア垂涎の大口径高性能レンズも用意されている。その製品とは焦点距離こそ共通でも、開放F値をはじめとするスペックやコンセプトはずいぶん異なる。
両レンズ共に柔らかなイメージを持つ素材や女性ポートレートなどで、大活躍してくれるが、いずれも「味」が違う。たとえて言うなら、和食が好きか、洋食が好きかの違いのようなもの。
αユーザーにしてみれば、なんとも悩ましいが、他社ユーザーでは持ち得ない問題だけに、なんとも贅沢な悩みだ。 |
|
・使用レンズ:135mm F2.8[T4.5]STF |
・絞り:F4.5 |
・シャッタースピード:1/60秒 |
|
|
美しいボケだけでなく、最大撮影倍率(小さな被写体を大きく撮れる性能)に優れているのも本レンズの魅力。1/4倍までの接写が可能だ。 |
|
|
|
|
|