2023年5月12日
新商品
〜立体映像の「制作」から「展示」までクリエイターを支援し、業務用途での活用を加速〜
ソニーは、実在感のある立体映像(3DCG)を裸眼で見られる、27型の空間再現ディスプレイ『ELF-SR2』を発売します。本商品は3DCGの制作用途に活用できるディスプレイで、大画面化※1により細部の確認が容易になり、コンテンツ制作の品質向上に貢献します。加えて、建築・設計分野では街や建物の全体の様子を画面に表示でき現場シミュレーションがしやすくなるほか、医療教育・ヘルスケア分野では人体構造を原寸大で確認できるなど、3DCGを使う・見せる用途での実用性が向上します。
また、本機の発売に合わせて空間再現ディスプレイ用のアプリを簡単に検索できるサイト「空間再現ディスプレイ アプリセレクト」を開設します。同サイトでは、様々な業務用途の対応アプリと、その活用方法や実用事例を紹介し、空間再現ディスプレイを導入しやすい環境を提供します。今後、多様な業界のクリエイターによる対応アプリや実用事例を順次追加し、拡充していく予定です。
当社は、建築・設計や医療教育・ヘルスケア、インダストリアルデザインでのデザインレビュー、ショールームや店頭での展示用など、多様な業務用途での空間再現ディスプレイの活用を推進していきます。
商品名 | 型名 | 発売日 | 価格 |
---|---|---|---|
空間再現ディスプレイ | 『ELF-SR2』 | 6月12日 | オープン価格 |
空間再現ディスプレイとは、独自の高速ビジョンセンサーと視線認識技術により、画面を見る人の瞳の位置情報を把握し、立体映像をリアルタイムに生成して左右の目に届けるディスプレイです。『ELF-SR2』は、新開発した超解像エンジン搭載により、27型の大画面においても実在感のある高精細な立体映像表現が可能です。ディスプレイの広色域化により正確な色再現と豊かな色彩表現ができるほか、新開発の高速ビジョンセンサーにより視線認識の速度と精度を向上させており、クリエイターの意図を忠実に再現した立体空間映像を表示します。
大画面化により、立体映像を見る際の没入感が高まるだけなく、3DCGデータの細部の確認が容易になり、コンテンツ制作の品質向上に貢献します。また、原寸大表示が可能になる分野が広がり、インダストリアルデザインでは実物と比較しながらデザインレビューができ、医療教育分野では人体構造を原寸大で確認できるなど実用性を高めています。加えて、大画面においても実在感ある高精細な立体映像を実現するために、画質面も進化させています。
ブラビアで培った知見とデータを応用した超解像エンジン搭載により、大画面においても高精細な立体映像再現を可能にしています。4K映像を高精細に表示するだけでなく、2K映像も4K映像にアップコンバートして再生できます。さらに、水面や細い木の枝といった自然物を含む様々な被写体に発生する色モアレ(偽色)補正や裸眼立体視でおきるクロストーク※2を低減する処理を追加しており、細部や線をよりはっきりと正確に表示します。
Adobe RGBの色域を約100%カバーし、高い色再現を実現しています。3DCGコンテンツのクリエイターが使用する2D用モニターと併用しても違和感のない色再現が可能です。
視線認識精度および追従性能が向上し、薄暗い環境でも画面を見る人の視線を正確にとらえ続けます。大画面化にあわせたレンズ設計により広い視野角を実現し、画面の幅で顔を振って見る角度を変えても自然で快適な立体映像体験を提供します。
空間再現ディスプレイ用のアプリを簡単に検索できるサイト「空間再現ディスプレイ アプリセレクト」を開設します。空間再現ディスプレイと互換性のあるアプリや関連するケーススタディなどの情報を簡単に見つけることができ、空間再現ディスプレイの実利用促進をサポートします。本サイトでは、様々な業界のクリエイターによる対応アプリや実用事例を順次追加し、拡充していく予定です。
・3DCGデータ表示アプリ
「空間再現ディスプレイ プレーヤー」 ソニー株式会社
「STYLY」 Psychic VR Lab LTD.
「SR viewer」 神奈川歯科大学大学院XR研究所
・点群データ表示アプリ
「InfiPoints®」 株式会社エリジオン
「Clear points®」 株式会社シュルード設計
・DICOMデータ表示アプリ、医療教育用アプリ
「Viewtify®」 株式会社サイアメント
「DSR viewer」「SR anatomy」「SR movie player」 神奈川歯科大学大学院XR研究所
「Cancer Reality」 帝京大学冲永総合研究所Innovation Lab/技術協力Holoeyes株式会社
3DCGのデータを手軽に再生できるアプリ「空間再現ディスプレイ プレーヤー」の提供を開始します。様々な 3D ファイル形式に対応し、所有する3DCGデータをすぐに空間再現ディスプレイ上で表示しデザインレビューやプレゼン用途などで活用いただけます。また自動再生(デモ)機能は、展示会や店頭での立体映像再生に便利です。
さらに3DCGの制作時に使われるソフトウェアであるAutodesk®社のMaya®に対応したプラグイン ソフトウェアの提供を2023年内に開始する予定です。3DCGコンテンツを制作しながら、空間再現ディスプレイ上にリアルタイムで立体映像を表示できるため、デザインレビュー作業の効率化を実現します。
空間再現ディスプレイ用のコンテンツ制作を容易に行える専用SDK(ソフトウェアディベロップメントキット)を開発者向けサイト※3にて提供します。本SDKは、ゲームやVR、建築、自動車のデザインといった様々な業界のアプリ開発に利用されているゲームエンジン、Unity(ユニティ)とUnreal Engine(アンリアルエンジン)に対応しており、OpenGL、Direct X11/12、OpenXR(2023年内に対応予定)を使用した開発もできるので、コンテンツ制作が効率的に行えます。
Unityはインタラクティブなリアルタイム 3D(RT3D)コンテンツを制作して動作させるための包括的なソフトウェアソリューションを提供するプラットフォームです。空間再現ディスプレイは、Unity検証済みソリューションパートナープログラムに対応した製品であり、Unityを活用することにより製品設計、デザインレビュー、小売、エンターテイメントなど様々な3Dコンテンツを利用する業界のユーザーに革新的なワークフローソリューションを提供できることを嬉しく思います。ユーザーの皆様が作り上げるものを楽しみにしています。
Unreal Engineは、すばらしいゲーム、映画、テレビ番組、ビジュアライゼーション、シミュレーション、その他のリアルタイム3Dアプリケーションの制作など幅広い分野でご利用いただいています。あらゆる業界の皆さまが Unreal Engine 4とUnreal Engine 5を活用して、ソニーの空間再現ディスプレイとともに新しい体験を生み出していただけることをとても楽しみにしています。
スタンド部分が着脱でき、展示用什器などへのはめ込みが可能です。VESA※4マウント規格にも対応しており、一般的なモニターアームに取り付けることもできます。
さらに、従来PC側で行っていた視線認識処理をディスプレイ側で行うため、PCのCPUへの負荷を低減しており、ゲーミングノートPCなどと接続して本機を駆動させることも可能です。
ソニーグループでは、2050年までに環境負荷ゼロを目指す環境計画「Road to Zero」を策定しており、この達成に向けて段階的に環境中期目標を設定しながら行動しています。現在は、2021年度から2025年度までの中期目標「Green Management 2025」を定め、「製品1台あたりのプラスチック包装材使用量10%削減 (2018年度比)」を1つの目標としています。
ELF-SR2』は、個装パッケージに紙素材による段ボールとパルプモールドの緩衝材を採用し、プラスチック素材である発泡スチロールの使用ゼロ※5を実現しています。
今回の新商品を、ソニーストア 銀座、ソニーストア 札幌、ソニーストア 名古屋、ソニーストア 大阪、ソニーストア 福岡天神にて、5月13日(土)より展示します。