NEW MORNING / MISIA
MISIA約3年ぶりのオリジナルアルバム、遂に発売!
■ レーベル : Ariola Japan Inc.
■ 配信開始日 : 2014年4月2日
■ 収録曲数 : 全16曲
■ 販売データ : ハイレゾ | FLAC | 96kHz/24bit
デビュー16年目のアルバム『NEW MORNING』に込められた思い
2013年から1年間にわたり、デビュー15周年記念ツアーで77本もの公演をおこなってきたMISIA。そしてデビュー16周年となる今年、「僕はペガサス 君はポラリス」「幸せをフォーエバー」を含む、全14曲収録をしたニューアルバム『NEW MORNING』を4月2日にリリース。初回限定盤には2014年1月に行われた日本武道館のライヴ音源も含まれる全16曲を収録している。
──約3年ぶりのオリジナル作となりますが、今回はどのように制作を始められたのでしょうか。
MISIAデジタル・サウンドと生音の融合をテーマにした前作『SOUL QUEST』を経て、今回は生音に立ち返り、オーガニックなサウンドを追究したいと思っていました。昨年デビュー15周年を迎え、“星空のライヴ”という生演奏を中心とした公演を1年間続けてきたので、そのバンド・メンバーたちと一緒にスタジオに入って作り上げていったという感じです。
──1曲目の「HOPE & DREAMS」から、新たな扉をパッと開け放つような明るさを感じました。
MISIA昨年リリースしたベスト・アルバム(『MISIA SUPER BEST RECORDS -15th Celebration-』)ではこれまでの15年を辿ったので、今回のアルバムはこれからの日々へ向かっていくための作品となります。だから次のステップへ向けて希望のあるスタートにしよう、という思いがありました。それが『NEW MORNING』というアルバム・タイトルにもつながっています。
──なかでも、「蒼い月影」と「Jewelry」はジャジーでしっとりした曲調が新鮮ですね。
MISIAこの2曲はジャズとソウル、両方の要素を感じさせる絶妙なバランス感のある楽曲だと思います。作曲はジャズ・シンガーでもあるギラ・ジルカさん、アレンジはどちらも同じアレンジャーの方なのですが、今回はそれぞれタイプが異なるドラマーに叩いていただきました。「蒼い月影」はFUYU君、「Jewelry」は青山純さん。その結果、「蒼い月影」はシュッと引き締まったグルーヴが生まれているし、「Jewelry」はどっしりとしたキックやスネアの音がウォーミングなムードを生んでいます。「Jewelry」は、去年突然にお亡くなりになられた青山純さんの遺作となってしまいました。この音は青山さんにしか出せない…。彼のドラムで歌えたことは、私にとって宝物です。
──一方、「魔法をかけたのは君」は、とてもかわいらしいラヴソングですね。これもまた新鮮でした。
MISIA作詞は大宮エリーさんにしていただきました。ここ最近は恋愛の歌でも、“愛”について歌うことが多くなってきていたので、身近な“恋”について歌いたいなと思っていました。人はみんな誰かを好きになって、1対1の世界観からスタートして、そこから初めて広い世界を見られるようになる。恋の歌って、愛にも通じるし、平和にも通じるし、いろんなメッセージを込められるんですね。だから今回はいちど小さな視点に戻って、大事なことを歌いたいなと思ったんです。
楽曲中の“ブレス”も歌の一部として聴いてほしい
──制作するなかで、特に心がけたことはありますか。
MISIA昨年デビュー15周年イヤーでライヴを続けるなかで、デビュー曲や代表曲を歌う機会が多くありました。たとえば「つつみ込むように…」はデビュー当時から15年歌っていますが、これだけ長い間歌い続けられたのは、やはり楽曲に力があるからだと思います。だから今回のアルバムを制作しているときも、この先15年間ずっと歌い続けられるものを作りたいという、未来に向けての思いがありました。
──ライヴで受け取った思いが、制作に大きな影響を与えるんですね。
MISIAそうですね。私はミュージシャンとして、いろんな人に音楽を聴いてほしいという気持ちをもっています。そして、それが一番報われるのは、実際に歌って、目の前でファンの方がワーッと盛り上がってくださるときなんです。その瞬間、やっていてよかったなと思うし、みなさんと会話ができている感じがする。だから制作のときも、この音の先には聴いてくださる人がいるということをつねに意識しながら作っています。
──レコーディングにおいて、独自のこだわりはありますか。
MISIAマイク選びはこだわりますね。普段は、アンティークのマイクを好んで使っています。というのも、そういったマイクが、私の歌声にあうから。私の声質はレンジ(声の音域)が大きいので、人の耳に聞き取れないとされる高い音までひろってくれるマイクが良いようです。
けれど、私は“人の耳では聞き取れない”とされる音も含め、人はすべての音を聞き取っていると思っています。その帯域が出ている出ていないでは、明らかに音が違いますから。それはライヴで、お客さんの反応を見ているときも感じます。
今回のアルバムに関しては、アンティークではなく、ほぼすべてソニーさんのマイクを使いました。時代に合っていると感じたので。
──“聞き取れない”とされる音は、空気感とかフィーリングとか、そういった言葉で表される感覚ですよね。
MISIAそうですね。だから私は、歌のブレス(歌唱中の呼吸)にもすごくこだわっています。最近の音楽はわりとブレスの音を切ったり、ノイズゲートをかける傾向にあるんですが、私はブレスも歌の一部として聴いてほしいと思っているんです。ミュージシャンたちは歌のブレスや息づかいからリズムを感じ、互いの呼吸をあわせ、グルーヴを生んでいきます。だからレコーディング中は歌以外の楽器の音を録るときも、バンド・メンバーたちに「一緒にスタジオに入って歌ってほしい」と言われるんですよ。
──ハイレゾではそうしたブレス音や、立ち上がりの音がより豊かに表現できると言われています。ではさっそく試聴していただきましょう。
ニューアルバム『NEW MORNING』を「SRS-X9」で聴いて
ここでMISIAに『NEW MORNING』ハイレゾ音源を、ソニーのアクティブスピーカー「SRS-X9」試聴してもらった。比較のためにAAC音源も用意。ハイレゾ音源と「SRS-X9」に対するMISIAの感想は?
<試聴曲「蒼い月影」>
MISIA圧縮音源と比べると、ハイレゾのほうは出だしのトランペットやヴォーカルの抜けが全然違いますね! 聴いた瞬間、はっきり違うことがわかります。
<試聴曲「Re-Brain」>
MISIAうわ、きれい! 低音がすごくクリアに聞こえます。(ボリュームを上げて)すごく大きな音で聴いてもクリアなままで、しっかりと引き締まってる。小さい音量でも充分伝わりますが、これはボリュームを上げて聴いてもらうと、違いがよりわかると思います。
──実際に聴いてみて、いかがですか。
MISIA私たちミュージシャンはつねに音の響きにこだわりながら細かく作り込んでいくのですが、今は聴き手の環境も多様化していますから、作り手としてはどういった環境に合わせるべきか、考えこんでしまうときもあります。だから、こういった(「SRS-X9」のような)良い音の環境が広がってくれるのは作り手としては、とてもうれしいことですね。
コンパクトなサイズからは想像できない伸びのあるサウンドに驚き
『NEW MORNING』レコーディングエンジニア
川口 昌浩氏
MISIAのCD、DVD全作品を手掛けるエンジニア。打ち込み、ダンスミュージックをはじめ、生楽器、オーケストラ、ライブステージまで幅広いジャンルのレコーディング・ミキシングに定評を得る。また、MISIA のライヴDVD『THE TOUR OF MISIA 2002 WOWOW EDITION』は社団法人BS デジタル放送推進協会が選出する5.1 サラウンド賞を受賞。
──ソニーのアクティブスピーカー「SRS-X9」で『NEW MORNING』ハイレゾ音源を聴いていただきましたが、いかがですか?
川口音のよさにビックリしました。こうした小さなサイズのスピーカーは、大きさに限りがあるため、低音域というのはどうしても作り込んだ感じになるんです。でも、このスピーカーは低音も人工的な感じがしないし、ローエンドもハイエンドも音の伸びがいいですね。MISIAも言っていましたが、「蒼い月影」のイントロで流れるリード・トランペットの音は(圧縮音源と比べて)もう別の楽器じゃないかと思うくらい(笑)、よく聞こえてきました。
──MISIAさんのヴォーカルとハイレゾの相性はいかがでしょうか。
川口人間の耳は20kHzぐらいまでしか聞こえないと言われていて、それより上の域を“エア”といいます。MISIAの歌声は、この“エア”の部分を大きめにとったほうが、より豊かに伝わるんですね。聞こえない音であっても人の耳は倍音を感じるので、音に艶感が出るんです。そうした空気の震えや、身体全体で感じる響きが、この比較的小さなサイズのスピーカーからよく出ているなと思います。
僕らはレコーディング・スタジオで最新鋭の機材を使い、丹念に音を作りあげています。その音をそのまま届けることは難しいけれど、このスピーカーがあれば、スタジオの音響とほぼ近い状態で聴いてもらえると思います。それはすごくうれしいことですね。
NEW MORNING / MISIA
MISIA約3年ぶりのオリジナルアルバム、遂に発売!
■ レーベル : Ariola Japan Inc.
■ 配信開始日 : 2014年4月2日
■ 収録曲数 : 全16曲
■ 販売データ : ハイレゾ | FLAC | 96kHz/24bit