- 1台のスピーカーでもフェスやライブ会場の華やかさが楽しめる
1台のスピーカーでもフェスやライブ会場の
華やかさが楽しめる
──最適な設計を探ったとのことですが、ドライバーユニットなどは専用のものなのでしょうか?
高橋 洋介[信号処理開発]
各製品に対して、必要とされるドライバーユニットやパッシブラジエータは異なりますので、今回は最適なものをすべて新規開発しました。XB40/XB30/XB20のパッシブラジエータのエッジ部分は一般的なスピーカーに比べて変わった形状になっています。この形にすることでパッシブラジエータが「ドン!」と大きく振幅した時にも、音の歪みを抑えることができます。
木下 暢[機構設計開発]
十分な低域感を出すという点では、機構として本体の強度を意識しています。たとえばXB20は本体の背面がラウンド形状で強度的に有利なのですが、XB40とXB30は箱型の形状です。そこで外装と内装部品の連結をしっかり行い、この形状で強度がしっかり出るように設計しています。前面のスピーカーグリルの開口部も広げていますが、これは音圧感を上げることに繋がりました。視覚的な面白さという点では、XB40はスピーカーライトを内蔵したことでドライバーユニットの振動がわかりやすく見えるので、目から感じる低音感が演出できたかなと思いますね。
──高い防水性能は心強いものの、スピーカーにカバーがかかっているようなイメージもあり、音質面での悪い影響はないのかが気になります。その辺りはどうなのでしょうか?
木下 暢[機構設計開発]
スピーカーを防水構造にすると、本体内部の気密性が向上します。気密性が上がることで、ドライバーユニットの振動を、効率的に音に変換できるため、実は音響設計的には理にかなっているんですよ。もちろんネガティブな面がないわけではなく、振動板自体を防水に対応した素材にする必要があるので、素材の選択肢は少なくなります。ただし今回は防水の振動板の中から、もっとも特性が優れたものを選びましたから、特にネガティブとはなっていません。このように素材自体が防水で、ドライバーユニットにカバーがかかっているわけではないので、たとえば音がこもるということもありません。
──重低音と防水に加えて新EXTRA BASSシリーズの特徴となっているライティング機能ですが、これはどのようなものでしょうか。
島田 泉[商品企画]
フェスやライブの会場では、音楽に合わせてさまざまな色のライトやストロボフラッシュが光り、視覚的にもイベントならではの雰囲気が味わえます。そこで再生される音楽に合わせて光るライティング機能をXB40/XB30/XB20に搭載しました。光る範囲やカラーは製品により違いますが、XB40では色が変わるマルチカラーのラインライトと白いストロボフラッシュ、さらにドライバーユニット内側にも白いスピーカーライトが入ります。XB30はマルチカラーのラインライトと白いストロボフラッシュ、XB20は本体色に合わせた組み合わせのラインライトとなっています。光る面が多いほど、1台のスピーカーでもフェスやライブ会場の華やかさが楽しめます。
高橋 洋介[信号処理開発]
ライティング機能の光るパターンは、アプリを使えば自分の好みで調整することもできますが、初期状態ではランダムとなっています。ただしランダムとはいっても音楽と無関係ではなく、たとえばビートやテンポを解析し、流れている音楽に合うように光ります。音楽イベントに参加される人でしたらわかるかと思いますが、これはまさにフェス会場と同じ。現場の臨場感を手軽に楽しんでいただけると思います。もちろんライティングをオフにすることもできるので、雰囲気や気分に合わせて切り替えてください。
──XB10にはライティング機能は搭載されていないようですが、デザイン的にもポップでカラーバリエーションもいろいろありますね。
島田 泉[商品企画]
XB10は、縦置きと横置きの2通りで楽しめるのも、一つのポイントです。防水であることもポイントで、ストラップにリングが付いているので、たとえばお風呂でS字フックに引っ掛けるなど、いろんな使い方でどこでも音楽を楽しんでもらえる製品に仕上がっていると思います。
──ところで、スマートフォンで音楽を聴くにはスマホアプリが必要なのでしょうか?
島田 泉[商品企画]
いえ、Bluetoothでスマートフォンとワイヤレススピーカーをつなげば、スマホのプレーヤーアプリを操作するだけで、音はワイヤレススピーカーから鳴ります。スピーカーの細かい設定を変えたいときなどに、スマホアプリを使うんです。
まずは「Sony | MusicCenter」(旧Songpal)※です。これはXB40/XB30/XB20に対応していて、ライティングの変更のほか、EQの切り替えや、オートパワーオフの設定変更などができます。XB40とXB30ならTreble/Mid/Bassと各帯域の音質調整機能もあります。
もう一つのアプリが「Fiestable」、こちらはXB40用のアプリでライティングをその場で自由自在にコントロールできるだけでなく、DJプレイで使われるようなエフェクトをかんたんにかけることができます。画面操作に加え、スマートフォンのセンサーを活用してスマホを傾けたりすることでもコントロールできるので、ホームパーティーなどでも盛り上がれますよ。
※Android版「SongPal」は「Music Center」へリニューアルしました。iOS版「Music Center」は5月下旬にリニューアル予定です。リニューアルまでは引き続き「SongPal」をご利用ください
──盛り上がるといえば、複数のスピーカーをつないで鳴らすこともできるんですよね?
島田 泉[商品企画]
これはワイヤレスパーティーチェーンという機能で、ごく簡単な操作で最大10台までのXB40/XB30/XB20がワイヤレスで繋がります。たとえば屋外や、大きな部屋にたくさんの人が集まるパーティーであっても、会場のあちこちにスピーカーを置けば、音と光で場が盛り上がって楽しめる機能です。ワイヤレスなので、テーブルからほかのテーブルへと移動させることも簡単、各スピーカーは同期信号を送っているので、音がズレないのは当然ですが、ライティングもきちんと同期します。
※本動画は音声は出ません
高橋 洋介[信号処理開発]
他にもマルチデバイスコネクションという機能もあります。これは1台のスピーカーに最大3台までの機器が同時接続できるもので、それぞれの機器から音楽を再生することができます。友達や家族が集まったとき、それぞれのスマートフォンに入っているお気に入りの音楽を流して楽しむなど、活用方法はいろいろありますよ。
──では最後に、EXTRA BASSシリーズに興味を持っている人にメッセージをお願いします。
島田 泉[商品企画]
XB=EXTRA BASSというネーミングはソニーの中では、このワイヤレススピーカーでもヘッドホンでも共通に使っています。それぞれ別の部署での開発ではあるのですが、お互いでディスカッションを持ちながら、XBの世界観を共通化させて取り組んでいるため、低域のあるサウンドを十分に楽しんでいただけると思います。とても手軽に使え、かつライティングによる視覚的な楽しみ方もできるので、ぜひこの面白さを存分に味わっていただければと思います。
木下 暢[機構設計開発]
EXTRA BASSシリーズには低域増強をオン/オフできるEXTRA BASSボタンも搭載されており、曲に合わせて切り替えて楽しむこともできます。また小さいスピーカーでも帯域が広く、低域だけでなく、ピアノならペダルの操作音までわかるほどなので、ぜひ実際に聴いてみてください。
高橋 洋介[信号処理開発]
今回のXBシリーズですが、音楽フェスやライブを現地で楽しんでいる人でも満足行くような音を実現できたと思います。XB40はアプリを活用して誰でも手軽にDJっぽい楽しみ方もできますし、広いスペースでも十分な音量が出せます。ぜひともその重低音を体感していただきたいと思います。
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