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S-Master S-Master PRO 小型・高効率・高音質。フルデジタルアンプの特長を生かし、さらに高音質を追求。ソニー独自のデジタルオーディオ技術を結集した、S-Master PRO

  • 全ステージをデジタル処理
  • ひずみのない優れた高音質
  • 高精度な1ビットD/A交換技術
  • ディテールを失わないS-masterPROの高音質

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音質に有害な影響をもたらすジッターを除去するため、高度な1ビットD/A変換技術を投入。

S-Masterの特長

S-Master Pro プロセッサー(掲載はTA-DA7000ESのもの)

■S-Master PRO プロセッサー
(掲載はTA-DA7000ESのもの)

S-Masterは、入力されたデジタル信号を高精度に処理。高い時間軸精度をもったオーディオパルスを生成するS-Masterプロセスと、オーディオパルスの電力増幅をするオーディオパルスドライバーに分かれます。より高精度なデジタル演算を可能にしました。

入力信号のジッターを取り除くクリーンデータサイクル

デジタルオーディオでは、すべてのデータは「0」と「1」で表現され、データ欠落なども誤り訂正によって補正。このため、データは劣化することなく正しく伝送されます。ところが、デジタルデータの記録や伝送によって発生するジッター(デジタルデータの時間間隔のゆらぎ)によって、音楽信号波形が正確ではなくなり、位相ひずみとして音質を劣化させます。一般的にジッターは、PLL(Phase Locked Loop)によるクロック再生法で除去されますが、この方法では低周波のジッターが除去できません。こうしたジッターの影響をデジタル領域で除去するのが、クリーンデータサイクルです。ここでは、純度の高い基準クロックを使って入力されたデータの周期を監視。データが本来存在すべき時間間隔を高精度に割り出します。この監視は非常に長い時間間隔で行うため、低周波のジッターも除去できます。これにより、音源収録時にA/D変換された直後のフレッシュな音質をそのままに再現できます。ジッターの解消で、重厚で広々とした空気感の表現が可能になり、より生き生きとした再生ができます。

S-Masterのブロックダイヤグラム

■S-Masterのブロックダイヤグラム

クリーンデータサイクルによる時間軸間隔の補正

■クリーンデータサイクルによる時間軸間隔の補正

C-PLM

S-Masterプロセスの中心となるパルス変換をするのがソニー独自のC-PLM(Complimentary-Pulse Length Modulation)です。一般的なデジタルパワーアンプで使われるPWM(Pulse Width Modulation)では、原理的に二次ひずみが発生する欠点があります。これに対し、C-PLMは、ハイパワー時とローパワー時の変換利得の変化が理論的になくリニアリティーに優れ、二次ひずみは発生しません。また、同時に、電源の利用効率が高く、低い電源電圧でハイパワーが得られるという特長もあり、ほかの多くのデジタル方式のパワーアンプに比べて、特性が非常に良くなります。

S-TACT(Synchronous-Time Accuracy Controller)

S-TACT による出力パルスのジッター低減

■S-TACT による出力パルスのジッター低減

S-Masterのパルス生成回路が出力するパルス信号は、高周波ノイズを含むものの、オーディオ帯域はアナログ信号そのものです。このため、パルス出力にジッターがわずかでも含まれることは許されません。そこで出力パルスにジッターを発生させないための技術がS-TACTです。S-Masterプロセスの最終段となるパルス生成回路は、半導体内部でデジタル演算部分から分離。マスタークロックの直近に配置されます。これにより、ノイズの影響を避け、同時にマスタークロックを直接送り込むことで、ジッターの混入を防ぎます。

高精度オーディオパルス出力

S-Masterプロセスによって生成された高精度なパルス信号は、パワードライバーによってスピーカーを駆動できる電力をもったオーディオパルスとなります。パワードライバーは、2個のMOS-FETで構成されたディスクリート回路によるプッシュプル電力スイッチ。これを高速でスイッチングすることによりオーディオパルスを出力します。原理的にはこのままの構成でも増幅が可能ですが、実際にはパワードライバーを2組使ってバランス駆動を行っています。このパワーパルスが、ローパスフィルターを通ることによって、オーディオ信号となります。この仕組みは下図のように表せます。高い部分が1、低い部分が0のパルス信号(A)は、S-Masterの演算部分がつくり出すパルス列で、これはオーディオ成分(B)とノイズ波形(C)を足したものとなっています。これらの周波数分布は、ノイズ波形(C)がオーディオ成分(B)より高い周波数だけで構成されるように、S-Masterの高精度演算アルゴリズムによって作られています。そこで、ローパスフィルターを通すことにより、オーディオ成分(B)だけを取り出すことが可能になります。

オーディオパルス出力の原理

■オーディオパルス出力の原理

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