*掲載内容は2023年1月時点のものです
品川区立御殿山小学校 様
近年、大企業向けのオフィスビルだけでなく、マンションや商業・公共施設などが次々と建設され、複合的な再開発が急速に進んでいるJR大崎駅周辺。その北側に位置する同校も、現代的な校舎が印象的だ。この再開発によって児童数が急激に増加しており、知的好奇心や学力の高い子どもが多い傾向にある中で、ICT機器やデジタル教材の導入にも積極的に取り組まれています。
■実証実験の狙い
■法人向けブラビアの利点
法人向けブラビアを大型提示装置として利用するメリットとして、まずは授業の効率化を実感しています。子どもたちを主体とした授業をするには、授業の中で子どもたちの考えを吸い上げ、クラスで共有し、考えをさらに練り上げていく必要があります。共有するために従来だと、子どもたちが書いたものを教卓の書画カメラまで持っていき、プロジェクターから投影させていましたが、これではテンポ良く進めていた授業も、一瞬途切れ、間が生じることがありました。
しかし、ソニーの大型提示装置のキャスト機能を使えば、子どもたちのタブレット端末内の文書や画像を無線で大型画面へ転送・表示させ、みんなで共有することができます。また授業支援ソフトの入っている教員の端末を表示することにより、複数の子どもの文章や画像を、大型提示装置の大画面に一覧表示することもできます。これによって、子どもたちの考えを元に学習を進めることができます。子どもたちはキャストの操作にも慣れ、今では教員が発表を促すと何の迷いもなく画面を転送しています。
また、教員も机間指導をしながら、手元のタブレット端末で次に表示する資料の用意や、子どもたちのアウトプットを自分の端末へ集約してその場から大型提示装置へ転送することができるようになりました。手元のタブレット端末と大型提示装置のキャストは本当にスムーズで使いやすく、効率的でテンポのいい授業ができています。子どもに目を配る時間的な余裕も生まれました。
このようなテンポアップした授業は、子どもの考えを引き出すという効果を生み、授業に参加する意欲を高めたという側面もあります。例えば、自分の考えを書き出すことが苦手な子どもは、クラスに一定数いるものです。そこで、他の子どもが書いたものを共有すると、考えをまとめることが苦手な子どももそれをヒントに何かしら書き始められるようになりました。はじめはそれが真似であったとしてもいい。クラスの誰かの言葉をつなぎ合わせながら、「自分が書きたかったこと」を自分なりの言葉で紡ぎ出す、といったことが起きています。こうして授業がスムーズに進むようになったことで、時間内に授業を収めやすくなり、授業の終了時刻が迫って焦ることも減りました。
また、子どもたちがいちばん目にする“黒板”を、どう使うかということも大事にしています。黒板をプロジェクターの投影スペースに使い、子どもたちの集中力を黒板一点に向けられている利点もあるのですが、限られていた板書スペースをさらに広げることができたことは良かったです。黒板まわりには各授業の“一時間の流れ”や“めあて”など大判プリントも掲示しているので、スペースのやり繰りが大変です。その点、大型提示装置は固定されていないため自由に配置することでき、黒板を広く使って授業ができます。
もう一つのメリットは、美しく視認性の高い画面が、子どもの授業理解を促すことです。ブラビアの画面を初めて見たとき、子どもたちはとにかく感嘆の声を上げます。さまざまな授業で映像や画像を見せますが、特に理科や社会では細かい写真やグラフ、図工では美術作品なども見せますので、高画質さが活きると思います。奥行や立体感のある美しい画面が、子どもたちの「画面を見よう」という意欲を高めていると感じます。そして、音も重要な要素です。社会の授業で漁師の映像を見せたときは、映像と音に迫力があり、その場にいるようなライブ感を味わえ、子どもたちの関心度も違いました。ブラビアなら“感動”まで子どもたちに届いているのではないでしょうか。いろいろなことに興味や関心のある子どもたちにとって画質や音質の良さは、教育に有効だと思います。
また、画像が不鮮明だったり、教室の両脇の席から見づらかったりした場合、子どもたちは席を立って移動する必要があります。そうすると、授業の進行が一瞬途切れワンテンポ遅れます。さらに画像がよく見えないと、そのまま授業への興味を失ってしまう子どももいます。ブラビアのように視野角が広い画面ですと教室の左右どこに座っていても大型提示装置が良く見え、画像の内容も子どもたちの頭に入りやすいようです。輝度が高いことも有効で、照明や日差しで明るい教室でも画面は鮮明です。
今では、子どもたちから「今日の授業もブラビアでやろうよ」とか「ブラビアの画像の方がいいよ」と言ってきます。そして授業以外でも積極的に活用しています。例えば、係活動でクラスのみんなに鱗の拡大写真を見せた子どもがいたのですが、鱗が色鮮やかでリアリティーのある画像で、「こんなにきれいに見える!」 「うぉーきれい!」とみんなが食い入るように眺めていたのは印象的でした。また、ダンスのクラブ活動では大型提示装置をホールに移動して、みんなで映像を見て踊っています。ここでも子どもたちがYouTubeの動画をキャストして大型提示装置に映していますが、大型のモニターで見やすいことと音も大きく良く聞こえるためこれまで以上に楽しんでいます。
子どもたちにも教員にも大変好評なブラビアは、毎日、どこかの教室で利用されています。
子どもたちの声