■業種:教育機関 ■用途:大型提示装置
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2020年9月7日号掲載
大型提示装置が活躍
7月31日1校時目、同校のほぼすべての教室で、4K大型提示装置ブラビアや書画カメラが活用されていた。
中学校1年地理では、アジアの地図を書画カメラで大型提示装置に提示し、白地図を作成する課題プリントのポイントを説明。その後、実際にアジアを見てみよう、と画面を切り替え、PCからGoogle Earthを提示。地球をルーズで提示してからからアジア大陸、ヒマラヤ山脈に徐々にアップして提示したり、角度を変えて3Dで山脈の様子を表示したりしながら、過去の学習を振り返った。
中学校1年英語では、大型提示装置に単語カードを提示しながら一斉に発音練習。この日の学習ポイント「What」を含む英文やダイアログを表示して解説したり発音したりするなど、教員の自作教材が活躍していた。
ブラビア内蔵のスピーカーは音質も良く、ネイティブの音声もクリアに聞こえる。
理科室では1年生が、自宅から持ち込んだ海藻類を顕微鏡で観察中だ。
教室前方の大型提示装置にも顕微鏡を接続。韓国海苔を拡大すると、油分がゆっくりと動いているのがわかる。
どの教室もカーテンを閉めず、教室は明るいままで大型提示装置を利用していた。
同校には昨年度から65V型の4Kブラビアと4K対応書画カメラを各教室に整備済だ。澁谷敬二校長に、提示境整備前後の授業の変化について聞いた。
提示環境を前提とした授業構成や学校行事に
澁谷敬二校長
全普通教室に大型の画面が常にあり、教員が使いたいときにすぐに使えるので準備する教材が変わり、提示環境を使う頻度が明らかに増えた。
授業構成も変わりつつある。板書計画はもちろん重要だが、効果的な内容やタイミングで教材を提示する授業案も必要になってきたと感じている。テレビも大型化が進んでいるが、65V型がある家庭は多くはないようで、子供も新鮮なようだ。授業中に歓声が上がる様子もみられる。
先日の生徒総会では三密回避のため、3年生は体育館で、1・2年生は各教室から大型提示装置で体育館の様子を提示して進めた。今年度初の全校行事で、各教室への中継も初挑戦であったが、スムーズに進めることができた。体育祭や合唱祭など、今後の学校行事に何等かの形で活用できるという手応えを感じることができた。
準備する教材が変わる
社会科 辻内髙教諭
社会科は、地図やグラフ、絵図等、様々な資料を見て考える教科。該当ページを示しても何名かは聞き逃すことがあるが、画面に大きく提示しておけば全員で共有でき、見逃さずにすむ。
地理は地形図の提示が基本だが、紙の掛図は複数種類あり、それを1回の授業時間で掛け変えることは難しい。デジタルだと必要なものをどんどん提示でき、とても使いやすい。画面も大きく、書画カメラで拡大できるので細部も見やすい。
歴史では、戦時中など様々な資料映像や動画教材を提示している。ブラビアは、画像が鮮明で画面が大きいため、モノクロでも見やすく、生徒の集中力も高まったようだ。
学習成果を共有しやすい
理科 新井大路教諭
ブラビアの「本物の色をそのまま提示できる」点が理科では特に役に立つ。これまでは学習のまとめの動画視聴が多かったが、画面が大きく教室後方の生徒も集中しやすいため、活用シーンが広がった。模範実験の様子や実験手順の説明を示したり、顕微鏡と接続して拡大提示したりしている。スケッチやデッサンを提示して発表したり、実験結果を発表したりなど生徒の発見や学習成果も共有しやすい。
集中力が高まる
英語科 菊池慧教諭
単語や熟語のフラッシュカードも、65V型で提示するとインパクトがある。教室のどこに座っていても文字も画像も良く見えて生徒の集中力の高まりを感じる。
教材は、1年生担当の英語科2名で分担しながら作成している。デジタル教材は共有しやすく、教科内の話し合いも進めやすい。ブラビアはスピーカーを内蔵しているので、CDプレイヤーが不要になり、授業前の準備が効率化した。書画カメラでプリントを提示して書き込みしながら答え合わせをする、提示しながら生徒が発表をするなど、活用の場が増えた。
小松崎所長
小谷主査
市川市教育センターの小松崎聡所長と小谷春晃主査に、大型提示装置としてブラビアを採用したポイントなどを聞いた。
学校の提示環境のポイントは、テレビのサイズが65V型以上であること、明るい教室でもどの方向からでも見やすく提示できること、設定やメンテナンスのコストがかからないこと、今後の拡張性など。ブラビアは万が一故障してもオンサイトで修理対応ができる。
大型提示装置の操作方法は簡単で、中学校では導入後すぐに授業で活用が始まった。PCなどとの接続も簡単で使いやすいということだ。