法人のお客様業務用ディスプレイ・テレビ[法人向け] ブラビア 導入事例 京都市教育委員会・京都市立八条中学校 様

業務用ディスプレイ・テレビ[法人向け] ブラビア

導入事例

端末とキャストの活用により授業進行がスムーズに
多様な学習場面を創出するソニーの65V型大型提示装置

京都市教育委員会・京都市立八条中学校 教育とICT 2022年秋号より転載

京都市教育委員会・京都市立八条中学校 様

国の学制発布に先立ち、明治2年に日本最初の学区制小学校を64校設立したという歴史を持つ京都市。子どもたちの教育にとりわけ力を注いでいる同市では、2020年9月から順次1人1台端末体制を整えたのを機に、ICT教育の本格的な展開を視野に入れて、小・中・特別支援学校の全学級にソニーの大型提示装置を導入した。教育現場ではどう活用しているのか。同市教育委員会の担当者に話を聞くとともに、市立八条中学校の様子をレポートする。

遠隔授業やキャスト機能など 授業での「使いやすさ」を評価

子どもたちの教育に力を入れる京都市では、2009年度の政府の「スクールニューディール」構想に基づき、小・中・特別支援学校に50〜52型のデジタルテレビや電子黒板を導入。各教室に整備した指導者用端末と接続して利用するなど、早期から先進的なICT教育に取り組んできた。

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京都市教育委員会
総務部担当部長(働き方改革担当)
学校事務支援室長
有澤 重誠

そして、新型コロナ第2波が猛威を振るっていた2020年9月以降順次、GIGAスクール構想の一環として、普通学級ではWindows、特別支援学級及び特別支援学校ではiPadによる1人1台端末体制を整備。それとともに、21年の3月には大型提示装置として、ソニーの法人向けブラビア65V型を市内の全小・中・特別支援学校234校に3,820台導入した。

今回、新たな大型提示装置を導入した経緯について、京都市教育委員会 学校事務支援室長の有澤重誠氏は、「既存のデジタルテレビが老朽化してきたことに加え、コロナ禍により遠隔授業への対応を迫られ、画面がより大きく、高機能の機器が必要になったからです」と語る。

では、なぜソニーの法人向けブラビアが選ばれたのか。その理由を同市教育委員会 学校事務支援室担当係長の安部裕太氏はこう説明する。「遠隔授業に適した機器を検討していたとき、ソニーの法人向けブラビアとWebカメラの組み合わせを展示会で目にしました。いろいろと説明を受け、これなら大型提示装置として遠隔授業にはもちろん、1人1台端末の活用にも便利だと思いました」

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京都市教育委員会
総務部学校事務支援室
担当係長(GIGAスクール構想担当)
安部 裕太

ソニーの大型提示装置は、無線で画面転送ができるChromecastとAirPlayの機能が本体にあり、65V型の大画面で4K高精細、高輝度、高音質といった機能面が評価のポイントになったという。

京都市では、ICT環境を整備した2021年度を「本格活用元年」、22年度からを「充実期」として、現場で使われるMicrosoft365や学習支援ソフト・ロイロノート、デジタルドリルなどの研修を重ねつつ、実際に教室での活用を進めている。

ソニーの大型提示装置は学校現場から好評をもって迎えられており、有澤氏は「導入時には、先生方から『画像が鮮明でリアル感が高い』と感嘆の声が上がりました。大画面により後方に座る子どもにも見やすくなったようです」と語る。また導入後の状況について、安部氏は「今回の整備によって、PC ルームではなく、各教室で端末を活用した学習ができるようになりました。大型提示装置と端末を組み合わせ、ロイロノートなどの学習支援ソフトを利用することで、個別に考える時間と子どもたち同士の話し合いの時間の切替えに時間を要さず、効果的に授業を進めることができるため、各教室で主体的・対話的な学習が進んでいます」と話す。

4Kブラビアの明るく鮮明な画像、大きく聞き取りやすい音質で生徒の集中力をアップ(中3・英語)4Kブラビアの明るく鮮明な画像、大きく聞き取りやすい音質で生徒の集中力をアップ(中3・英語)

「キャスト機能のおかげて教壇やPC周りがスッキリし、私も指導に集中できます」と緒方氏(中3・数学)「キャスト機能のおかげて教壇やPC周りがスッキリし、私も指導に集中できます」と緒方氏(中3・数学)

端末と組み合わせて多様な活用を 「キャスト機能」の利用も効果的


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京都市立八条中学校
教頭 片岡 真澄

実際に学校現場では、大型提示装置と1人1台端末を活用して、どのような授業を展開しているのだろうか。

京都市南区にある市立八条中学校の教頭・片岡真澄氏は、ソニーの大型提示装置について「既存のものに比べてより薄く大きくなり、画面も明るくなったことに驚きました」と第一印象を述べたうえで、「各教科ではロイロノートやパワーポイントなどを大画面に提示し、子どもたちの意見共有や学習の効率化を図っています」と話す。同校教諭でGIGA主任の緒方秀俊氏も「自分で工夫したり、研修会で情報を交換し合ったりして、教員や生徒の端末の画面を大型提示装置にすぐに無線転送できる『キャスト機能』の活用も進んでいます」と説明する。

緒方氏が担当する3年の数学の授業を見学すると、大型提示装置に数式を示していた。大画面に表示することで全員の理解を深めるとともに、ロイロノートを活用して全体の意見の共有にも努めていた。一方、3年の英語の授業では音声を聞いて、生徒がイラストをその物語順に並べ替えていく。大型提示装置に示されたイラストを見ながら生徒は熱心に音声に聞き入り、物語の概要を把握しようと試みていた。映像とあわせて音声が大型提示装置から聞こえるため、生徒はより集中することができる。

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京都市立八条中学校
教諭 緒方 秀俊

緒方氏は大型提示装置について、「ICT機器の導入により、これまで積極的に発言できなかった生徒たちの意見も画面に大きく提示できるため、全員の意見を把握できるようになりました」と、その教育効果を語る。画面を無線転送できるキャスト機能についても「有線でPCと大型提示装置をつなぐと、教員は大型提示装置から離れることができません。無線にすることで、教員は机間巡視しながら自分のPCを操作できるので、生徒一人ひとりをきめ細かく指導できます」と話す。

そうした生徒たちの様子について、片岡氏は、「ICT端末を用いて学ぶ生徒たちの姿は生き生きとしており、授業への参加意識や学習意欲が高まっています。教室全体が前を向いて、大型提示装置に集中するようになりました」と語る。

また、大型提示装置の導入によって生徒の発表の場も増えている。大画面を通して自分の考えを発表することで、生徒たちに自己肯定感が生まれ、より積極的に学習に取り組むようになったという。

キャスト機能を使えば大型提示装置と教壇が離れていても大丈夫。配線が不要なので黒板も効果的に活用できる(中3・数学)キャスト機能を使えば大型提示装置と教壇が離れていても大丈夫。配線が不要なので黒板も効果的に活用できる(中3・数学)

キャスト機能を使い、端末を手にしながら生徒の近くで説明する森戸氏(中3・英語)キャスト機能を使い、端末を手にしながら生徒の近くで説明する森戸氏(中3・英語)

より日常的、主体的な活用で教育の可能性を広げる

京都市では、これまでの実践的な学びの蓄積に、1人1台端末や大型提示装置、WebカメラなどのICT機器をうまく組み合わせることで、主体的・対話的で深い学びの観点から、学習活動を発展させていく考えだ。授業の中で大型提示装置はじめとしたICT機器を適宜利用することで、子どもたちの学習への意欲と興味関心が深まっている。

また、大型提示装置には協働学習のツールとしてはもちろん、社会との接点としての役割も期待されている。同市教育委員会の有澤氏は、「ICTを活用すれば、時間と空間を超えて学びの場がより広がります。未来を担う子どもたちのために、今後も1人1台端末と大型提示装置を組み合わせた教育の可能性を追究していきます」と語った。

教員研修にも積極的に大型提示装置を活用


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京都市立八条中学校
校長 長谷川 豊

本校ではGIGA主任の主導もあり、多くの授業で教員が端末や大型提示装置を積極的に活用しています。ソニーの大型提示装置は大画面で明るく見やすいため、教室の後方に座る生徒たちの集中力も高まっています。また、授業だけでなく、教員の研修にも活用しています。本校を含めた京都市の下京・南・東山区の中学校10校では毎年、合同で授業研修会を行っていますが、コロナ禍もあり、大型提示装置とWebカメラの活用によって遠隔で実施するなど、教員の働き方改革にもつながっています。

教育のICT化にはさまざまなメリットがありますが、大切なのはあくまでも生徒の学びを深めていくことです。今後も1人1台端末や大型提装置をうまく組み合わせながら、生徒の学習を支える教育活動を展開していきたいと考えています。