良質な客室映像空間を提供するホテル
https://www.superhotel.co.jp/s_hotels/imabari
〒794-0041 愛媛県今治市松本町 4-6-10
HOTERES 2021年8月27日号より転載
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株式会社スーパーホテル
建設企画部課長
泉尾賢司氏
「Natural, Organic, Smart」をテーマに、顧客満足度の高いビジネスホテルを国内外で展開するスーパーホテル。同社は 4月、瀬戸内の島々を巡る「しまなみ海道」にほど近い愛媛県今治市に「スーパーホテル今治」を開業した。これまでも、加速するワーケーション需要への対応と、地域活性化のためのさまざまな取り組みを続けてきたが、「スーパーホテル今治」ではソニーマーケティングと協力し、さらなる一手と言うべきシステムと設備を実装した。その内容やコンセプトについて、建設企画部課長 泉尾賢司氏に聞いた。
「スーパーホテル今治」が開業した今治市は「しまなみ海道」の終着点にあり、サイクリストに人気のエリアだ。開業には、このサイクリング需要がひとつのきっかけとなった。
「今治市は歴史的なスポットが多く、タオル、造船など主要産業も発展しています。そんな恵まれた環境にあって、『サイクリングを通じて街を盛り上げていきたい』という話をうかがったこともあり、観光とビジネスの需要拡大、地域貢献の側面から、お互いにプラスになるホテルづくりができるのでは、と考えたことが始まりでした」と泉尾氏は振り返る。
そこでまずは、サイクリストのための設備として全146室中14室に自転車用のスタンドと壁掛けを設置し、自転車を客室に持って入れるようにした。また、エントランスには自転車用メンテナンススペースも用意。ロビーにも、Instagramへのハッシュタグ付きの投稿と連動するサイネージも設置して、旅中、旅後に想い出を残す楽しさを高めた。これらが好評を博し、GWには専用客室以上のサイクリストが押し寄せたという。
一方で、法人向けブラビア(以下、ブラビア)と連携するソリューションと“場づくり”を掛け合わせた取り組みも行なった。例えばロビーには、ギャザリングスペースとして使えるカフェのような空間を用意。壁には75V型の法人向けブラビアを壁掛けし、HDMIケーブルでPCと接続すれば、すぐにオンライン会議やウェビナー会場として活用できる環境を整えた。ブラビアを選んだ理由は、4K高画質の美しさに加え、明度が高いためオンライン会議で相手の表情や文字が見えやすい点、そしてインテリアにマッチし、主張し過ぎないデザインだったからという。
「コロナ禍で現在は差し控えていますが、コワーキングスペースとして地元の方にも使っていただく計画もあります。片側は全面が開閉可能な窓になっているので、開いて外部との隔たりをなくし、地域の方と一緒に参加できるイベントの企画も進めています。窓のすぐ前のエントランスに、誰でも利用できるキッチンカーを呼ぼうという話も出ています。
ウエルカムラウンジは、日本家屋の良いところを参考にしました。古民家は、障子やふすまを開けると大広間になって集え、閉めればプライベートを保てます。そんな、多様性や自由度があるスペースにしたいというのが狙いです。にぎわいや交流を創る場所にして、地域の活性化につなげていきたい。それこそが、このホテルのコンセプトと言えるかも知れません」。
客室にも、49V 型のブラビアと連携するソリューションによる仕組みがある。クロスバリュー(株)のホテル向け VOD システムにより、インターネット動画の視聴やスマホとのキャスト機能に加えて、インフォメーション機能も搭載。「朝食」「温泉」「ランドリー」の混雑状況をリアルタイムで確認できるため、ゲストは 3 密を回避して安全に、効率的に行動できる。全館のインターネット環境の構築も速度と安定感が信頼を得て、ビジネス利用の高稼働につながっている。
さらに、街の情報発信を担う取り組みもなされている。地元で人気の飲食店や観光スポットの魅力を各 1 分の動画にまとめて紹介するコンテンツを独自に制作しているのだ。料理のシズル感や店主の人柄まで感じられる 4K の映像は非常に吸引力があり、貴重な情報源としてゲストに喜ばれている。もちろん、ゲストが訪れることで店にも喜ばれ、ホテルのゲストにとっても旅中での食事を満喫いただけて、まさに “ 三方よし” の仕組みが出来上がっているのだ。今後はジョルダンの協力を得て、映像に QRコードを埋め込み、読み取れば、ホテルからのアクセス手段が表示されるシステムも実装予定だという。「人と人、ゲストと地域をつなげる役割をホテルが果たし、地方創生や地域貢献を目指す取り組みはこれまでも各地で行なってきました。さらに、ブラビアと連携するソリューションにより、実現できる範囲が広がりました。製品としても汎用性が高く、新たな挑戦をしたいときに、ブラビアとパートナー企業様が連携できることは素晴らしいことと思います。これからもこの環境を大いに利用して、チャレンジをしていきたいですね」。
スーパーホテルでは早くから自動チェックイン機を導入しており、SIAA認証を取得したシリカ・ナノコロイド・シールドを全館に施すなど、安全性を追求している。その点も、人と人をつなげる場を目指せる理由だろう。
今後については、「グループの強みとして一貫している天然温泉や、焼きたてパン、オーガニック野菜が味わえる朝食、カクテルが自由に作れるウエルカムバー、快眠を独自に追求したベッドも完備していますから、まずはサイクリングや仕事で疲れた体を、温泉に入った後にぐっすり眠って癒し、おいしい朝食を食べて、元気にまた出かけていただきたいですね。その中で、キッチンカーで昼食を買ってエントランスのパラソルの下で食事や地元の方との会話を楽しんだり、イベントに参加したり。宿泊以外の付加価値を生むライフスタイルホテルにしていきたいと考えています」と笑顔で語った。