究極の目標、環境負荷ゼロを目指し、2010年から始動した環境計画「Road to Zero」。
2025年までに、さらにゼロへと近づくためにソニーは、環境中期目標「Green Management 2025」 を定め、
さらなる取り組みを加速させていきます。
材料の開発から外観デザインに至る、製品設計のあらゆる面を見直すことで、質の高い仕上がりを保ちつつ、再生材の使用率を大幅に高めることに成功しました。特に有機ELテレビ1では、ソニーが独自開発した再生プラスチックの "SORPLAS"をテレビで最も面積の大きい背面カバーに採用2。これにより、バージンプラスチックの使用量を従来比で最大約60%削減しました。
再生プラスチック素材で製品外観部品に必要な品質を実現することは、簡単ではないとされてきました。
しかし、ブラビアで採用している"SORPLAS"は、回収する原材料の品質管理、製造時の材料の配合調整、さらに、"SORPLAS"独自の添加剤を用いることにより、外観への使用が可能となり、再生プラスチックでありながらブラビアとしてふさわしい美しい仕上がりを実現しました。
通常、テレビなどの家電製品に用いられるプラスチック材料は、強度と難燃性を高めるための添加剤を含みます。"SORPLAS"専用に開発された独自添加剤は一般的なプラスチック3に比べて少ない量で同等の性能を発揮。これにより、テレビの長期使用に耐えうる性能を維持しながら、環境配慮を両立しています。
"SORPLAS"は市場から回収された使用済みの水ボトルや、工場や市場から排出された廃ディスク、そしてソニーが独自開発した難燃剤などを原料に作られている難燃性再生プラスチックです。リサイクルを繰り返しても劣化しにくい4特長を生かし、再度リサイクルすることが可能になれば廃棄物の削減につながり、循環型社会に貢献することが期待されています。
ディスクを製造しているソニー・ミュージックソリューションズから排出される廃ディスクの粉砕品を"SORPLAS"の原料の一部として再利用。ブラビアのリアカバーに使用しています。
ブラビアの背面カバーに使用する"SORPLAS"の製造5では、用途の同じ難燃性バージンプラスチックを製造する場合6と比較して、排出されるCO2の量を約57%削減しています7。
今後、"SORPLAS"を回収しリサイクルするために、"SORPLAS"を使用したパーツには刻印を施し、他の素材と区別できるようにしています。
ブラビアは環境に配慮した事業所で製造しています。
特に中国の事業所では、2020年から再生可能エネルギー由来電力率100%を達成しています8。
お手元に製品が届くまでの輸送においても環境に配慮。長年にわたるシミュレーションの繰り返しや蓄積した物流のノウハウによって、梱包の細部まで環境負荷の低減を意識した見直しを行っています。
従来のパッケージでは製品の上下左右に緩衝材が配置されていましたが、長年にわたるシミュレーションの繰り返しや蓄積した物流のノウハウによって、製品保護と梱包材使用量の削減を両立できる最適な形態を導き出しました。
梱包材使用量の削減に加えて、梱包を強化するプラスチック製バンドを、強度は維持しながら紙素材のバンドに変更。梱包でのプラスチック使用量を合計で約48%9削減しました10。
CO2排出量を極力抑えて大型テレビを輸送するために、製品を保護するパッケージのサイズや重さも見直しました。サイズを約15%、総重量を約12%削減。これにより、パレット1枚あたりに積載できる台数がアップし、製品1台あたりのCO2排出量を約15%削減することに成功しました10。
パッケージに印字される製品情報も、従来に比べて必要最小限に抑え、インクの使用量を約91%削減。パッケージのデザインを損なうことなく、環境への負荷を低減する配慮をしています。
ブラビアのさまざまな省エネ設定を「ECOメニュー」上で簡単に一括設定することができます。テレビの視聴状況や部屋の環境等に応じた省エネ設定をすべて1か所で簡単にカスタマイズ可能。また、環境負荷の低減に貢献していることが視覚的にも実感できます。
[1]初期設定 [2]「無操作電源オフ 入」、
「明るさセンサー 入」、「省電力設定 強」に設定
ECOメニューで省エネのための各種設定を切り替えることで、電力消費量を約32%11節約することができます。
専用アクセサリーであるBRAVIA CAM(ブラビアカム)12 13を取り付けることで、カメラが人の動きを自動検知14。
テレビの前に人がいないときは自動でテレビ画面の明るさを下げ、最低限の電力消費量に抑えます。これにより、電力消費量を約32%15削減することができます。
独自の信号処理16により画面内のシーンごとに明るさを自動で最適化することで、電力消費量を最大33%15削減するとともに、よりメリハリのあるリアルな映像を実現します。
[1] 暗部 [2] 中間 [3] 明部