事例紹介
株式会社NSFエンゲージメント 様
ソニーグループの総務部門が独立し、NTTファシリティーズとの合弁会社というかたちで2019年10月に設立された株式会社NSFエンゲージメント。「日本の総務を再定義する」を企業ミッションに掲げ、すでに多くの企業の「働く場所」改革を支えています。そんな同社の「オフィススタジオ」という新しい取り組みにαブランドのプロフェッショナルカムコーダー『FX3』がどのように活用されているのかを、同社NSFエンゲージメント社長室室長 兼 クリエイティブセンターの大島 耕平 様にお伺いしました。
目次
―まずは、NSFエンゲージメントが2021年春から取り組んでいるという「オフィススタジオ」について教えてください。
大島:オフィススタジオとは、一人ひとりが自己の活動に合わせて働く場所を選べるリモートワークと、同じ場所に人が集まって対面コミュニケーションで働く従来のワークスタイル、双方のメリットを両立させた情報発信のための場所。テレビや映画の撮影などで使われている閉鎖空間的なスタジオとは異なる、明るくオープンで快適な、現代のオフィスに相応しい空間は何なのかと考え作りあげたものです。
―社内にスタジオがあるとどんなことができるのでしょうか? 実際にNSFエンゲージメントがどのように使っているのかを聞かせてください。
大島:弊社では主に社内のコミュニケーション促進にオフィススタジオを活用しています。弊社社長の廣松が2週間に一度、社員とカジュアルなトークをする「DJひろまつの部屋」という10分程度の番組を制作したり、定期的に経営方針などについて社長や役員がメッセージを発信するオンラインイベントを開催したりしています。
あとは、大学の先生や各界の著名人などのお客さまがいらっしゃった際に、お話しいただいたことを社員全員が見られるように記録するといった使い方もしていますね。また、オフィススタジオを使って、社内イベントをリアルとオンラインのハイブリッドで実施するといった取り組みもしています。先日の内定式では、全国の内定学生にオンラインで参加してもらい、スタジオに集まった社員たちと、今後どんな会社にしていきたいかという議論などを行いました。無機質な研修室でやるのと比べて、お互いリラックスできたのではないかなと思っています。
―スタジオというと社外向けのウェビナーのようなものをやりたい企業にだけ必要なものかと思っていたのですが、あらゆる企業に重要な社内向けコミュニケーションにも大きな成果が見込めるのですね。
大島:その通りです。オフィススタジオは、撮影にしか使えない場所ではありません。明るく開放的で、普段は接客スペースとしても利用できるのが特徴です。弊社ではさまざまな用途に活用しており、常に予約でいっぱいになっています。
―実際、この取材もオフィススタジオでやらせていただいていますしね。ちなみにNSFエンゲージメントがオフィススタジオを着想したきっかけはどのようなものだったのでしょうか?
大島:昨今の新型コロナ禍による出社制限を受け、我々も社内の会合をオンラインでやらざるを得なくなっています。当初は会議室に仮設スタジオを作って、自分たちでカメラなどの機材を持ち寄るかたちで実施していたのですが、その都度、撮影・配信の環境を作ってはばらし、また作り直してというのがかなり負担になっていました。また、あくまで仮設のスタジオだったため、『FX3』のような機材もなく、映像自体のクオリティもあまり良いものにできませんでした。
ところがその反面、オンライン会合自体はすごく盛り上がったんです。リアルな会合ですと社長や役員に対して質問する人はあまりいないのですが、オンラインだとチャットなどでたくさんの質問が飛んでくるんですよね。出席した社長や役員は、この体験にものすごく大きな可能性を感じたようで、「これは絶対にこれからのオフィスのスタンダードになるから、事業としてしっかり取り組んでいくべきだろう」ということになりました。
―これからの時代は、オフィスにもスタジオがあるべきだということなんですね。
大島:はい。ただ、一方で、我々が提供する快適なオフィスと、壁に囲われた閉鎖的なスタジオは相いれません。そこで、我々が培ってきたワークスペース作りの知見をもとに、「オフィススタジオ」という新しいコンセプトを考えたのです。
場所をオフィスの入り口近くにし、ガラス張りにしたこともオフィススタジオならではの工夫の1つ。こうすることで社員や来社したお客さまがオフィススタジオの存在を知り「何か面白いことをやっているな」「うちの部署でも使いたい」と思っていただけるようにしています。
―今回、オフィススタジオのカメラに『FX3』を選んでいただいた理由についても聞かせてください。
大島:『FX3』はα法人窓口にご提案いただきました。オフィススタジオ開設にあたって、仮設スタジオでの経験からいくつか要件を出させていただいたのですが、それならば『FX3』が最適だと。正直、最初はちょっと本格的過ぎやしないかと軽く引いてしまったのですが(笑)、実際に試してみたところ、まさにベストな選択肢でしたね。
―α法人窓口にはどういった要件を提示されたのですか?
こうした問題のほとんどは専任スタッフを入れることで軽減できると思うのですが、オフィススタジオは一般の社員が運用していくことを前提にしていたので、カメラ機材側で解消できることが理想でした。
―『FX3』の導入で問題は解決しましたか?
大島:はい。まず最大の課題だった長時間撮影について、長いイベントではリハーサルも含めて5時間以上回しっぱなしになることがあるのですが、『FX3』は内蔵された冷却ファンが強力に、しかも静かに熱を外に逃がしてくれるので、導入後、今まで一度も録画停止したことがありません。
また、オートフォーカスやそれ以外の撮影設定に関しても、最初に画角さえ決めておけば、あとは適切に被写体を認識してピントや明るさを調整してくれるのが助かりました。実際、当社のオフィススタジオでは3台の『FX3』を導入しているのですが、それぞれ全体を映せるアングル、話者寄りのアングルなどで画角を固定した後は原則として一切触らず、スタッフが1人で調整室から切り替えて使うという運用ができています。
このように、カメラ操作の専属担当がおらず、少ない人数で運営していかねばならない環境では、プロレベルの安定性や高機能と、おまかせで使える簡単さのバランスが重要なのですが、『FX3』はその点がすごく優秀だと感じています。
―その他、『FX3』がオフィススタジオに好適だったポイントはありますか?
大島:オフィススタジオは、専門の撮影スタジオと比べて光量が十分ではありません。また、本格的な照明設備を用意したとしても、毎回、脚立にのぼってスポットライトを調整して……というのは現実的ではないと考えています。そのため、撮影時には感度を上げて撮っているのですが、高性能なイメージセンサーを搭載する『FX3』では、それでもノイズが載ることが少ないため、安心して感度を上げられます。
あと個人的には『FX3』の高級感があって無骨すぎず、オフィススタジオの雰囲気によくマッチするデザインも気に入っています。
―貴社オフィススタジオのカメラ以外の機材では、75V型ブラビアの存在も目を引きます。これはどういった用途に使われているのでしょうか?
大島:ウェビナーなどでは講師がスライドを使って説明を行うことが多いのですが、画面切り替えでスライドを表示させるやり方ですと、スライドのどこの話をしているのかが分かりにくい問題があります。
そこで、このオフィススタジオでは会場にあるブラビアにスライドを表示させ、講師が実際に指さししたりできるような環境を作りました。このサイズにしたのは、講師とスライドのサイズのバランスが最も取れているから。小さくなりすぎると何が表示されているのか見えなくなってしまいますし、大きくなりすぎると今度は上部に指が届かなくなってしまいますから。
スタジオに置かれているモニターはこのほか、話者に現在の表示内容を見せるリターンモニターや、資料を表示するためのモニターなどたくさんのものがあるのですが、スタッフが操作を覚えやすくするため、すべてブラビアに統一しています。
―今後、オフィススタジオの拡大に向け、貴社がα法人窓口に期待することはありますか?
大島:ソニーの持つ最先端の技術に関する情報をどんどん共有・提案していただきたいですね。そうしたテクノロジーには、我々のもとに集まってくるさまざまなオフィスの課題を解決できるものがたくさんあるはずですから。
使用機材紹介
株式会社NSFエンゲージメント
※本ページ内の記事・画像は2021年12月に行った取材を基に作成しています。
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