事例紹介
エープロダクション 様
この10年、映像制作の現場には機材の面でも、コンテンツ、プラットフォームの面でも劇的な変化がありました。東京・中野にスタジオを構えるエープロダクションは、そんな時代の変化にいち早く適応し、デジタル一眼カメラをベースとしたライブ映像制作に取り組んでいます。映像制作のプロフェッショナルがαブランドのプロフェッショナルカムコーダー『FX6』『FX3』を選んだ理由とは? その背景と狙いについて、エープロダクションを率いる株式会社フジヤカメラ店営業部プロフェッショナル映像部門 長谷川 智志 部長と久保 美萌理 様にお聞きしました。
目次
―まずはエープロダクションの業務内容と、今回『FX6』『FX3』を導入いただいた経緯をお聞かせください。
長谷川:エープロダクションはカメラ小売の株式会社フジヤカメラ店が運営する映像制作部門です。約3年前に事業を開始し、当初は企業の自社紹介ビデオや商品紹介ビデオなどの制作を中心に行っていたのですが、新型コロナ禍の影響を受けて自社スタジオ「BLACK BIRD STUDIO」を立ち上げ、ライブ配信を本格的に手がけるようになりました。その際、『FX6』を1台、『FX3』を2台導入しています。
―それまでは違うカメラを使っていらっしゃったんですよね?
長谷川:はい。それまでは『PWX-Z190』や『PWX-Z280』など、ソニーの業務用カムコーダーを中心に撮影を行っていました。我々が撮影する企業ビデオや演劇・音楽の舞台ビデオでは光学ズームが重要なためです。いわゆるデジタル一眼カメラαのことはもちろん知っていましたが、自分たちが使うような製品ではないのかなと思い距離を置いていたところがあります。
そんななか、ちょっとした機会があって実際の現場に『FX3』を持ち込んでみたところ、思った以上に使いやすく、お客さまからの評価もものすごく高かったんです。それで「これはいける!」と、すぐに導入を決めました。
―具体的にはどういった点を気に入っていただけたのですか?
長谷川:なんといっても従来の業務用カムコーダーにはない、ボケ表現なども含めた映像の美しさです。また、フォーカスのスピード感も今までに体験したことがないものでした。特に瞳AFの精度と速度にはビックリしましたね。すぐにこれは我々の業務において大きな武器になると直感しました。あと、細かなところでは、機能や設定の名称が今まで慣れ親しんだソニーの業務用カムコーダーとほとんど同じというところにも安心感があります。
久保:私も瞳AFが気に入っています。特に被写体が動いているようなケースでは、AFが過敏に反応して背景などにピントが合ってしまうということが起こりがちなのですが、見事に被写体にピントを合わせ続けてくれました。また、女性としては小型軽量なこともありがたいですね。これくらいの重さなら、私でも手持ちで構えたまま長時間撮影できますから。
長谷川:そしてなにより「S-Cinetone」が抜群に良かったです。その映像を現場の大きなモニターでクライアントに見せたときの目の輝きは、これまで見たことがないほどのものでした。
―S-Cinetoneはどういったところが違うのでしょうか?
久保:『ひと言で言うと「雰囲気がある」ということなんですが……なかなか表現が難しいですね。
長谷川:映画的な映像を突き詰めていくとフィルムに至るじゃないですか。でも、フィルムの質感って、ともすると劇画タッチというか、重すぎる画になってしまうんですね。我々のクライアントはあくまで美しい映像を求めているので、目指すべきは"そこ”ではないんです。その点、S-Cinetoneは映画でもテレビでもない、今の時代のメディアに合った、絶妙な映像を生み出してくれていると感じています。
―今のメディアに合った映像というのはうれしいお言葉です。
長谷川:それと同梱されるハンドルユニットですね。『FX6』や『FX3』を導入する前に、すでに利用している先輩カメラマンに相談したのですが、彼がこれだけで選ぶ価値があると褒めていました。業務用のXLRタイプコネクターが2系統付いているのでワイヤレスマイクも繋げられて、これ1台でインタビューに持っていける構成になるんですよね。このフットワークの軽さも重宝しています。
―導入いただいた『FX6』や『FX3』を現場でどのように活用しているのかも教えてください。
長谷川:まず、メインの『FX6』にはズームレンズ『SEL2470GM』を装着し、被写体の動きに合わせてカメラマンが細かく操作しながらメインの映像を撮影します。これに対して『FX3』は、1台を35mm単焦点レンズ『SEL35F14GM』で被写体が最も美しく撮れる場所に固定。もう1台にはズームレンズ『SEL24105G』を付けて自由に動かせるようにしています。
なお、『FX6』をメインにしているのは従来の業務用カムコーダーに設計が近く、カメラマンが直観的に操作しやすいためです。また、信頼性に優れたSDI端子を搭載しているところも重要で、実はこれでポジションがほとんど決まってしまうというところはあります。
―これまで使っていた業務用カムコーダーとの使い分けはどのようにされているのですか?
長谷川:社内スタジオでの撮影はもう全て『FX6』と『FX3』でやるようになっています。
一方、社外での撮影・配信はあらゆるアクシデントに瞬時に対応せねばならない関係上、慣れ親しんだ業務用カムコーダーをメインに使っています。ただ、最近は『FX3』を使うケースもだいぶ増えました。やっぱりパッと見の美しさが違いますから、使いたくなってしまうんですよ(笑)。固定カメラだけ『FX6』や『FX3』にすることも考えてはみたのですが、そこだけ映像のクオリティが違うと浮いてしまうのが悩ましいところです。
なお、エープロダクションではレンタルスタジオ事業も展開しており、そのレンタル機材として『FX6』や『FX3』を使っていただくことも可能です。これまでは皆さん、従来の業務用カムコーダーを使うのが基本だったのですが、プロカメラマンの間でも『FX6』や『FX3』のような選択肢に対する注目度がどんどん高まっているので、今後は『FX6』や『FX3』を選ばれる方が増えていくだろうと確信しています。
―今後、『FX6』や『FX3』をどのように活用していきたいのかについても聞かせてください。
長谷川:まさに今、挑戦し始めているところなのですが、ライブ配信でCinema Lineならではの、S-Cinetoneやボケを生かした、従来の業務用カムコーダーでは撮れないような表現を追求していきたいと考えています。一段上のライブ番組をもっと作っていきたいですね。
久保:私も、同じ気持ちです。見ている人が、録画番組だと思ってしまうような美しい映像をリアルタイムで撮影できたらなって思っています。
―そこに『FX6』や『FX3』はお役に立てそうですか?
長谷川:もちろんです。今はまだ3台ですが、今後さらに台数を増やしていき、固定カメラを追加するなどして、より魅力的な映像を撮れるようにしたいと考えています。
使用機材紹介
エープロダクション
※本ページ内の記事・画像は2022年3月に行った取材を基に作成しています。
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