ウェディングフォト専門のスタジオアクアや、アニバーサリーフォト専門のハピスタなど、日本全国20店舗のスタジオを運営する株式会社デコルテ。人生の1度しかない瞬間を写真というかたちで永遠に残すだけでなく、その“体験”自体を価値化することに大きなこだわりをもって取り組んでいます。そんなデコルテが、2020年度からスタジオの撮影機材にデジタル一眼カメラα(アルファ)を選択。そして、今後数年で全てをαに置き換えていくと言います。その意図を同社で130名を超える所属フォトグラファーを統括する技術管理部フォトグラファーチーム 薩摩 秀二 マネージャーにお伺いしました。
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―デコルテが2020年度からα導入を始めた背景を教えてください。
薩摩:それまで主力で使っていた一眼レフカメラが買い換えタイミングを迎え、これを機にミラーレスカメラに移行しようと考えたのがきっかけです。そして当時、ミラーレスカメラと言えばソニーでしたから、ほぼ一択でしたね。
―ミラーレスカメラに移行しようと思われた理由も聞かせていただけますか?
薩摩:一眼レフカメラと比べて撮影自由度が高いことを評価しました。ミラーレスカメラは軽くてコンパクトなうえ、可動式の液晶モニターでいろいろな角度から撮れますよね。実はそれまでローアングルから撮る際は地べたに伏せて、ハイアングルから撮る時は何かに登って撮っていたのですが、他のお客さんもいる日本庭園などでそれをやると怒られてしまうんですよ(苦笑)。
―なるほど……(笑)。先ほど、「ミラーレスカメラと言えばソニー」とおっしゃっていただきましたが、今回導入された『α7R IV』はどういった点を評価していただけたのでしょうか?
薩摩:とにかくフォーカス速度が速く正確なことに感心しました。特に我々は人を撮るのが仕事なので高性能な瞳AFにはとても助けられています。フォトグラファーが撮影時に最も集中し、同時にストレスの元になっているピント合わせをカメラに任せられるようになったことで、構図などそれ以外の部分に意識を割けるようになったのは大きいですね。
―デコルテのようなスタジオ撮影でもフォーカス速度は重要なのですか?
薩摩:もちろんです。特に我々は一般的な写真館と異なり、被写体のお二人にスタジオ内を歩いてもらったり、リラックスしてもらったりしているときの自然な表情を撮影することを大切にしているので、動きのある被写体を正確に捉える能力は必須。そうした最高の表情が表れる瞬間は突然やってくるので、いつでもシャッターを押せる状態でカメラを構え、備えなければなりません。『α7R IV』はそれができるカメラだと感じています。
そのほか、ピント合わせに関する部分ですと、本体背面のコントロールホイールでフォーカス位置を直感的に操作できること、フォーカスエリアが広く、画面の端に被写体を置いて撮影できることも重宝しています。
―フォーカス性能以外に気に入っていただけているところはありますか?
薩摩:スタジオ撮影ならではの用途でいうと、テザー撮影も多用しています。それまで使っていた一眼レフでは有線でしかテザー撮影ができなかったのですが、『α7R IV』ではワイヤレスに対応しているのがいいですね。撮ったそばからJPEG(2MB)でPCに飛ばしてお客さまやメイクさんに大きな画面で確認してもらうなどしています。後はバッテリーの持ちが良いことも気に入りました。だいたいバッテリーパック1本で1日の撮影をまかなえるので、予備を含めても2つ持っていけば十分なんです。
当初はお試し導入くらいの気持ちもあったのですが、この2年でメリットを十分に理解できたので、今後は本格的にαへの移行を進めていく予定です。
―デコルテでは2020年度に6台、2021年度に9台の『α7R IV』をご導入いただいています。今後の予定について聞かせていただけますか?
薩摩:まずは特に古い一眼レフカメラから置き換え始めております。また、新しくオープンしたスタジオでは最初から『α7R IV』を導入するようにしています。そして、今後、毎月3台ずつ増やしていくようなかたちで、2023年度を目処に約80台の社内カメラを全てαに置き換える見込みです。現場のスタッフたちもすごく楽しみにしているんですよ。
―『α7R IV』のボディと同時に導入されたレンズについても教えてください。
薩摩:標準ズームレンズ『SEL2470GM』、広角ズームレンズ『SEL1635GM』、そして、望遠ズームレンズ『SEL70200GM2』の3本を基本セットとして、全ての『α7R IV』と同時に購入。そのうえで、プラスαでいくつかのレンズも追加購入しています。
―これらを法人窓口でお買い上げいただいたとのことですね。
薩摩:はい。今回、法人窓口の担当者からの提案もあって、ほぼ全てのαとレンズを、法人窓口で提供しているリース契約*を利用して導入しました(リース提供:SFIリーシング株式会社*)。
* リース契約は、リース会社の審査によりご希望に沿えない場合がありますので、ご了承ください。
―リースのメリットはどういったところにあるとお考えですか?
薩摩:支出が計算しやすくなるという一般的なメリットに加え、3年経ったら新しい機種に乗り換えることができるというところですね。昔のカメラであれば10年使うのが当たり前でしたが、デジタルカメラはサイクルが速いので短期間で新しい機種に乗り換えられるというのは魅力的です。また、こういうご時世にも関わらず、機材の厳しい調達スケジュールについても親身に相談にも乗ってくださったことに感謝しています。ソニーの担当者と直接情報交換しながら製品選びができるのも大きなメリットではないでしょうか。ちなみに、メーカー公式の窓口で購入する以上、割高になるだろうと覚悟していたのですが、リースプランにしたこともあって、思っていたよりもリーズナブルな価格で収まりました。
―今回の導入では、全ての製品で「α法人サポートパック」をお使いいただけているとのこと。導入の狙いなどを聞かせていただけますか?
薩摩:デコルテはスタジオ数が多いため、どうしても年間の機材修理費が大きな金額になってしまいます。そのコスト軽減と代替機の提供に期待して「α法人サポートパック」の導入を決定しました。メンテナンス(清掃・点検サービス)が割引価格で受けられるのもうれしいですね。実のところ、現時点ではまだサポートを利用するような大きな故障などは起こっていないのですが、今後、どうしても避けられないことだと思っているので期待しています。
使用機材紹介
株式会社デコルテ
※本ページ内の記事・画像は2022年2月に行った取材を基に作成しています。
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