株式会社いまじんCR 様は、地上波番組やネット配信番組などの制作用途でXDCAMメモリーカムコーダー『PXW-Z200』を5式導入。2024年9月より運用を開始されました。株式会社いまじん 映像事業部 部長 下地 敏史 様と、株式会社いまじんCR 制作技術部 取締役 部長 米沢 充 様に、『PXW-Z200』導入の決め手や魅力と、実際にお使いになられての感想をお伺いしました。
ー『NX5R』と同等の重量とサイズが条件
米沢:当社ではこれまで、グループ会社の「株式会社いまじん」におけるバラエティーやドキュメンタリー番組、ネット配信の制作向けに、NXCAMカムコーダー『NX5R』を3台と『NX3』を3台、プロフェッショナルカムコーダー『FX6』と『FX3』と『FX30』をそれぞれ2台保有していました。このうち『NX5R』や『NX3』は導入から時間も経っており機材の更新を検討していました。
当社の場合、撮影は必ずしもカメラマンが行うものではなく、制作ディレクターやADといった制作スタッフも回します。そのため、長時間の持ち歩きの際の負担を考慮して、サイズと重量が『NX5R』と同等のもので探していました。なかなか理想にあう機材が見つけられずにいたところ、ソニーからXDCAMメモリーカムコーダーの新製品『Z200』が発表されました。
ーワイドコンバーター不要、
優れた操作性、
マルチカメラに必須のTC入出力
米沢:実際に手にしてみて、重量は『NX5R』より軽くなっていると感じました。
また『NX5R』ではワイドコンバーターを装着していましたが、『Z200』はレンズのワイド端が35mm換算24mmなので、ワイドコンバーターが不要でさらに軽量化できます。
ズームスピードや操作性も良く、「これなら大丈夫だろう」ということで導入を即決しました。
ドキュメンタリーやバラエティー番組の収録は確実にその瞬間を収めることが重視されます。
ラージセンサーは画質の良さが強みですが、さまざまな撮影をオールマイティーにこなすという点では、ハンディカムコーダーの方が使い勝手が良いと考えています。同時に発表された『NX800』もあわせて検討しましたが、当社ではマルチカメラ収録も多いため、TC(タイムコード)入出力端子は外せない選択と考えて『Z200』を選びました。
ー初めて触ってすぐに、海外取材へ持ち出し
下地:『Z200』を初めて目にしたのは、納入された翌日でした。手に取ってみたところ、非常に持ちやすく、ワイドコンバーターもつけずに使える、重さもバランスも良い、操作もすぐに覚えられるという印象を持ち、その場で海外取材用のカメラに選定しました。もちろん出発直前にテストをしたのですが、何時間もかけたわけではなく、簡単に操作を把握しただけです。ですが、現場で戸惑うことなくスムーズに使うことができました。
現地では、取材対象者に毎日6〜7時間密着しながら、常にチャンスを狙っていました。そのため移動しながらの撮影、歩きながらの撮影なども多くありましたが重量バランスが『NX5R』と比較して手前にシフトされているので、今までより負担が少なく長時間の撮影も楽になりました。今回、持って行ってよかったと思います。
ーAF(オートフォーカス)の追従性の高さを“使って実感”
下地:インタビュー撮影の場合、常にモニターを見ているわけではないため、モニターから目を離しても、フォーカスはちゃんと追ってくれていることが大切です。以前は、被写体となる人物の手前を車が通るなどがあると、フォーカスが追いかけている人物から外れてしまうケースがありました。
『Z200』は、追いかけている人物にずっと顔認識のマークが入ったまま、ちゃんと追従をしてくれる。非常にAFが優れていて、狙い通りの撮影ができました。
ー使ってから気づく細かな改善に感心
下地:フランスに向かう際に飛行機に機内持ち込みをして感じましたが、例えば「マイクホルダーが取り外せるようになった」とか、『Z200』はかゆいところに一層手が届くようになりました。またズームに関しても自分の手の動きに連動してスッと動くのでとても使いやすかったです。
ー“使いやすさ”と“画質”がバランスの取れたカメラ
下地:「フランスの光」と「日本の光」には違いがありますが、『Z200』で撮って帰ってきた素材を見てみると、その描写も綺麗に捉えられています。『Z200』は1.0型イメージセンサーということですが、”人の立ち振る舞いなどをありのままに収める”という目的からすると、この描写はとても気に入りました。
『NX5R』を普段から使っている人間からすると、操作性も加味した上で、すごく良いという感想です。10日間の取材から帰って改めて素材を見ましたが、非常に満足しています。
ーバラエティー収録でも細かな“進歩”が活躍
米沢:『Z200』では、レンズ操作が『NX5R』までの3連リングから2連リングになっていますが、アイリスダイヤルは備わっていますし、慣れてしまえば問題ないだろうと考えました。オートをメインにして撮るディレクターもいますし、オートでいけるシーンはオートで、といったケースもあります。制作スタッフは上手に使いこなしています。
ーカメラマンの一部は“タッチフォーカス”をすでに多用
米沢:ミラーレスカメラの分野でソニーのAFは進んでいましたが、その技術がハンディカムコーダーにも取り込まれたということで、「これはかなり使えるだろう」と期待を寄せていました。人物であれば間違いなくフォーカスを合わせてくれる。人物が後ろに振り返って歩いて行ってもしっかり追従してくれる。さらに「タッチフォーカス」機能も備わったので、直感的にフォーカスをあわせることもできます。カメラマンの中には、既に「タッチフォーカス」を頻繁に使っている人も見かけます。
ーより滑らかになったズームは“物撮り”にも
米沢:バラエティーの収録では、しゃべりの切れ目でサイズを変える、といったズームの使い方をします。『Z200』のズームリングは、メカニカル連動しているENGレンズには当然およびませんが、バラエティーで全く問題なく使えるレスポンスです。ズームも、スローがさらに効くようになったため、例えば料理の物撮りなどといった場面でも一層活用できると思います。また、全画素超解像ズームをテストしてみたところ、想像よりも画質が良く、「これ、使えるよね」という印象でした。これまで、光学ズームで寄り切れない場面では、部分的に4Kで撮るなどして、編集で対応してもらっていましたが、今後は全画素超解像ズームを積極的に使ってみたいと思っています。
ー『FX3』『FX6』とも相性が良いと、ディレクターから高評価
米沢:先日、『Z200』を2台、『FX3』『FX6』を合わせて4台でアイドル番組の撮影をしました。その時は、全てのカメラの設定を「S-Cinetone」に揃えて撮ったのですが、色味もしっかりマッチして、違和感なく混在して使えています。映像を見たディレクターからは、ほとんど見分けがつかない程に合っているという感想が出ました。もちろん、ラージセンサーの『FX6』の方が綺麗なのですが、馴染みが良かったと思います。
ー1.0型センサーでありながら『NX5R』と同じく使える『Z200』
米沢:今回、『Z200』は一挙に過去最多の5台を導入しました。当社では1つの番組のロケで一度に3台、4台、5台…時には6台出ることもあり、カメラがしばしば足りなくなるケースがあったため、そのくらいまとめて導入しようと考えました。これまで『NX5R』を長く使ってきていて、ソニーのカメラには安心感がありましたので、発売と同時にまとまった台数を導入することにも不安はありませんでした。
近々ロケがありそうなバラエティー番組でも、『Z200』を使いたい、というリクエストが来ています。1.0型センサーを載せながら、20倍の光学ズームがあり、「Auto」に任せておいてもフォーカス、明るさなどを自動で調整してくれることが魅力だと思います。
下地:制作のスタッフが扱える、綺麗な映像で撮れる、重量バランスが良い、とにかく「ちょうどいい」カメラです。これからは『Z200』が僕の第一選択肢です。
株式会社いまじん
株式会社いまじんCR
使用機材紹介
XDCAMメモリーカムコーダー
PXW-Z200
※本ページ内の記事・画像は2024年10月に行った取材を基に作成しています。
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