事例紹介
JR東日本スポーツ株式会社 様
「地域の健康づくり」を企業理念に、幅広い事業を手掛ける、JR東日本スポーツ株式会社。その中核事業の1つである「JEXER」(ジェクサー)フィットネスクラブでは、ジェクサー・フィットネス&スパ赤羽にある配信用スタジオを拠点として、2021年1月からスタジオレッスンの動画配信「JEXER FITNESS TV」をスタート。2022年には配信映像用カメラとして新たにデジタル一眼カメラVLOGCAM『ZV-E10』を導入し、日々の配信にフル活用されています。同社マーケティング・オペレーション部 マーケティンググループ 手塚 航平 様ならびに、インストラクター兼運営スタッフ 駒谷 亜美 様・高橋 杏実 様に、スタジオレッスン配信の取り組みや展望、VLOGCAMの貢献について、お話を伺いました。
―動画配信スタートのきっかけやプログラム内容についてお聞かせください。
手塚:当初は、世界的な感染症の拡大から各店舗が休館を余儀なくされたり、営業時間の短縮を迫られたりしたことがきっかけです。今まで安定的に通っているお客様にフィットネスサービスを提供するという基盤が揺らぎ、他にお客様と繋がる方法が無いかと模索しました。そこで、ご自宅でもスタジオレッスンを受けてもらえるように「JEXER FITNESS TV」での配信をスタートしました。ライブ配信だけでなく、1週間後までの見逃し配信も提供しています。
駒谷:1つのプログラムは最長1時間で、45分のものが大半です。
高橋:プログラム数としては、朝から夜まで毎日6〜7本、週50本近くのプログラムを配信しています。
―VLOGCAMの役割や、VLOGCAMをお選びいただいた理由についてお教えください。
手塚:中央のメインカメラとしてデジタル4Kビデオカメラレコーダー『FDR-AX700』、サブカメラとしてデジタル一眼カメラ『α7III』の2台で配信をスタートしました。その後、商品を長く使用していたことから『α7III』の入れ換えを検討することになり、ソニーの法人窓口に問い合わせをさせていただきました。そこで、今回導入をした『ZV-E10』をお勧めいただいて、すぐにデモ機をお貸出しいただくことができ、その後の導入決定につながりました。
高橋:メインカメラはセンター固定で、インストラクター全体を常時映すカメラです。アングルやズームもほぼ固定です。サブカメラは、プログラムに適したアングルに都度配置するカメラです。プログラムごとに移動を行うほか、プログラムの最中にもアングルを変えたり、ズームをしたり、といった操作を行っています。
駒谷:配信スタジオの右側面は一面鏡張りです。例えばダンスレッスンでは、インストラクターがカメラ側を向きながらお手本を示します。それを『ZV-E10』で左斜め45度から撮ることで、インストラクターの正面と鏡に映る背中を、一緒に1つの映像で見せることができます。一方、ヨガプログラムではメインカメラの下、マットの上に座る参加者様の目線と同じ高さに『ZV-E10』を置くことで、リアルと変わらない雰囲気の映像をお届けしています。さらに太極拳などでは、『ZV-E10』でズームを行い、手指の動きなどをしっかりと見せられるように工夫しています。
手塚:このように、頻繁にカメラの移動や操作を行うため、新しいサブカメラには「軽さ」や「コンパクトさ」が必要な要素でした。また、他店舗への横展開を考えた場合にインストラクターがすぐに使える「簡単操作」や「コストパフォーマンス」も不可欠でした。『ZV-E10』は動画撮影を強く意識して作られているカメラです。今は付属のパワーズームレンズ『E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS』を中心に使用していますが、レンズ交換ができることも魅力でした。既に保有しているレンズも『ZV-E10』で使うことができます。ご相談させていただいた法人窓口では、ヒアリングを通じて、そういった私たちの使い方をよく理解してくれて、思い通りの使い方ができる商品を勧めていただけたと思います。
―VLOGCAMを使ってみての感想をお聞かせください。
高橋:本体もレンズも軽く小さくなり、圧倒的にカメラの移動はしやすくなりました。レンズ交換式のカメラでありながら、ズームも電動で行えるので、個人的には配信にとても向いていると感じています。オートフォーカス性能もすごく、インストラクターを横から撮影していても顔をしっかりと認識してくれて、移動しても追従し続けてくれます。オートフォーカスが合わなくてストレスを感じるような場面はほぼありません。画質もとても良いと感じます。イベントでスタジオを暗くして配信したことがあるのですが、そういう暗い場面で露出を上げてもきれいに映るのが驚きでした。
駒谷:『α7III』からの買い替えでしたが、操作に戸惑うことも全くありませんでした。別のスタッフに初めて使ってもらった時も、数分で理解して問題なく使ってくれました。
―動画配信に対する会員の皆様の反応はいかがですか?
手塚:とても好評です。フォットネスクラブになかなか通えていない会員様が、隙間時間でも参加できるということに高い評価を多くいただいています。それぞれのプログラムは、ライブ配信で平均30名様ほどにご覧いただいています。見逃し配信を合わせると、その約10倍にもなります。このことも意外でした。リアルのスタジオでは入れても40〜50名が限界です。見逃し配信ですごく多くのお客様にご覧いただけているということに、大きな可能性を感じていますし、リアルのプログラム参加者様の掘り起こしにもつながっています。今まで恥ずかしくてリアルでのスタジオプログラムにデビューできなかった会員様が、リアルでの参加に向けて、プログラムの雰囲気やレベル感をあらかじめ知り、安心していただく目的でオンライン参加いただく事例が多く見受けられます。これは配信スタートの段階では想定していなかった嬉しい反応でした。ダンス系では特に、見逃し配信を繰り返しご覧になることで練習を重ねられる方もいらっしゃいます。
―今後の展開についてお聞かせください。
手塚:業界全体の傾向としては、動画配信単体での事業化に目途をつけられず、感染症収束への流れと共に、配信も縮小されている企業と、引き続き拡大を目指されている企業に二極化してきています。私たちにおいては、ようやく動画配信が定着してきたところなので、新たな価値へシフトを図りながら挑戦を続けていきたいと考えています。私たちの強みは、オンラインとリアルの両方を持っていることですので、それを活かした取り組みを始めています。
具体的には、動画の視聴直後にリアルのスタジオでレッスンに参加することにより、プログラムの重要なポイントをあらかじめ把握して参加できます。インストラクターもそのことを加味して配信を行っています。
そして、2022年12月には、さらなる取り組みとして、休館日である月曜日の夜にリアルのスタジオで行われるプログラムのライブ配信を行いました。前半30分を同時ライブ配信とし、後半30分についてはリアルのみのプレミアプログラムとさせていただきました。ご好評を受け、同様の企画を2023年2月には新宿店でも行う予定です。その際には配信スタジオの機材を新宿店に仮設して配信を行います。
各店舗では季節ごとにリアルイベントを実施していますので、そういったチャンスを足掛かりにして、「新たな価値を提供するハイブリッド化」の加速を図っていきたいと考えています。
VLOGCAM『ZV-E10』についても台数を増やしていこうと思っています。例えば、もう1台あると、手持ちでインストラクターを追いかけながら撮影することもできるようになります。数台あれば、アングルを決めて配置することで、動かす回数を減らすこともできます。さらに各店舗に配置すれば、どの店舗からでも配信が行えるようになります。JEXERは首都圏以外にも、仙台・秋田・新潟といった広い地域に展開をしています。
各店舗のスタジオにモニターなどを設置して、他店舗から配信する際に同時にレッスンを受けられるようにするハイブリッドスタイルも考えています。
業界全体としては、インストラクターの人材不足といった課題も抱えています。ハイブリッドは、人材不足の解消と各店舗のプログラム充実を一挙に図れる切り札になるのではないかと期待を寄せています。VLOGCAMは簡単な操作性などが魅力ですので、各店舗の「ハイブリッド化」もスピーディーに進められると思います。
使用機材紹介
JR東日本スポーツ株式会社
JEXER
JEXER FITNESS TV
※本ページ内の記事・画像は2023年2月に行った取材を基に作成しています。
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