事例紹介
株式会社
嶺南ケーブルネットワーク 様
福井県敦賀市を拠点に、地域に根差した情報を届ける株式会社嶺南ケーブルネットワーク。4K対応へのスタジオ設備更新にあたり、パン・チルト・ズーム機能*を備えたCinema Lineカメラ『FR7』とリモートコントローラー『RM-IP500』を導入し、日々の番組制作に活用しています。ケーブルテレビ事業を巡る環境や課題、その中でカメラに求められる条件、そして『FR7』を選んだ理由について山崎 裕 様にお伺いしました。
* ソニー製電動ズーム対応レンズ装着時は、光学ズームと全画素超解像ズームの制御が可能。電動ズーム非対応レンズや単焦点レンズ装着時は、全画素超解像ズームのみ制御が可能
―番組収録スタジオにリモートカメラ『FR7』を導入
当社の放送地域では、テレビアンテナを立てても民放は2局しか映りません。そのためケーブルテレビサービスの需要は高く、多くの世帯が加入しています。制作番組は、主に地域の学校行事や発表会、職人などを取り上げる特集や、ドローンの空撮による地元の景色など、地域独自の内容です。今回、『FR7』を導入したのは、取材映像を交えてニュース・地域情報を届ける看板番組「つるいち!」の収録を主に行っているスタジオです。
―効率的な収録ワークフローに不可欠な、リモートカメラでのスタジオ撮影
当社は、情報番組を毎日更新する中で、限られたスタッフを取材ロケや中継、並行してスタジオ運用に割いています。そのため十数年前から最小限の人数によるワークフローを考え、既にリモートカメラを3台使ってスタジオ設備を整えていました。『FR7』を導入したきっかけは、それらスタジオ機材の老朽化に伴う設備更新によるものです。
少なくとも福井や石川エリアのケーブルテレビのスタジオは、このような少人数での体制を考慮したリモートカメラ撮影が一般的だと聞いています。当社も類に漏れず、撮影時のスタッフは、ディレクター・スイッチャー・カメラマン兼務担当1名と、VTR送出兼音声担当1名の計2名体制が基本です。
―将来を見据え12G-SDI・4K60Pで撮影スタジオを更新
放送は、当面HDによる放送が続きますが、設備更新にあたっては、短い期間で再び更新をかける必要のないよう、柔軟な拡張性と将来を見据えて12G-SDIによる4K60P対応システムへの更新を計画していました。4K対応とする以上、カメラは単に4Kに対応しているだけでなく、それに見合った高画質であること、また、従来通りの制作体制でスタジオ内のスタッフを無人にできるリモートカメラであることが、必須の条件でした。
―待望の4K60P対応で高画質なリモートカメラ
4K60P対応のリモートカメラは、カメラメーカーから少しずつ出ていましたが、画質に満足するものがなかなか見つからず、機材選定に悩んでいました。そのような状況の中、12G-SDI と4K60Pに対応した、高画質のリモートカメラである『FR7』が登場しました。デモ機を見て、私たちの要求を満足させてくれそうなカメラだと確信しました。
『FR7』はハードウェアタイプのリモートコントロールパネルだけでなく、タブレットによるリモートコントロールに対応していた点も操作が分かりやすく魅力に感じました。
―一目で明らかに違いがわかる画質の向上
『FR7』は、スタジオの更新直後から早速使い始めましたが、サブスタジオで見ても明らかに画質が変わった実感があり、当社の社長や設備更新に関わっていない社内のメンバーからも「スタジオの映像がすごく綺麗になった」と評価を受けるほど、画質が向上しました。使い勝手も良く、当初の目論見通りの導入成果が得られて、とても満足しています。
―広角レンズでスタジオ空間を広く演出
『FR7』はリモートカメラでありながら、レンズ交換できるのも良いところです。「つるいち!」収録での標準構成では、3台のカメラのうち2台に『FR7K』に付属の『FE PZ 28-135mm F4 G OSS』を、残る1台に『FE PZ 16-35mm F4 G』を装着しています。こちらは、スタジオ全体の引きの画用に使用しています。広角のパワーズームレンズを装着することで、限られた面積のスタジオでも空間を広く見せることができています。
―リモートコントロールはカメラを直接触っているような感覚
リモートコントロールはハードウェアタイプのリモートコントローラー『RM-IP500』とタブレット端末を併用しています。『RM-IP500』は主にフレーミングやレンズ操作などのカメラワークを行い、カメラのアイリス、シャッター、ISO感度等の撮影設定はタブレット端末で行っています。『RM-IP500』の操作は直感的にでき、3台のカメラを1つのリモートコントローラーでストレスなく行えています。更新前のシステムと比べ、『FR7』と『RM-IP500』の組み合わせは遅延を感じさせないので、レスポンスが良くなったと思います。カメラを直接触っている感覚に一層近づいたと感じました。
―フルサイズセンサーの利点に期待
現在メインで使用している「つるいち!」の収録では、基本的にアイリスを絞り込んでパンフォーカスで撮影しています。『FR7』はフルサイズセンサーなので、スタジオでインタビューや対談などを収録する場合は、背景をぼかした映像も撮影してみたいと思っています。
―スタジオ外での活用アイデア
現状、『FR7』は撮影スタジオ用ですが、たとえば中継などの屋外で使う*アイデアも生まれています。中継車のFPUポールに『FR7』を取り付けて、取材や中継先で高所から俯瞰の映像を撮影すると良いかもしれません。また、『FR7』は本体録画機能を備えているので、講演などの取材にも活用できると思います。それも、今までは難しかった、1人で3台のマルチカメラによる取材にも使える気がします。
最近は地域の取材トピックが増加の兆しがあるので、番組制作の頻度も上げていく見通しです。これに伴い、『FR7』の活用も増えると思います。これまでになかった新しい映像演出も取り入れ、地域に根差した情報をお届けしていけたらなと考えています。
* FR7は屋外環境に直接曝露してのご使用を前提とした防水・耐寒・耐熱設計等は行っておりません。屋外でのご使用にあたっては、適切なハウジングなどに格納の上、保証された動作温度範囲内の環境でご使用ください。
使用機材紹介
株式会社嶺南ケーブルネットワーク
※本ページ内の記事・画像は2023年5月に行った取材を基に作成しています。
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