人物写真は光や構図などの基本を覚えておくと、これまでとは違った雰囲気のよい、きれいな写真が撮れるようになります。スタジオでライティングを組んでプロが撮影するような写真もありますが、ここでは自然光を生かしてきれいに撮影するためのテクニックについて解説します。
人物を撮影する際に覚えておきたいことの1つが「光の向き」です。
光の向きには主に以下の3種類があります。
・順光:被写体の正面からまんべんなく光が当たっていて、影が人物の後ろにできる
・サイド斜光:被写体の横から光が当たっていて、影が横にできる
・逆光:被写体の後ろから光が当たっていて、影が前にできる
人物を撮影するときは「逆光」か「半逆光=逆光よりサイドに寄った光」がおすすめです。
人物の正面から光が当たる状態で撮影すると、眩しさのために目をつぶる、顔に影ができるといった写真になってしまいがちです。
「逆光」は、背後から光が回り込むため被写体を柔らかく、背景とのコントラストのついた写真を撮ることができます。正面から光が当たっていないため顔が暗くなってしまうことがあるので、レフ板を使って光量を補うようにするか、露出補正で明るめにすると肌色もきれいに見えます。
「半逆光」は、「逆光」で撮影した時のような柔らかさと立体感のある写真になります。髪に光が当たってつややかに見えるといった効果もあります。
被写体を引き立たせて、写真を印象的なものにするためには「構図」も大事なポイントです。構図は、被写体を写真のどこに配置するかで変わります。
よく見られるのが被写体を真ん中に配置する「日の丸」構図。正面を向いている人の写真などによく使われていますが、撮り方によっては平凡な印象の写真になります。被写体の前後にぼけを作ったり、背景を工夫したりすることで、「日の丸」構図でも印象的な写真にすることができます。
ポートレート写真は縦位置で撮影するのが基本です。画面を縦・横3分割にしてそれぞれの交点のポイントに被写体を配置する方法を「3分割構図」といいます。顔の中心や目を交点に置くと、バランスのよい構図になります。デジタル一眼カメラαには、背面のモニターに3分割のグリッドを入れる機能があるので、これを使って構図をイメージすることができます。また、顔の向きに空間をあけると安定感のある構図となります。
ビジネス用途の写真で特に注意したいのは、頭に棒が刺さっているように見える「串刺し構図」や、首の部分に背景の柵などが横一直線に通る「首切り構図」にならないようにすること。また、目に向かって線が入るような「目刺し構図」も避けましょう。いずれも人物以外のところに目が行ってしまい、写真の印象を妨げることになります。
写真は撮影するときの「アングル」と「ポジション」で大きく印象が変わります。
「アングル」とはカメラが向いている角度のことで、大きく分けて以下があります。
・ハイアングル:上から見下ろす角度
・水平アングル:水平の角度
・ローアングル:下から見上げる角度
「ポジション」とはカメラを構えている位置のことで、以下があります。
・ハイポジション:目線よりも高い位置
・アイレベル:目線の位置
・ウエストポジション:腰の位置
・ローポジション:腰より低い位置
たとえば、「ローアングル×ローポジション」で人物を撮影すると、脚が長く、顔も小さく写ります。また、「ハイアングル×ハイポジション」で人物を撮影すると、視線が上目遣いのようになり、かわいらしい表情の写真が撮りやすくなります。
被写体のどんなイメージを引き出したいかを考えて、アングルとポジションを検討してみましょう。
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