法人のお客様[法人向け] カメラ Camera Remote Toolkit Camera Remote SDK 導入事例 フォトグラメトリーでデジタル衣装制作

導入事例CASESTUDY

事例紹介

海外事例紹介
Peris Digital 様

フォトグラメトリーで
最高品質のデジタル衣料を
プロダクションに提供する

― Peris Digital社とは

Peris Digitalは、スペインのマドリードを拠点とし、リスボン、プラハ、ブダペスト、ベルリンにもオフィスがあります。1856年以来、衣装デザイナーとキュレーターとして活躍しているPeris Costumesの子会社です。

Peris Digitalは、Peris Costumesが持つ700万点以上のアーカイブから要望に合う衣装をスキャンし、3Dデジタル衣装としてTVや映画のVFXアーティスト、衣装デザイナーに提供しています。

3Dデジタル衣装の制作では、フォトグラメトリー(写真測量)を用いて、可能な限り高品質なデータを提供しています。これによって、実写と変わらないリアルな世界感を創り出すことができるのです。ソニーのカメラと技術は、それをスクリーンへ反映するために必要な解像度と画質を兼ね備えています。さまざまな被写体の形状や質感をすべて3Dモデルで制作できるため、衣装だけでなく、小道具やセットの装飾も制作することが可能です。

Peris Costumesは、NetflixやAppleなどで、映画やTVドラマの衣装デザインの実績があり、映画「デューン」、TVシリーズ「ブリジャートン家」、「クイーンズ・ギャンビット」、「ペーパー・ハウス」、「ピーキー・ブラインダーズ」、「エミリー、パリへ行く」などの作品で参加しています。Peris Digitalも同じく、映画作品への提供を積極的に行っています。

― Peris Digital社が提供するサービスについて

1つ目は、3Dデジタル衣装の制作です。あらゆるタイプ、素材感、質感、時代感のある衣装をデジタルスキャンで制作できます。一部分でも全身でも可能です。すべて個別にスキャンするため、それぞれパーツとして機能します。最終的にはVFX用の制作ツールに対応できるファイルで提供しています。

2つ目は、デジタルダブルの制作です。一般的に、デジタルダブルは特定の衣装やメイクを施したキャスト本人をスキャンしてからポストプロダクションで加工します。Peris Costumesでは、サブキャスト用に2種類のデジタルダブルを提供しています。顔や手だけでなく、衣装もスキャンして、登場人物のクローンを制作します。

3つ目は、3Dデジタルマネキンです。衣装デザイナーが直面する課題に、キャストと衣装合わせをする時間がない、撮影が始まるとスケジュールが合わず作業が進まないなどがあります。3Dプリントによるデジタルマネキンがあれば、衣装デザイナーはキャストの都合に合わせることなく衣装制作に専念できます。実用的で簡単、かつ費用対効果も高くなります。

これらの制作は、マドリードにあるメインスタジオでの制作に加え、小型の携帯用スキャナーを世界中に運んで行っています。現在、この携帯用スキャナーは40台ありますが、間もなく100台以上に増加予定です。これによって、より多くの制作会社がPeris Digitalのサービスを利用できるようになり、マドリードのスタジオに来なくても、衣装やオブジェクトの高品質な3Dスキャンデータを活用できるようになります。

また、これらのスキャナーにソニーのカメラと技術を採用していることは、Peris Digitalの競争力を高める上で非常に重要な要素です。スキャンデータの品質があってこそ、プロダクションが求める非常に高いレベルのリアリズムを実現することができるのです。Peris Digitalのハイエンドな技術と映画制作における豊富な経験は、VFXにおいて大きな存在になりつつあると実感しています。

― Peris Digital社が「α」を採用した理由と「Camera Remote SDK」がもたらすメリット

Peris Digitalのフォトグラメトリー装置は、144台のソニーα7Cとα7R IVカメラで構築し、主にFE 85mm F1.8、FE 50mm F1.8、そしてFE 135mm F1.8 GM といった純正レンズを使用しています。ソニーのカメラから得られるデータは美しく、実に印象的です。Peris Digitalではすべての制作段階において、NVIDIAのソフトウェアとコンピュータを使用しています。さらに、36台のNVIDIA Jetson Nanoマイクロコンピュータを使用して、1台のコンピュータに対してカメラを4台ずつ、合計144台のカメラを同期させています。最初の1台目のカメラから最後の144台目のカメラまで、被写体のスキャンはわずか13ミリ秒しかかかりません。装置にカメラを構築し同期させるうえで、Camera Remote SDKは極めて重要です。また、ソニーのEマウントレンズが、透明感のある画像データを実現させています。