スリーエム ジャパン イノベーション株式会社 様
3M(スリーエム)は、1902年に米国ミネソタ州で設立された、世界的化学・電気素材メーカーです。Science(サイエンス)をベースに生み出されるイノベーションを通して、人々の生活を豊かにすることをめざします。環境保全、企業責任、社会的責任、経済発展を通じて地球の持続可能性に貢献しながら、サイエンスとイノベーションを生かして、世界中のすべての人たちの生活に深く関わっています。スリーエム ジャパン イノベーション株式会社は、3Mの日本法人「スリーエム ジャパングループ」の一員として、自動車関連、業務用ソリューション、コンシューマー、建設・建築、エレクトロニクス、電力・電設・エネルギー、ヘルスケア、製造関連、個人用保護具、などの分野で製品、サービスを提供しているサイエンスカンパニーです。
花島様:スリーエム ジャパン最大の研究開発・製造拠点である相模原事業所(神奈川県相模原市)に併設された「カスタマーテクニカルセンター(以下、CTC)」は、3Мの製品ではなく、製品開発の基盤となる「技術」を展示し、デモンストレーションなどによってその技術を体験することができるソリューションセンターです。3Mの多種多様な技術を実際に体験することで理解してもらい、お客さまの課題解決につながる新たなイノベーションをともに生み出すことをめざしています。2023年6月、このCTCを、社会の変革やお客さまのニーズにより柔軟に対応できるようリニューアルし、提案力のさらなる強化を図りました。
CTCのエントランスを通り抜けた右手側に、「シアタールーム」というスペースを設けています。ここは、3Mの歴史や事業の全体像、イノベーションを生み出すカルチャーなどについて映像をまじえてご紹介したり、お客さまへのプレゼンテーションやディスカッションを行ったりする場としての活用を目的としています。CTCのリニューアルに伴い、このエリアに設置するディスプレイの検討を行った結果、映像表現・臨場感・大きさの面で、ソニーの『Crystal LED』とラインアレイスピーカー『SLS-1A』の組み合わせが最適だろうという結論に達し、導入を決定しました。
CTC内のシアタールームに設置されたCrystal LEDと画面の上下左右に配置したラインアレイスピーカー SLS-1A
釘宮様:シアタールームに導入する機器を選定するにあたり、当初から「今いちばんいいと感じたものを採用したい」という思いがありました。品質の高い機器に触れることで、私たちもメーカーとして学ぶところが多いと考えたからです。さまざまな製品を比較検討する中で、私がいちばんいいと感じたディスプレイが、Crystal LEDでした。初めてその映像を目にした瞬間、その迫力と高い臨場感にひと目で「これを導入したい」と思いました。ソニーのショールームで見せてもらったのですが、展示の見せ方や演出なども非常に参考になりました。また、自動車メーカーの中にもCrystal LEDを活用している企業があると知り、スリーエム ジャパンのエンドユーザーの中にも自動車メーカーがありますので、その点も導入を後押しする要因となりました。
Crystal LEDの上下左右に設置したラインアレイスピーカー SLS-1Aについても、まるで画面の中央から音が出ているかのように聞こえる配置・設定にすることで、ただ映像を見るだけでなく、音響と組み合わせた新たな体験価値を提供できるというところを評価し、合わせて導入することとしました。
Crystal LEDの画面から音が聞こえるように配置したラインアレイスピーカー SLS-1A
釘宮様:現在は、私たち社員が制作した、3Mについて紹介する映像やプレゼンテーションの資料などをCrystal LEDに表示しています。あまりの迫力に、これまでにお招きしたお客さまの中には、思わず画面に手を伸ばそうとされる方もいらっしゃいました。また、シアタールームの近くにある「ヒストリーエリア」に展示している数十年前の3M製品などを、同じく導入したソニーのCinema Line カメラ『FX9』で撮影し、リアルタイムでCrystal LEDに投影するといった使い方もしています。実物では小さくて見えづらかった、缶に入ったセロハンテープの細かなところまで大画面で見られる点もお客さまに好評ですし、その映像を映したCrystal LEDの前で記念撮影を行ったりもしています。
ヒストリーエリアの展示物を撮影するFX9(左)と、FX9で撮影している映像を映し出すCrystal LED(右)
花島様:これまで他のディスプレイやプロジェクターで見ていた画像や映像を、Crystal LEDに映しただけでもやはりインパクトが違います。プレゼンテーション資料の説得力を高めてくれるほどの迫力があるなと感じます。導入してまだ数カ月ですが、このシアタールームが、お客さまの課題解決につながるイノベーションを生み出すきっかけとなることを期待しています。今後はCrystal LEDの高精細さをさらに引き出すようなコンテンツづくりにも、より注力していきたいと思っています。
釘宮様:3Mでは、建設現場などの高所作業時に装着する、フルハーネス型の墜落制止用器具も取り扱っています。そういった器具の正しい着用方法を映像で解説したり、実際の作業現場で撮影した映像をCrystal LED に映し出し、作業現場の臨場感を体感してもらうことで、墜落制止用器具の必要性について再認識していただく、といった活用も行っています。
また、3MのCTCは日本だけでなく世界35カ国、48施設が展開されているのですが、各地のCTCの様子を撮影してCrystal LEDで再現すれば、まるで世界中のCTCに行ったかのような体験ができるかもしれません。さらに、バーチャルプロダクションの撮影手法を利用することで、まるで宇宙空間にいるかのような映像を撮影することも考えられます。このように、Crystal LEDを活用したさまざまな新しい施策を、これからも模索していきたいと思っています。
花島様:CTCでは、シアタールーム以外にも、多目的デモ展示エリアや、CTC内に設けたスタジオにもソニー製品を導入しています。まず、多目的デモ展示エリアのテクノロジープラットフォーム展示では、ソニーのデータプロジェクター、4K有機ELテレビを設置し、天井のリモートカメラシステムで3M社員の手元を撮影した映像を表示するなどして、お客さまに3Mの技術をわかりやすくご紹介しています。
電気自動車デモカーと資料映像を映し出すデータプロジェクターや4K有機ELテレビ(左)、天井に設置したリモートカメラシステム(右)
花島様:また、昨今のコロナ禍でCTCにご来館いただけなくなった際に開設したスタジオでは、FX9や法人向けブラビアなどを導入し、3Mの製品や技術をご紹介するウェビナーの配信などに活用しています。コロナ禍が明け、お客さまにお越しいただけるようになった今でも月1回ほどのペースで配信しており、デジタルを使用した新たなコミュニケーションの手段として定着しています。
ウェビナーの配信などを行うCTC内のスタジオ
釘宮様:CTCのさまざまなエリアに多くのソニー製品を導入したのは、操作性の共通化や、何か不具合があった際に原因がわかりやすくなるメンテナンス性の高さはもちろん、3Mの海外の拠点に対し、スリーエム ジャパンの先進の設備をアピールするねらいもありました。同じグローバル企業としてソニーのものづくりを今後も参考にしたいと思っていますし、ソニーにはこれからも、今までにない新たな体験をもたらす製品やサービスを生み出し続けてほしいと期待しています。
シアタールーム:
・Crystal LED ZRD-C12A | 横4.256m × 高さ2.394m キャビネット数:7×7=49キャビネット 解像度:2,688px × 1,512px |
・ラインアレイスピーカー SLS-1A | 2モジュール × 4セット |
・XDCAMメモリーカムコーダー PXW-FX9 |
多目的デモ展示エリア:
・データプロジェクター | VPL-FHZ85/B 7台、VPL-FHZ85/W 2台 |
・リモートカメラシステム | 旋回型4Kカラービデオカメラ SRG-X40UH/B 3台 リモートコントローラー RM-IP500 |
・4K有機ELテレビ | 法人向けブラビア XRJ-55A90J/LB 9台 |
スタジオ:
・XDCAMメモリーカムコーダー | PXW-FX9 |
・XDCAMメモリーカムコーダー | PXW-Z280 |
販売特約店 株式会社教映社
Crystal LEDは、ソニーが開発したスケーラブルな高画質LEDディスプレイシステムです。独自の高画質化技術により、高コントラスト、広色域での映像を追求し、圧倒的なリアリティーで没入感と臨場感あふれる映像表現を実現。さらに、ベゼルフリーで目地のない大画面と、軽量かつ壁掛けやカーブした場所などへの柔軟な設置性を両立しています。ショールームやロビー、会議室など、さまざまな空間デザインの可能性を広げると同時に、クリエイターの創造力を刺激する先進の映像体験をお届けします。
パワードラインアレイスピーカー
パワードラインアレイスピーカー SLS-1Aは、1つのモジュールの中に、平面で四角い振動板を用いたソニー独自開発の磁性流体スピーカー8つを48mmという狭い間隔で配置。歪みを抑えたクリアな高音質を実現するとともに、音を届ける方向や角度などの指向性を高精度に制御するビームコントロールを可能にしています。また、小型な筐体にDSP(デジタルシグナルプロセッサー)と最大出力10Wのアンプを8ch内蔵。企業のエントランスやショールーム、会議室、教育機関などの施設に設置した大画面ディスプレイと組み合わせることで、明瞭な音声を狙った場所に均一に届けられます。