大倉様：JAMSTECの拠点の1つである横浜研究所では、世界最高性能レベルのスーパーコンピュータ『地球シミュレータ』を駆使し、地球環境予測研究、地球内部ダイナミクス研究などのシミュレーションの研究開発を進めています。さらに、地球環境情報に関するデータセンターとしての役割を担い、JAMSTECにおける研究・観測活動で得られたさまざまなデータを集約。電子情報として管理し、最新の研究成果を広く一般に提供できるシステムを構築しています。

その『地球シミュレータ』の紹介や、このスーパーコンピュータを利用した研究の成果などをお客さまに見ていただくため、研究者や私たち運用管理を担当する技術者が勤務する建物のエントランスに、これまでも大型の映像装置を設置してきました。まず初めに使用していた3D表示が可能なプロジェクターは操作にかなりの手間がかかっていました。また、その後に設置した9つの液晶ディスプレイを組み合わせたマルチディスプレイは、画面のつなぎ目のベゼルが気になるなどの課題があり、1つの画面で手軽に表示できる大型ディスプレイを以前から求めていました。そんな中、とある海外の展示会にてソニーの『Crystal LED』と出会い、これなら今まで感じていた不満がすべて解消できるにちがいないと考え、2024年3月、ついに導入するに至りました。

『地球シミュレータ』を運用する施設のエントランスに導入されたCrystal LED

大倉様：Crystal LEDは、今まで使用していた液晶ディスプレイとは違い、近づいて見ても画面のツブツブ感が気にならず、本当に映像が美しいです。黒はちゃんと黒く、白はちゃんと白く、色の階調が研究者の意図通りに再現されます。ためしに深海で撮影された映像を映し出してみると、これまではぼやけてよく見えなかったところにも生き物がいることを確認できたこともありました。「こんなにきれいに映せるなら、映像を作成するモチベーションが上がる」と言う研究者もいましたし、また別の人から「映像を見ているだけで元気が出る」と言われたときは嬉しくて、本当に導入してよかったなと感じました。

佐々木様：昨今、JAMSTECでは『海洋STEAM事業』として、全国の子どもたちの海洋リテラシー向上と次世代の人材育成を目的としたSTEAM教育（STEAM=Science、Technology、Engineering、Liberal Arts、Mathematics）にも注力しており、小学生から高校生までの見学者に深海の世界や地球の内部の仕組みなどについて映像や資料で解説する際にも、Crystal LEDを活用しています。また、これまでの映像装置では音響にあまりこだわってきませんでしたが、Crystal LEDの導入を受けて、ソニーのラインアレイスピーカー『SLS-1A』も追加で設置。映像を盛り上げる迫力のサウンドを20〜30人の見学者それぞれに均一な音質で届けられるようになりました。

ディスプレイの両サイドに設置し映像を引き立てるラインアレイスピーカー『SLS-1A』

大倉様：過去に撮影された資料映像も、改めてCrystal LEDに映し出してみると、まったく違うものに見えたり、新しい発見があったりします。それにより、私たちの研究活動や成果について、見学者のみなさまにより正確に、より深くご理解いただけるようになるのではないかと期待しています。今後も研究者と連携して新たな研究成果の紹介動画を作成し、Crystal LEDに映し出して広く発信しつづけていきたいと考えています。