マツダ株式会社 様
マツダ株式会社
呉羽 博史 様
マツダ株式会社
川澄 貴也 様
マツダ株式会社
森野 敏峰 様
マツダ株式会社(以下、マツダ)は1920年に設立された、広島県を本拠地とする自動車メーカーです。マツダの車両は、広島県の本社工場と山口県の防府工場および海外の生産拠点で生産されており、独創的なデザインならびにお客さまに真の価値を提供するクルマとして、世界中でご愛用いただいています。マツダがお客さまにお届けしたいのは、「走る歓び」です。単にクルマの走行性能を高めるだけではなく、共に在ることの誇り、動くことへの感動やときめきをお届けできるモデルをめざし、開発やデザインに全力で取り組んでいます。私たちはこれからも、「走る歓び」を進化させ続け、お客さまの「生きる歓び」を通じて社会に貢献してまいります。
呉羽様:マツダは、クルマを単なる鉄の塊ではなく「命あるもの」と捉え、魂を吹き込み、生命感を感じさせる造形を常に追求してきました。創業時から受け継がれてきたこうしたものづくりの思想を、2009年に“魂動(こどう)−SOUL of MOTION”と命名。ドライバーとクルマの関係を、まるで愛馬と心を通わせるかのようにエモーショナルなものにするのが、マツダの「魂動デザイン」です。現在、この「魂動デザイン」はさらに深化しており、日本人が古来より大切にしてきた美意識や「侘び・寂び」といった文化を徹底的に研究。そのような新たな価値を、次世代のクルマづくりに取り入れようと模索し続けています。
昨今、自動車業界は100年に一度の大変革期を迎えているとされ、クルマのデザイン開発でもコンピュータによるデジタル化が進み、求められるスピードもますます加速しています。マツダのデザインは、原寸大のクレイモデルを0.1mm単位で作り込むところも特長の一つですが、そうしたフィジカルと並行して、同時にデジタルでも細部の表現を高精度に確認できる大型の表示装置が欠かせません。従来はプロジェクターとスクリーンを使用していましたが、さまざまな課題があり、大型のLEDディスプレイの検討を開始しました。幅広い選択肢がある中で、私たちが「これしかない」と選定したのが、ソニーの『Crystal LED』でした。
広島本社内『デジタルプレゼンテーションルーム』に導入された
横6m超のCrystal LED
川澄様:プロジェクターでスクリーンに投影するこれまでのスタイルでは、長年使用していたこともあり、白っぽくぼやけたり、細部まで表現しきれないところがありました。そのため、デジタル化を進めていく上で、LED表示装置への移行は必然の流れといえます。その中でもこのCrystal LEDは、黒の締まりが素晴らしく、同じ黒でも表現の幅の広さが群を抜いていました。また、フィジカルモデルの実物とデザインのデジタルデータを画面に映して比較したい場合、これまでのプロジェクターは画面を見るときは部屋を暗くして、フィジカルモデルを見るときは部屋を明るくする必要がありましたが、明るい室内でも高い輝度を持つこのディスプレイなら、照明を落とすことなくフィジカルモデルと画面を同時に確認できて非常に助かっています。
森野様:川澄の話にもありましたが、比較検討した他のディスプレイの中には、クルマの黒い部品が潰れて見えてしまうものもありました。そうした黒の階調表現と、これまでのプロジェクターのように起動に時間がかからない点が私たちの希望通りでしたので、まさに「Crystal LEDしかない」ということで最終的に選定させてもらいました。海外の拠点の中にもCrystal LEDを導入したところもあり、互いにほぼ同じ環境でデザインを確認し合えるという利点もあります。将来的には本社内の別の空間や、国内外の他の拠点にも設置できたらいいなと考えているところです。
Crystal LED『ZRD-2』背面の様子
川澄様:最終的に完成品となった状態は、画面上のデータで見なければイメージしにくい部分があります。そのため、高い精度のデザインを表示できることで、トップマネジメントが正確に判断できるようになり、開発期間の短縮化につながるのではと感じています。一方で、高精細に表示できるあまり、クルマ自体のデザインだけでなく、背景なども作り込む必要が出てきたのは多少大変でもあります。しかしこれも逆に言えば、それだけより臨場感と没入感を演出でき、よりクオリティーの高いプレゼンテーションができるということでもあります。今後はそういった細部のレベルアップも図っていきたいと考えています。
森野様:映像を制作して新たなデザインのプレゼンテーションを行う際には、音声も重要になってきます。今回、Crystal LEDの左右と上部に、ソニーのラインアレイスピーカー『SLS-1A』も設置しました。これまでのスピーカーは隣の部屋に音が漏れることがあったのですが、このスピーカーは音が届く位置をコントロールできるので、狙ったところにいるオーディエンスだけにクリアな音を均一に届けられて非常に満足しています。
呉羽様:昨日まで全力でつくってきたクルマも、一度世に出てしまえばすぐにそれを超える新たなクルマづくりをめざして進み続けなければなりません。私たちはこれからも、このCrystal LEDとSLS-1Aを活用しながら、みなさまに驚きと感動を提供できるデザインを生み出し続けていきたいと思っています。
画面に集中できるよう通常は棚の中に
収納されている
ラインアレイスピーカー『SLS-1A』
(写真は棚の蓋を開けたところ)
Crystal LED ZRD-2
サイズ:横6.45m × 高さ2.27m ユニット数:16 × 5=80ユニット
解像度:5,120px × 1,800px
パワードラインアレイスピーカー SLS-1A
2モジュール × 3セット
Crystal LEDは、ソニーが開発したスケーラブルな高画質LEDディスプレイシステムです。独自の高画質化技術により、高コントラスト、広色域での映像を追求し、圧倒的なリアリティーで没入感と臨場感あふれる映像表現を実現。さらに、ベゼルフリーで目地のない大画面と、軽量かつ壁掛けやカーブした場所などへの柔軟な設置性を両立しています。ショールームやロビー、会議室など、さまざまな空間デザインの可能性を広げると同時に、クリエイターの創造力を刺激する先進の映像体験をお届けします。
Crystal LED
ZRD-2