NISSAN 日産自動車

意思決定と情報発信を目的とした
『デザインプレゼンテーション
ホール』

日産自動車が米国やイギリス、中国など世界各地に構えるデザインスタジオの中核となるグローバルデザイン拠点、日産グローバルデザインセンター。その中で、リアルとデジタルを融合させ、デザインの開発プロセスに革新をもたらすことを目的に新設されたのが、『デザインプレゼンテーションホール』です。

西田様「このホールは、主に日産自動車に所属する世界中のデザイナーが生み出したデザインの最終的な意思決定の場、そして社内外に向けたイベントなどで日産自動車を広く発信する場として開設されました。当社では、これまでにも『Crystal LED（ZRD-B12A）』を導入しており、移動可能な大型スクリーンとして用途に合わせて使用していましたが、本ホールがつくられるのに合わせて、大型のLEDスクリーンを設置することに。改めて複数の選択肢の中から検討を進め、実際に使用するデザイナーにも意見を聞きながら最終的に採用を決定したのは、やはりCrystal LED（ZRD-B15A）でした。」

質の高いデザイン評価を求めて
たどり着いた
幅40m超のLEDスクリーン

西田様「Crystal LEDは、発色性や輝度の高さがとても素晴らしいです。デザインの評価では、さまざまな国や地域における、時間経過による光の当たり方の変化や、天候や季節ごとの見え方の違いも検証するのですが、このディスプレイは高い臨場感と没入感でそれぞれのシーンを再現することができるので、非常に質の高いデザイン判断につながります。

今回設置するLEDスクリーンでは、実寸大のクルマ6台を映し出して、一度にデザインの比較検討をしたいという希望がありました。当初はディスプレイをL字型に配置する案もありましたが、複数人で見る際の見やすさも考慮し、さらに横長に大きなスクリーンを求めた結果、最終的に幅約43.8mもの24KのLEDスクリーンを設置することになりました。これだけのサイズになると、平面のディスプレイでは斜めから見たときに歪んで見えてしまう懸念がありましたが、画面を湾曲することでその課題をクリアできました。その検証においては、ソニーPCLのみなさんにも多大なるご協力をいただきました。」

小川「Crystal LEDの導入を決定いただいたのち、日産グローバルデザインセンターの別のホールを使用させていただき、そちらで部分的にディスプレイを実際の角度で湾曲させて仮組みし、色の見え方などのシミュレーションを何度も繰り返し行いました。私たちにとっても、ここまでの大きさは初めての試みでしたので、ご期待に沿える結果が出せるかどうかはやってみないとわからないところがありましたが、西田様自ら3Dプリンターでモックを制作いただくなど、ともに試行錯誤を重ねることで、最適な配置を導き出すことができました。お客さまのスペースをお借りして検証させていただけること自体あまりないことですので、私たちとしても貴重な経験となり、大変ありがたかったですね。」

高津「今回、Crystal LEDの納入だけでなく、映像音響送出システムの設計や施工も担当させていただきました。ただ映像を流すのではなく、プレゼンテーションに使用する際にどう見せるか、また、湾曲しているディスプレイへの音の反響も踏まえてどのように音響設計していくかといった検討は、苦労した点でもあり、大きなやりがいも感じました。また、今回のシステムに合わせたオリジナルのUIも開発し、誰でもマニュアルレスの直感的な操作で柔軟にプレゼンテーションができるようにしたところもこだわったポイントです。

そのほか、日産グローバルデザインセンター様の企画内容をもとに、フルカラーの天井LEDやリモート照明、会場の椅子やテーブルなどの内装も含めたスペース全体の設計・施工をソニーPCLが担当し、デザイン性と機能性を追求した空間に仕上げることができました。」

天井のLED照明で天候や季節の変化を表現（左）、椅子・テーブルまで含めた一体感を演出（右）

天井のLED照明で天候や季節の変化を表現（上）、
椅子・テーブルまで含めた一体感を演出（下）

クリエイティビティを刺激し、
より魅力的なデザイン開発に貢献

西田様「設置後、デザインのスタッフに集まってもらい、初めてCrystal LEDの映像を見せたときは、目の肥えたデザイナーたちから思わず歓声が湧き起こりました。非常に高精細なので、ここに映し出すことでデザインのさらなる改善点に気づくこともありますし、デザイナーにとっても今回の導入がいい刺激になっているようです。今後も、このスクリーンに映し出すデザインと従来のクレイモデル、デジタルとフィジカルそれぞれのいいところを融合させ、よりよいクルマづくりと日産自動車の情報発信にCrystal LEDを活用していきたいと考えています。」

小川「私たちとしましても、西田様のご期待通りではなく、さらにそれを超えられるよう、ソニーグループならではの最先端の技術や体験を幅広くご提供していくことで、これからも日産自動車様とデザインプレゼンテーションホールの取り組みを支えつづけていきたいと思っています。」