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Photographer's interview 写真家インタビュー

キレと柔らかさを併せ持つレンズ/クリアな高感度画質

― ぼけ味や高感度の画質についてはどうでしたか?
福田健太郎

ぼけはきれいですよ。うまくぼけをコントロールできれば、花畑の1点にピントを合わせつつ前後をぼかして距離感を誘うような風景が撮れます(作例5)。また、絞り羽根が開放付近は円形絞りなので、点光源の描写もやわらかで雰囲気もいい。(作例6)がわかりやすいですね。透明感があってクリアだけれど柔らかい、"α"レンズの伝統を受け継いでいる印象でした。

(作例5)1/1600 | F3.5 | ISO100
(作例6)1/800 | F4.0 | ISO200
1/160 | F5.6 | ISO200
(作例7)1/25 | F2.8 | ISO3200

もう1つレンズについて言うと、「T*(ティースター)コーティング」のおかげだと思いますが、フレアやゴーストにも非常に強い印象です。わざと霞がかったようなフレアのある写真やキラキラと光る多角形の光(ゴースト)を撮ろうとしたのですが、なかなか写らなかったんですよ。高感度は、小樽の夜景で試してみました(作例7)。日が落ちた暗いシーンでも地明かりだけでここまで撮れます。高感度ノイズは人によって許せる範囲が違うと思いますが、この写真で言うならISO3200でも安心して使えるのではないでしょうか。

― ほかに「これは!」と感じた機能はありますか?
(作例8)1/2000 | F9.0 | ISO80
福田健太郎

スクエアフォーマットで撮れるようになったので、キマるとおしゃれな写真が撮れますね(作例8)。被写体をど真ん中にして意志の強さも表現できるし、クリエイティブスタイルと組み合わせて、普段とは違った写真が撮れるのは面白いと思いました。

福田健太郎
(作例9)1/200 | F4.9 | ISO125

もうひとつは"全画素超解像"ズーム。雲海の写真(作例9)は望遠側の100mmでもちょっと足りなかったので、"全画素超解像"ズームを使っています。写真の下側の細かい木を見てもらうとわかりますが、遠景の木や山の質感をきちんと表現できています。

心ひかれたものを思うままに。自分を表現できるポテンシャルのあるカメラ

― 今回の旅では、どんなスタイルで撮影をしたのですか?
福田健太郎

こんなふうにポケットに入れてかなりラフに扱っていました(笑)。いつもは機材だけで20kgもある荷物を背負うので新鮮な体験でした。

今回、自分の興味もあって基本的にほぼすべての機能を試してみましたが、私に合っていたのはコントロールリングでズーミングをして、露出をマニュアルで決めるスタイルでした。リングでのズームは無段階ですが、きちっと指定した場所で止まるのでフレーミングもしやすかったし、AFも速い。液晶もビックリするほど見やすかったですね。

小さいながらも持った時のほどよい重さと質感も気に入っています。とにかく撮っていて気持ちがいいんですよ。他のコンパクトカメラと比べるのは申し訳ないけれど、雲泥の差でした。

― 最後にこのカメラと旅をしてみて、
感じたことを教えてください。
福田健太郎

心ひかれたものをパッと撮るだけで、いい写真が撮れる点は素晴らしい。でも、それだけで終わるカメラではないと思いました。自分の発想やイメージを1枚の作品写真として仕上げられる――つまり自分を表現したり、自分の世界を写真に込める、そういう欲求に応えられる懐の深さがあるカメラです。しかも、それを上級者はもちろん、初心者でも扱える操作性の良さもあります。

ぜひ、普段の目線を変えて、いろんな角度から写真を撮ることを愉しんでほしいと思います。使いこむほどに、その良さがわかってくるはずですよ。