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藤原嘉騎
プロフィール 東京カメラ部10選 藤原嘉騎 Yoshiki Fujiwara

元プロスノーボーダーという異色の経歴を持つ。世界最高峰とも言われるNATIONAL GEOGRAPHIC社からの写真提供依頼やAdobe Lightroomでの現像チュートリアルを寄稿するなど国内だけでなく海外においてもWebや雑誌にて活動を行う。

三脚を使い緻密な構図と露出で美しい風景写真や都市ランドスケープを撮影している藤原嘉騎さんが、旅行のためRX100 VIを持って山口県へ。ポケットに収まる小型軽量ボディ、広角から望遠までをカバーした高倍率ズームなど、従来のスタイルと異なる撮影で旅の様子を切り取った感想を聞いた。

RX100 VIを持ち、秋吉台や岩国など山口県の観光名所を旅行してきました。僕はふだん、撮影スポットだけを目指すことが多く観光をする機会はほとんどないので、新鮮な気持ちでした。そして、メイン機であるフルサイズ一眼での撮影では必ず三脚を使い、一度撮影場所を決めると三脚に付けっぱなしにするので、気軽に取り回せる小さなカメラは僕の中で必需品です。しかし、RX100 VIのような高倍率ズーム搭載機は所持したことがなかったので、どのような撮影になるのか自分自身楽しみでした。

RX100 VI,24mm,F8.0,1/400,ISO200

城下町として知られる岩国を、岩国城の天守閣から眺めた風景です。いつもの僕だったら屋根の部分は構図に入れないと思いますが、思わずそれを入れてこういう場所から撮っている、ということを伝えたくなりました。確実に普段の撮影とは異なる気持ちになっている証拠でしょうね。カメラが変わると撮り方が変わるという良い例だと思います。

RX100 VI,200mm,F8.0,1/400,ISO200

同じく天守閣から、錦帯橋を200mm相当の望遠端で撮影しました。ここまで大きく切り取れること、そしてシャープな描写に驚きました。広角で周辺状況を入れながら撮ることも、200mmの望遠で切り取ることもでき、片手でサッと気軽に撮ってもシャープに写せることが旅行の序盤ですぐにわかりました。

RX100 VI,37mm,F3.5,1/8,ISO3200

夜の錦帯橋です。鵜飼いが行われていて、ISO3200の1/8秒で手持ち撮影をしています。橋は手持ちでスローシャッターの割にはブレることなく写っており、水面の光の写り込みも好印象です。

RX100 VI,24mm,F8.0,2.0,ISO800

同じく錦帯橋ですが、こちらは三脚を使用しています。感度もISO800に留めており2秒の長秒シャッターです。ディテールがクッキリと出ていますし、水面の筋など、写ればいいなと思ったところが残っています。

RX100 VI,24mm,F8.0,1/250,ISO200

旅行2日目です。山口県を東から西へと横断し、撮影スポットとして有名な「角島大橋」にやって来ました。お盆の時期で観光客が多く、渋滞も酷かったですし、たくさんの人が撮影をしていました。高倍率ズームなので、できるだけ混雑を感じさせない切り取り方ができるのはいいですね。また、発色が鮮やかでJPEG撮って出しでも目立つ写真を撮ることができる気がします。

RX100 VI,24mm,F2.8,1/4,ISO1600

秋芳洞の中で、柵にRX100 VIを置いて撮影しています。小さいカメラだからこそちょっとした場所に置くことができ、三脚が立てられない場所でも長秒撮影をすることができます。暗部に色被りを起こしそうなシチュエーションですが、それもなく解像感抜群に描写してくれました。お気に入りの1枚ですね。

RX100 VI,24mm,F8.0,1/400,ISO640

秋吉台は天候が悪く、2日に分けて撮影に出かけました。風が強かったのでシャッタースピードを遅めにするとブレが出てしまうため、高速シャッターに切り替えて撮った1枚がこちらです。細かく解像しています。

RX100 VI,24mm,F8.0,1/80,ISO160

萩市の海岸にある須佐ホルンフェルスという崖を撮影しています。僕は普段は16-35mmの広角ズームレンズで撮ることがほとんどです。この写真は広角端を使い三脚撮影をしていますが、そのような撮り方をするときは、スナップ的ではなく作品として撮ろうと本気を出しているときですね(笑)。立体感、解像感ともに秀逸です。

RX100 VI,24mm,F5.6,1/80,ISO640

萩にある有名な明倫館です。建造物などは普段絶対に撮らないのに、このカメラだと思わず撮ってしまうんです。歪みも少なく、背面液晶モニターの可動域も大きく見やすかったので、水平垂直を出すフレーミングも簡単でした。ダイナミックレンジは広いですよね。ハイライト部分のみ後から持ち上げましたが、情報がしっかりと出てきました。

RX100 VI,31mm,F5.6,1/125,ISO800

重要文化財の菊屋家住宅内部から、人が通るのを待って撮影しています。連写に切り替えず、顔がちょうど隠れる一瞬を狙いましたが、AFスピードもレスポンスも優れているため、1回のレリーズで意図した配置で撮ることができました。僕はマニュアル露出で撮ることが多く、細かい露出設定はシャッタースピードで変更しています。ダイヤルやボタン類は少ないもののカスタマイズできるため、マニュアル露出で撮影する際もうまく機能を割り当てることができました。

RX100 VIの高倍率ズームはやはり便利で、旅行の記憶を留めるのに最適なカメラだと感じました。一眼用の高倍率ズームは大きいですし付け替えも面倒なので、レンズを買うのであればRX100 VIを使った方が断然便利だと思います。可動域の大きい背面液晶モニターが特にお気に入りで、もっと細かい機能面でいうと、「ブライトモニタリング」がとても素晴らしかったです。これは低照度での撮影時、モニターには明るく表示してフォーカシングや構図の決定をしやすくしてくれる機能。秋芳洞での撮影では特にありがたかったです。本当に今回は僕の写真とは思えないほどバリエーションが出ました。サブ機というより、ライトトリップにおいてはどのようなシーンでの撮影にも対応できるので、初めての本格的カメラを探している方にもおすすめしたいです。

24-200mm(*1)ズームレンズと世界最速(*2)AFで、躍動する瞬間をダイナミックに切り取る

*1 35mm判換算 *2 DCS-RX100M4同等、1.0型イメージセンサー搭載のレンズ一体型デジタルスチルカメラとして、2018年6月6日広報発表時点。ソニー調べ

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