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RX×SKY RX100 Vで撮る空 米田 誠

米田 誠

1984年千葉生まれ。2008年より本格的に写真を始める。「写真は人生の記憶である。」をモットーに、心が動いた瞬間を表現、発信し続けている。東京カメラ部2015写真展コンテスト「日本の47枚」入賞、東京カメラ部2017写真コンテスト「Instagram部門」入賞など。

一眼レフを使う傍ら、好みの発色やコンパクトさからRX100 IIIを常に持ち歩き、植物、滝、夕景、星景など、主に美しい風景写真を作品撮りしている米田誠さん。今回はAF性能が強化されたRX100 Vを使い、「空」をテーマに撮影された際の使用感や撮影術をお伺いしました。

今回は「空」をテーマに撮影しましたが、普段の撮影でも空は必然的に写真の中に入ってきますし、空の表情をどう捉えるかによって写真そのものが変わってきます。風景写真において空の果たす役割はとても大きいのではないでしょうか。改めて自分が撮った写真を見直していくと、やはり雲ひとつない晴天の空よりも、多少の雲があり、朝焼けや夕焼けをドラマチックにしてくれる空が好きです。普段はRX100 IIIを常に持ち歩いていますが、RX100 Vも色味に違いは感じず、とても好ましい画質だと思います。最大の違いはAF速度とAF精度。風景ではさほどAF性能は求められないものの、例えばポツンとクレーンがあるような写真でも、ストレスなく被写体に一発でフォーカシングしてくれるのでありがたかったです。

カメラが優秀なので、何も考えずにパッとこういう写真を撮ることができます。パソコンでの現像処理の際もほとんど手は加えなくても、プログラムAEに設定し、露出補正を少しマイナスにするだけでほぼ狙い通りになりますね。夕陽の中の観覧車のシルエットに惹かれて撮りましたが、ちょうど良く飛行機が飛んできたので、飛行機の位置に注意して撮りました。今回は空がテーマでしたから、空の割合を広くすることを心掛けています。色味を敢えて誇張したいなと思う場面でも、さまざまな仕上がりに対応してくれるRAWデータを残してくれるカメラだと思います。

本当は下の方に塀があるのですが、望遠端を使って塀が入らないように切り取り、月が少し目立つような構図で撮影しています。風景は24-70mmの画角があればほぼイメージの中に収まります。センサーサイズがもう少し大きい単焦点コンパクトよりもRX100シリーズが好きなのは、ズーム域のアドバンテージが僕の中では大きいですね。このような微妙な色合いが重要な写真の場合、現地で見た色のイメージに近くなるようにJPEGで記録をしておき、後からのRAW現像の参考にします。つまり、僕はRX100シリーズのJPEGの色が好みなんです。少し濃いめで忠実。コントラストもしっかりしていると感じますね。

続いても月が綺麗だったので、前ボケに良い柳を見つけて撮りました。望遠端の開放撮影であれば前ボケは作れますし、望遠端にしても開放F値はF2.8なので、ベースの感度をISO125にしていても手持ちで撮影できます。ちなみに、望遠端の開放撮影ではわずかに周辺減光するので、より雰囲気を作れます。

これは川越散策中、望遠端で建物と月を撮りました。壁面の反射が強かったのですが、ハイライトも飛びきらずに粘ってくれました。この空の色はRX100シリーズの特徴がよく良く出ていると感じます。マゼンタが少し強めで、深みのある気持ちの良い色ですよね。

皆既月食を撮りました。このような写真もRX100 Vでは撮れるというのを是非知っていただきたいです。三脚にカメラを固定して手ブレを防ぐために2秒のセルフタイマーで撮るだけ。それでこれだけの写真が撮れるのは驚きです。

月とオリオン座の両方を入れたいと思って撮影した1枚。街中で撮っています。コンパクトサイズなので、街中でも気軽に夜景撮影ができます。これは広角端の開放撮影ですが、四隅の星が破綻なく描写されています。

珍しく日中の写真ですが、空の色が好みです。現像時も色味はいじらずにトーンだけ調整しています。プログラムAEで撮影をすると、F4くらいの絞りが選択されることが多いです。最もレンズの性能を引き出すF値なのかもしれません。たしかにF4付近の描写は素晴らしく、この写真も四隅まで緻密です。

夜明け前の印旛沼。僕は星景写真を撮るとき赤道儀を使わないので、星が流れないように注意します。この写真では月の光芒をキレイに出したかったのでF3.5まで絞りましたが、それはシャッタースピード的に星が流れず光芒も出すラインを導き出した結果です。手前に自動販売機がありボート周辺はもっと明るく出てしまっていたので現像時に暗めに抑えています。

続いても印旛沼です。一眼レフでNDフィルターを使った長時間露光を撮っている最中に手持ちでササッと撮っています。特に凝ったことをしていないですが十分ですよね。トーンは美しく出ていましたが、現像時に太陽周辺のハイライトを少しだけ抑えています。

夜明け前の天の川です。肉眼でやっと捉えられるくらいの明るさでしたが、データにはしっかりと残っていました。もう1枚は朝日が昇りつつあり、夜と朝の境界線を捉えた1枚です。JPEG撮って出しの状態でも十分に成立はしています。もっとこだわるために現像処理をしようとしたときに、肉眼を超えてそれに応えてくれるデータであることが素晴らしいと思います。

RX100 IIIの完成度の高さに十分満足していましたが、RX100 Vでは最速シャッタースピードが1/32000秒となったり、AFの精度とスピードが格段に増したりなど、よりストレスを感じることなく撮影することができました。私は一眼を限られた時にしか持ち出さず、代わりに常にRX100 Vを持ち歩いていますが、常用しているからこそ、AFが進化し、一瞬で作品クオリティーの写真を撮ることができるRX100 Vの高速性はありがたかったです。風景撮影がメインではあるものの、より瞬間を意識した作風もRX100 Vならば撮れると感じています。

空の撮影で米田さんが使用したRX

新開発のイメージセンサーに位相差検出方式AFセンサーを配置。AFの速度や動体捕捉に優れている位相差AFとAFの精度が高いコントラストAFのメリットを兼ね備えたファストハイブリッドAFをRX100シリーズとして初めて搭載。0.05秒(*2)の高速レスポンスを実現するとともに、AF精度と動体追従性能も大幅に進化したことで、被写体を瞬時に精度高く捉えます。

*1 1型のレンズ一体型デジタルスチルカメラとして。2016年10月広報発表時点。ソニー調べ
*2 CIPA準拠。内部測定条件 f=8.8mm(ワイド端)、明るさ EV4.7、プログラムオート、フォーカスモード:AF-A、AFエリア:ワイド

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