晴天の昼間での撮影は、コントラストも高く、クッキリハッキリとした見映えの良い写真が撮ることができます。しかし、毎度、晴天に恵まれるわけでもなく、曇天の日もあれば、荒天の日もあるでしょう。
今回は東京駅からほど近い和田倉噴水公園で、曇りの時でもきれいな写真が撮影できる技術をαアカデミーの講師にいろいろ教えていただきました。レンズも広角、魚眼、ワイドコンバーターなど、広めの画角で撮影できるものをお借りすることができ、撮影の幅が広がります。また、マジックアワーから夕景、夜景など、それぞれの撮影の様子もレポートします。
イベントが開催された11月24日は、あいにくの雨予報。なんとか午前中から天気が持ち直したものの、分厚い雲は晴れず、曇天での撮影になりました。
まず、和田倉噴水公園での撮影前に東京駅へと向かう道中の大通りの銀杏並木の撮影からスタートしました。並木の先には東京駅舎が構え、左右には高層ビルがそびえ立っており、さまざまな画角での撮影が楽しめます。
曇り空のため、コントラストが出ないので、カメラの設定はクリエイティブスタイルのビビッドを使い、コントラストを高めに設定しました。曇天ながら紅葉した銀杏の黄色がハデハデな感じに映えていきます。望遠レンズを用意していれば、東京駅舎を大きく写すことができますし、奥行き感を出したいのであれば、空をなるべく写さず、地面を多めの画角にすると良いとのことです。ちょっとした工夫で撮影した写真の見映えがぜんぜん変わってきます。
同じ場所からの撮影でも、撮影テーマを変えることで、さまざまな写真が撮影でき、それぞれに適したカメラ設定と画角があることがわかりました。
ホワイトバランスは、AWB(オート)※1 でも良いですが、カラーフィルターを使い、右下と左下の四隅に合わせ撮ってみるのがオススメです。暖色系と寒色系に振られるのですが、自分の好みの色合いが分かるので、一度試してみてから、微調整するのが良いそうです。実際にやってみて、個人的には寒色寄りが好きでしたが、場面によっては暖色系もかなりきます。決めきるのではなく、毎度確かめてみるのが良いのかなぁ。
明るさもライブビューで確認しながら、自分好みのものを探してみます。暗めに合わせると空のグラデーションが見えてきて、表情が豊かになってきます。αシリーズは、ライブビューで設定の変更がそのまま表示されるので、数値で覚えるのではなく、見た目の好みで合わせることが重要だなと感じました。
いよいよ和田倉噴水公園へ移動します。まだ太陽が落ちきる前で明るいですが、色合いをオレンジに合わせて撮影します。噴水のライトアップの光が黄金に輝き、ゴージャスに撮影することができました。日が落ちかけでライトアップの光が入ることで、曇り空でもコントラストが強めになってきます。オートHDR※2 で撮影もバリバリ効いてきます。
マジックアワーの時間帯では、ISO6400くらいで、十分に手持ち撮影が可能です。暗くなると三脚が必要に感じてきますが、αシリーズであれば、ISO感度を高めに設定することで、手持ちでも十分に撮影できます。ノイズも気にならないので、この時間帯でもお手軽に撮影ができるのは嬉しいポイントです。
また、ここでもホワイトバランスを、カラーフィルターを使って右下と左下に振ってみます。ライトアップが黄金に輝くオレンジ系か、白い光で空気感を感じるブルー系か、好みに合わせて撮影していきます。
※1 AWB(オート):オートホワイトバランス カメラが光源を自動判別し、適した色合いに調整する機能
※2 オートHDR:露出の異なる3枚の画像を撮影し、適正露出の画像とアンダー画像の明るい部分、オーバー画像の暗い部分を合成することにより階調豊かな画像にします(HDR:High Dynamic Range)。適正露出画像と合成された画像の2枚が記録されます。
さらに日が落ち、夜になると、噴水のライトアップが一層強くなってきます。ここで噴水の前に人を立たせると人の姿がシルエットになり、写真が劇的に変化します。風景の撮影では、人が入るのはあまり好ましくないですが、強い光の前に立っている人は、魅力的な被写体へと変化していきます。
夜景になると光と影のコントラストが強くなるので、曇天で使用した高めのコントラストは元に戻すといいとのこと。天候的には夜になっても曇天であることは変わりませんが、強い月明かりがないのであれば曇天も晴天も変わらないようです。
ただ、イルミネーションを撮影するときは、コントラストを高めに設定することがオススメですよ。
和田倉噴水公園での夜景撮影では、回りに高い建物が少なく、特に皇居方面は空が抜けています。なので、歩道の街路樹がシルエットになり、これまた幻想的な撮影をすることができます。葉がすべて落ちた1、2月がベストシーズンとのことなので、その頃にまた撮影に来たいと思いました。
これまで曇りの時の撮影では、どうしても残念な写真が多くなってしまっていました。しかし、撮り方次第では、晴天と同じくらいの見映えの良さを持つ写真が撮影できることを知ることができました。
夜景撮影も全体的に明るめに撮影するオートでは味わえない高コントラストの写真が撮影でき、自分の腕が上がった気がしました。特に人物のシルエットがこれだけ劇的なものになるとは驚きです。
今回の撮影イベントはこれにて終了です。イベントに参加したαユーザーの写真は、α cafeの「みんなの写真作品」で見ることができます。サイトを覗いてみて、こんな写真を撮影してみたい!と思った方は、ぜひイベントに参加してみてはいかがでしょうか。
ソニーストア 直営店舗では、撮影会や相談会など、さまざまなイベントを行っています。また、参加された方の作品は「α cafe」で見ることができますので、ぜひご覧になってみてください。
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