15歳で鮮烈なデビューを飾り、日本の音楽シーンを変えた稀代のシンガー・ソングライター宇多田ヒカル。昨年はデビュー20周年を迎え、約12年ぶりとなる国内ツアー「Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018」も大きな話題となりました。
その映像作品の発売を記念して、ソニーストアではソニーが現在開発中の最新音楽技術で「Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018」を愉しむイベントがスタート。ソニーストア 大阪を皮切りに、全国のソニーストアを巡回します。
今回は、ソニーストア 大阪での模様をレポートします。
※ソニーストア大阪でのイベントは7月12日(金)で終了。9月25日までソニーストア 銀座、札幌、名古屋、福岡天神で巡回開催します。
ソニーストア 大阪を訪れて、まず目を引いたのが店頭に展示されたステージ衣装。これは「Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018」で、本人が実際に着用した貴重なもの。ガラス越しに興味深そうに眺める人たちの姿も見られました。モノトーンを基調にシックでスタイリッシュな雰囲気の衣装は、ソニー製品のデザインにも通じるような洗練さを感じさせ、アイキャッチとして華やかな存在感を放っていました。
また、店内に設置されたBRAVIAにはライブの本編映像が流れ、ここでも熱心に見入っている人たちの姿が。BRAVIAの大画面に映し出されたライブは、会場の熱気がリアルに伝わるほど臨場感に溢れ、迫力満点。さまざまな色に変化するステージライトの光彩も繊細かつ鮮やかに表現され、改めてBRAVIAの高画質に感嘆しました。
続いて、ソニーが現在開発している最新の音響技術を用いた「360 Reality Audio」を体感するためシアタールームへ。宇多田ヒカルの録音エンジニア・小森雅仁氏が新たに手掛けたミックスが、ライブ映像と共に13.1チャンネルのマルチスピーカーで聴くことができます。このデモンストレーションに選ばれた楽曲は、「あなた」と「Play A Love Song」の2曲。音響技術の違いを感じ取るため、まずは最初にステレオ音源での「あなた」を視聴します。
スピーカーからは、湧き起こる会場内の歓声を受け、宇多田ヒカルの艷やかな歌声が流れます。ライブ映像ならではの臨場感と心地よい音質。ステレオ音源でも音の広がりやメリハリが十分感じられ、気持ちよく鑑賞することができました。しかし、この後に体感する「360 Reality Audio」の衝撃的な音楽体験を受けた後だと、ステレオ音源との違いは明確でした。
「360 Reality Audio」では、最初に耳に入る会場のざわめき音から違います。私は最後列の席に座っていましたが、後ろに観客がいるのではないかと思わず振り返ってしまうほど、様々な音が後方からも聞こえてきました。また、目をつぶると音の出どころがわからなくなるほど、全ての方向から音が聴こえ、空中に浮遊しているような、新しい感覚を得ました。
「あなた」では、伸びやかな歌声と、それを支えるピアノやドラムのクリアな音。「Play A Love Song」では、軽快なビートに重なる、弾むようなボーカルに胸を打たれ、臨場感やリアルという言葉では言い足りないほどの「生きている音」を実感することができました。一緒に体験したお客様も、体を揺らしながら歌詞を口ずさんでいて「360 Reality Audio」の世界に没頭している様子が印象的でした。
例えるならば、ステレオ音源に対する自分が「視聴者」なら、「360 Reality Audio」では「観客」なのです。視聴している感覚を忘れ、まるでライブ会場に紛れ込み、空間と一体となって音楽に浸る。そんな贅沢な“仮想体験”を味わうことができました。
そもそも、「360 Reality Audio」とは一体どういった技術なのでしょうか。その点について少し掘り下げてみたいと思います。
2019年に発表された「360 Reality Audio」は、ソニーのオブジェクトベースの「空間音響技術」。コンテンツを制作する際、ボーカルやコーラス、楽器などの音源に、距離や角度といった位置情報を付けることができ、全方位に配置することを可能にしました。その結果、アーティストやクリエイターの創造性・音楽性を反映した、360度すべての方向から音が届く音楽体験を愉しめるようになります。
「360 Reality Audio」は、現時点で日本での導入は未定となっていますが、新たな音楽体験を叶える革新的な技術に、期待は高まります。
「360 Reality Audio」について詳しくはこちら
衝撃的だった「360 Reality Audio」体験の後は、再びフロアへ。PlayStation®VRによるライブコンテンツを視聴します。ヘッドセットを装着し、楽曲を「光」と「誓い」から選択。私は「光」をセレクトしました。タイトルが消えて間もなく、眼の前に広がる景色にびっくり。ライブ会場の中央最前列にいる私の先に、宇多田ヒカルがマイクを持って立っているのです。さらに、曲が進むと手が届く位置まで接近したり、「私のことだけを見ていてよ」という歌詞に乗せてじっと見つめられたりと、終始ドキドキしてしまいました。
「360 Reality Audio」では360度全方位から音を聴く体験をしましたが、今度は映像による視覚体験。上下左右を向いても、広い会場の中にただ1人いる感覚は不思議な気分です。なにより、自分だけのために歌ってくれているような錯覚に陥り、夢のようなひと時を堪能することができました。
宇多田ヒカルの数々の楽曲をハイレゾ音源で試聴できるコーナーもあります。
ハイレゾ音源とは、音楽CDが持つ情報量を大きく上回る高音質な音源のこと。CDやMP3ファイルなどの圧縮音源では含めることができなかった演奏や歌声までも表現することができます。
実を言うと、私は今回が初のハイレゾ体験。これまで聴いてきた音楽との違いがわかるのかと不安に思っていましたが、視聴してすぐに音質の差を実感しました。息づかいまで聞こえてくるクリアなサウンド、楽器一つ一つの個性が際立つリアルな表現、そしてなにより、幅広い声域を持つ宇多田ヒカルの歌声の深みと繊細さを体感することができました。
このような最上の音楽を、ポータブルで愉しめるのはとても魅力的です。様々なジャンルの様々な楽曲を、ハイレゾ音質でもっともっと愉しみたいと強く思いました。
このように、今回のイベントは盛りだくさんの内容で、私自身の音楽に対する概念を変えたと言っても過言ではありません。
宇多田ヒカルが生んだ最高の音楽を、最新の技術で体感できる「Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018」Sony Store Daysで、音楽の新しい扉を開いてみませんか。
※ハイレゾ音源とライブ映像は、9月15日(日)までいつでもソニーストア全店でご視聴いただけます。
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