在宅ワークが定着し、仕事中・リラックスタイムなど音楽で気分を切り替えるようになり、リモート会議などでもイヤホンを活用する機会が増えてきました。ワイヤレスやノイズキャンセリングが当たり前になってきた今、最近のイヤホンはどれくらい進化しているのか気になるところ。せっかくならば、耳へのフィット感や音質に至るまで、自分にぴったりの一台に出会ってみたい。そこで今回はソニーストア 銀座にお邪魔しておすすめのイヤホンをじっくり聴き比べてみました。その様子をレポートします。
フロアに到着すると、ソニーのスピーカーやイヤホンがあちこちにディスプレイされており「さすがソニー直営店!」と気分が高まります。イヤホンのコーナーに向かうと、物腰柔らかな笑顔が印象的なスタイリストが対応してくれました。
「最近のイヤホンにはどんな機能があって、どれくらいすごいのか聴いてみたいのですが……」と相談したところ、1つめに提案されたのは「WF-1000XM4」。低音域から高音域まで幅広い帯域で耳に届くノイズを減らした最高クラスのノイズキャンセリング機能搭載とのこと。高級感漂うケースに収まっていて、ワイヤレスイヤホンの枠に収まらないリッチな雰囲気です。
さっそくスタイリストおすすめのノイズキャンセリング機能をつけると瞬時に賑やかな店内の音が消え、まるでスタジオで一人、音楽を聴いているかのよう。「イヤホンで聴いている」というよりも、「音に包み込まれている」かのような感覚に衝撃を受けました。
その音質に圧倒されている私に「ハイレゾ音源ってご存じですか?」とスタイリスト。「ハイレゾ」といえば、音楽CD等が持つ情報量を大きく上回り、演奏や歌声を、CDでは聴こえなかったディテールやニュアンスまで伝えてくれる高音質音源。「WF-1000XM4」はソニー初となるハイレゾ音質完全ワイヤレスイヤホンだそうです*。
*ハイレゾコンテンツをLDACコーデックで最大転送速度990kbpsで伝送する場合。「Headphones Connect」アプリから操作が必要です
実際にハイレゾ音源を体験してみると、ワイヤレスヘッドホンで聴いているとは思えないほど上質で、まるで音楽ホールで聴いているかのような音声に驚きました。好きなアーティストは、ぜひ「ハイレゾ音源」でよりリアルな音楽を体験したい!
一方で、ハイレゾ音質を体験するには専用の機器や音源の購入が必要なのでは?という疑問も。そこでスタイリストに聞いてみると「WF-1000XM4」は、通常音源もハイレゾ音源レベルで再生できるとのこと。 その仕組みまで、丁寧に教えてくださいました。普段聴いている動画の曲を聴いてみると、いつもの音質から明らかに向上し、歌手の息づかいまで聴こえるかのようです。さらに、「『Headphones Connect』アプリ(Android・iOS対応)を使えば、音質のカスタマイズもできるんですよ」と紹介いただき、試してみることに。低音の迫力を増したり、ボーカルを強くしたり……自分好みの音質に変えられました。
オーディオ上級者のためのものというイメージがあったハイレゾですが、ワイヤレスイヤホンでここまで日常的に楽しめるほど、手軽なものになったのかと驚き。そして、音質が違うとここまで聴き心地が変わるんだと、改めて音の重要性に気づきました。
続いて「よりカジュアルに使用できるモデルなのですが、こちらはいかがでしょうか?」とおすすめされたのは「LinkBuds S」。「WF-1000XM4」よりひと回り小ぶりです。
驚いたのはイヤホンをつけたまま会話ができる「スピーク・トゥ・チャット」機能。音楽を聴いていても声を発すれば自動的に音楽を一時停止し、外音取り込みモードに切り替えてくれます。試しにスタイリストと「こんな感じですか?」「聞こえますか?」と会話をしてみると、イヤホンをつけていないかのようにクリアに声が聞こえて驚き!
「LinkBuds」シリーズは“あえて外音を取り込む”機能を搭載してきたモデルとのこと。「LinkBuds S」では外側マイクの機能が向上し、従来よりも声の取り込みが増え“自分の声”がよりクリアに聞こえるのです。そして外音の取り込みもとても自然。
これならば、例えば音楽を聴きながらレジでお会計をするときや誰かに声をかけられたとき、一瞬ヘッドホンを外すというワンアクションがなくなります。その拍子にワイヤレスヘッドホンを落としてしまわないかヒヤッとしたり、どこにしまったか分からなくなったりと、些細な煩わしさが解消できるのは、かなり嬉しいです! 小さくて軽いのに、気が利いた機能ばかりで惚れ惚れしてしまいました。
個人的に気になったのは、「WF-1000XM4」に標準装着されている「ノイズアイソレーションイヤーピース」。スタイリストによると、ソニー独自に開発されたポリウレタンフォーム素材でできているそう。一般的なイヤーピースに比べて、シリコン特有のゴムっぽさがなく、とても優しく耳に馴染む快適なつけ心地でした。
さらに、「これでイヤーピースの装着状態をテストすれば、より快適なつけ心地になるサイズがわかりますよ」と紹介いただいたのが、「Headphones Connect」というアプリ。Sサイズを両耳にはめてチェックしたところ……なんと、左耳はフィットしているのに右耳は別サイズの提案が表示されてしまいました! 改めて左耳をSサイズ、右耳をMサイズにしたところ、両耳にOKの表示が。
きちんとフィットするイヤーピースは、つけているのも忘れてしまいそうなくらい耳に違和感がありません。しかもイヤーピース単体でも購入可能とのこと! ソニーのワイヤレスイヤホンであれば、どの製品にもつけられるそうです。使っているモデルは「WF-1000XM4」ではないけれど、このイヤーピースは欲しい……というワガママにも応えてくれます。
さらに、スタイリストがイチオシの機能としてオススメしてくれたが、「LinkBuds S」の新機能である「Auto Play」。専用アプリを起動してイヤホンを装着すれば、立つ・歩くなどの動作に合わせて、自動で音楽が再生されるといいます。体験してみると、スマホを操作したりボタンを押したりする必要がないのは、新感覚です。
「海外では、『好きな楽曲を選んでから再生する』という聴き方から、『楽曲の選択は後回し。日常生活に合わせてとりあえず適当に音楽を流す』というスタイルが流行っているんですよ」(スタイリスト)
ワイヤレスイヤホンは、もはや音楽を聴くためだけのものではなく「音楽とともに日常生活でつけたまま過ごすもの」として進化しているんだ、という発見も得られました。
いろいろな音源を聴き比べしているうちに、あっという間に時間が過ぎてしまいました。ここまでじっくり聴き比べられるのは、知識あるスタイリストのいる直営店だからこそ。音楽を聴いている間はそっと距離を取ってくれるので、試聴に集中できてとてもありがたかったです。
音質に感動したのはもちろんのこと、日常生活のあらゆるシーンでストレスフリーに音楽を聴ける楽しさ・便利さの重要性を改めて実感。普段自分はどんな風に音楽を聴いているのかな、と大好きな音楽との付き合いを振り返るきっかけにもなる体験でした。