『AROMASTIC』は、ソニーとしては初の挑戦となるパーソナルアロマディフューザー。手のひらに収まる筒状の装置に心地よい香りを封じ込めた、“持ち運べるアロマ”です。どうしてこのような製品がソニーから生まれたのかを、開発を主導した2人の担当者に聞きました。また、その香りづくりに多大な協力をいただいたアロマのプロフェッショナル「ニールズヤード レメディーズ」の日本アロマ環境協会(AEAJ)認定アロマセラピストの鎮西さんにも、その可能性、面白さを語っていただきます。
まずは『AROMASTIC』という製品がどういうものなのかを説明していただけますか?
ソニー株式会社
Startup Acceleration部
OE Project プロダクトマネジャー
藤田修二
ソニー株式会社
Startup Acceleration部
OE Project
寒川恒俊
藤田:簡潔にまとめると、「嗅覚を利用して人間の本能を揺さぶることを目的としたプロダクト」です。我々は「パーソナルアロマディフューザー」と呼んでいます。これまでの「アロマディフューザー」は、お部屋に置いて、“空間”に香りを漂わせるものでしたが、『AROMASTIC』では、香りを外に持ち出せるようにし、 “個人”で楽しめるようにしています。
寒川:使い方はとても簡単です。まず本体に別売のカートリッジを挿入していただき、鼻に向けてボタンを押していただくだけ。それだけで、お好みの香りを外でも楽しんでいただくことができます。ここで重要なのは、香りを感じられるのが自分だけということ。パーソナルスペースの外に香りが漏れることがないので、オフィスのデスクや図書館などの公共スペースなどでも、周りに迷惑をかけることなくお使いいただけます。
なお、カートリッジには複数の香りが封入されており、ダイヤルを回すことで手軽に香りを切り替えることが可能です。そうした手軽さも『AROMASTIC』の売りの1つと言えますね。従来のアロマディフューザーでは、香りを切り替える際に本体の清掃が必要になっていましたから。
ソニー株式会社
Startup Acceleration部
OE Project
寒川恒俊
技術的にはどういったことをやっているのですか?
藤田:香りの拡がる範囲を、ごく狭い範囲に限定させるため、噴出する精油(香料)の量をごくごく少量にしています。その少ない精油をいかに、範囲を絞って、効果的に香らせるかが技術的なチャレンジとなりました。
AROMASTIC
もう少し詳しく教えてください。
AROMASTIC
藤田:本体内に装着したカートリッジには、精油が含まれており、それをごく少量の風で飛ばすということをやっています。この際、役立ったのが、「マイクロ流路技術」。この技術は例えばソニーでは業務用に開発・販売しているフローサイトメーターという医療用分析装置の細胞分取チップに使われています。フローサイトメーターでは、たとえば血液中の細胞などをこのチップ内の管を使って振り分けるということをやっているのですが、『AROMASTIC』ではこの管に香りの成分を塗りつけて、そこに空気を通して、香り付きの風(ドライエア)を作り出すということをやっています。これによって、ミスト状にしたアロマを噴霧するよりも、より狭い範囲だけに香りを吹き付けることを可能にしました。
ちなみにマイクロ流路技術は、ソニーが得意とする光ディスクの製造技術にも関わるもの。ソニーならではの技術の1つと言えるでしょう。
寒川:少量の空気に香りをまとわせるのって、とても難しいんです。マイクロ流路を使うというのは藤田のアイデアなのですが、実際に試してみて、ここまで濃い香りがつくのかと驚かされました。
なるほど。コンセプトだけでなく、技術的にもソニーならではの部分があるのですね。
AROMASTICの利用イメージ
藤田:そうなんです。ほかにも、本体の可動部分など、多くの場所にソニーの技術やノウハウが活かされています。たとえばカートリッジを取り出すときの仕組みは、なんと、SDメモリーカードスロットの仕組みを応用しているんですよ(笑)。
それは面白いですね。では、技術的にもそう簡単には真似できないものになっているのですか?
藤田:必ずしも真似できないものではないと思います。ただ、何もないところから作れと言われたら、なかなか難しいと思います。『AROMASTIC』の価値は、技術を応用することで、これまで誰もやってこなかったことを実現したこと。
『AROMASTIC』 にいいね
さて、『AROMASTIC』では、アロマの商品化において、世界的なブランドである「ニールズヤード レメディーズ(以下、ニールズヤード)」とのコラボレーションを行っていますね。
藤田:ニールズヤードさんには、今回、『AROMASTIC』に装着するアロマカートリッジの商品企画にご協力いただきました。我々はハードウェアを作ることはできますが、香りの専門家ではなかったので、当初からプロフェッショナルの力を借りようと決めていたのです。
ニールズヤードをご存じでない方のために、その概要を教えていただけますか?
ニールズヤード レメディーズ
HOLISTIC SCHOOL講師
日本アロマ環境協会認定アロマセラピスト
鎮西美枝子
鎮西:ニールズヤード レメディーズ(Neal’s Yard Remedies)は、1981年、ロンドン中心部のコヴェントガーデンにオープンした英国初の自然薬局店が発祥。美容と健康をトータルにサポートするエッセンシャルオイル(精油)やナチュラルコスメを取り扱い、今では世界中に店舗を構えるまでに成長しました。日本にも約35年前に上陸し、現在は日本全国に30店舗を構えています。
私は、ニールズヤードが1996年に東京・表参道に開講したスクール(HOLISTIC SCHOOL)の講師です。初心者の方にアロマテラピーの基礎を楽しく学んでいただく講座や、香りのプロやアロマセラピストとしてビジネスにつなげたい方のための講座、また卒業生に向けたサポートなどを行っています。
アロマを学ぶのはどういった方なのでしょうか?
鎮西:私は、世界の中でも大きな協会の一つに成長した日本アロマ環境協会(AEAJ)にも所属しているのですが、アロマを学ぶ方はほんとうにさまざま。ニールズヤード従業員のようにそれ自体を仕事にする方もいれば、医療関係者や接客業者など、今、やっている仕事に香りの力を役立てようという方もいらっしゃいます。もちろん、純粋に自分の生活の質を高めたいからアロマを学んでいるという方もいらっしゃいますよ。
ニールズヤードのお客さまはやはり女性が多いんですか?
鎮西:そうですね。現在は30〜60歳の女性が中心です。ただ、最近は男性も増えてきていますね。特に『AROMASTIC』をきっかけにアロマの世界にハマったという方も多いです。世の中はすでに「アロマを知る」という段階から、「アロマを活かす」段階に入っています。今後は、医療の現場や、高齢者向けサービスなどで、これまで以上にアロマが活躍していくと考えています。
藤田:ちなみに『AROMASTIC』のユーザーは男女半々。特に30〜50代の男性ユーザーが多いです。市場の傾向を考えると、かなりユニークですよね。これは、『AROMASTIC』がコスメ用品というより、ビジネスギア的に捉えられているからかもしれません。中には禁煙しているときに使っていると言う方もいらっしゃるんですよ。
『AROMASTIC』の開発に際し、ニールズヤードをパートナーに選ばれた理由を教えてください。
藤田:『AROMASTIC』の開発に際し、いろいろなお店をめぐってみたのですが、中でもとりわけ、ニールズヤードさんのお店が心地よかったんです。すべてにおいて丁寧な感じがしたというか、とにかく素敵でした。
ただ、協力をお願いするにも、まったくつながりはありませんでしたから、最初はお客様相談室に電話をかけて取り次いでいただくということをしまして……。最初は、「え? あの家電のソニーさんですか? 何かお間違いになっていませんか?」なんて驚かれてしまいました(笑)。
私が窓口のオペレーターでも同じように聞き返したと思います(笑)。
藤田:そうしたやり取りを経て、実際にオフィスにお伺いさせていただいたところ、なんと、そこにニールズヤード レメディーズの梶原社長がいらっしゃって……『AROMASTIC』の試作機をお見せしたところ、すぐに協力をご快諾いただけました。そこからはニールズヤードの運営するスクールで講師をしておられる鎮西先生ら、現場のプロフェッショナルのお力をお借りでき、本当にスムーズに進んでいきました。
鎮西先生は、初めて『AROMASTIC』をご覧になったとき、どのように感じられましたか? こういう製品は過去にあったのでしょうか?
鎮西:私どもも、『アロマパルス』という、ポケットサイズの塗るアロマグッズを出していましたし、ティッシュやハンカチなどに精油を染みこませて香りを持ち歩くという文化はそれまでにも存在していました。
ただ、そうした香りはふわっと拡がってしまうんですね。ですから、決してパーソナルなものではありませんでした。良く言えば、すれ違いざまに良い香りが漂うということなのですが、場所によってはそれが相応しくないということもありますよね。『AROMASTIC』のような、そうした場所でも使える、本当の意味でパーソナルな製品はそれまで存在しなかったと思います。
ニールズヤードから見ても『AROMASTIC』は新しい製品だったということですね。
鎮西:はい、とても面白い、素晴らしいアイデアだと思いました。新しい香りの世界を拡げてくれそうだという期待をしています。
その後、具体的にニールズヤードがどのように製品開発に携わったのかも教えてください。
藤田:本体と合わせて使うパーソナルアロマカートリッジの香りの選定にご協力いただきました。「ビジネスマン向け」「女性向け」「リラックスしたい人向け」などといったざっくりとしたコンセプトをお伝えし、それに対して、適切な精油をセレクトしたり、そのならび順を決めていただいたりしました。また、期間限定で販売されるコラボカートリッジの開発などにもご協力いただいています。
鎮西:精油にはそれぞれ異なるイメージと働きがあるので、そういった部分をアドバイスさせていただきました。ならび順に関しては、例えば朝起きてから、夜寝るまでの流れで香りをならべていくように、似たような成分の香りが続かないよう、メリハリを付けるなどといった工夫をしています。
パーソナルアロマカートリッジにはどういったものがあるのですか?
藤田:現在は、通常ラインナップとして「for Basic」「for Beauty」「for Business」「for Freshness」「for Study」「for Relax」の6種類を用意しています。
鎮西:中でもとりわけ人気があるのは「for Business」ですね。朝にかぐと頭がスッキリするローズマリーや、やる気を引き出してくれるカーミング、気持ちを活性化させてくれるジャスミン、就寝前に嗅ぐことで眠りを深くし、その人の疲れを癒してくれるラベンダーなど、効能の異なる5つの香りを切り替えて使うことができます。
パーソナルアロマカートリッジの
通常ラインナップ
女性にとっては「for Beauty」なども気になるところではないでしょうか。
鎮西:「for Beauty」は女性のために作ったカートリッジ。ニールズヤードがブレンドした「ウーマンズバランス」には、女性にとって大切な周期を整えたり、女性特有の気持ちの落ち込みを和らげる効能があります。「フランキンセンス」はメディテーション(瞑想)などにも使っていただける深い香り、フランキンセンスが配合されているコスメでのスキンケアはアンチエイジングの効果があるというのはアロマ好きな方の間では有名な話ですね。そして、何よりすごいのが「ローズオットー」が入っていること。アロマの世界ではもっとも希少な精油の1つと言われており、なんと同じ分量のプラチナよりも高価なんですよ。
藤田:『AROMASTIC』は、その構造上、一度に使う精油の量が極めて少ないため、こうした高価な精油も使うことができるんです。
それはうれしいですね! ……ところで、あらかじめ用意された香りではなく、自分の好きな、普段使っている精油の香りを持ち歩くということはできないのですか?
藤田:はい、実は、そうした要望は『AROMASTIC』をリリースした直後からいただいており、先日、ついに『AROMASTIC Custom Cartridge』というかたちで実現することができました。
自分の香りを作れる
『AROMASTIC Custom Cartridge』
これは、どのようにして使うのですか?
藤田:付属の専用トレイにお好きな精油を数的垂らして、15分待つだけです。精油がトレイ中央に組み込まれたカートリッジに充分染みこんだら、それを引き抜き、『AROMASTIC』に装着して使えるようになります。
簡単ですね!
『AROMASTIC Custom Cartridge』と
カスタマイズに使用するニールズヤードの精油
藤田:はい。実は初期のアイデアでは注射器を使ってカートリッジに精油を染みこませるというものもあったのですが、ユーザーテストを繰り返すとそれでは難しいことがわかりました。それで、精油を自宅で使っているのと同じように、「(ポットやストーンなどに)垂らす」だけで使えるようにすれば誰もが悩まずにつかえるだろうと考え、今回のようなかたちにまとまりました。何度も試行錯誤を繰り返し、一度は断念しかけたりもしたのですが、これを担当したメカ設計者のひらめきと高い技術力によって何とか実現。ぜひ、お試しいただきたいですね。
ちなみに、『AROMASTIC Custom Cartridge』では、専用トレイのAとBに垂らした2つの香りを切り替えて使えるのですが、これはカセットテープのA面とB面をイメージしていたりもします(笑)。
鎮西:『AROMASTIC Custom Cartridge』はニールズヤードのイベントなどでも紹介させていただいているのですが、とても反響が大きいですね。自分の香りを作るというのは、個人でできる極めて芸術的な創作活動なんですよ。
やはり、ニールズヤードにいらっしゃるお客さまには、“自分の香り”を持っている人が多いんですか?
鎮西:そうですね。精油にはたくさんの種類がありますし、さらにそれをブレンドして、より自分好みの香りにすることもできます。今回、『AROMASTIC Custom Cartridge』で、そうしたオリジナルの香りを持ち歩けるようになったのはとてもうれしいことだと思っています。なお、それとは少し異なるのですが、とある医療機関のお客さまの中には、患者さんをリラックスさせるためにラベンダーの香りを多用するため、無駄が多くなってしまうという方がいらっしゃいました。しかし、『AROMASTIC Custom Cartridge』の登場で、ラベンダーだけのカートリッジを作ることができるようになり、経済的になったと喜ばれています。
ニールズヤードのプロフェッショナルも驚いた『AROMASTIC』の新しさ、楽しさ にいいね
藤田さんは、さきほど『AROMASTIC』を“ソニーらしい”製品とおっしゃいましたが、多くの読者は、なぜアロマ製品がソニーから登場したのか気になっていると思います。その辺りについて、もう少し詳しく教えていただけませんか?
藤田:私は元々はソニーの研究開発部門に所属しており、専門分野はケミストリー(化学)とバイオロジー(生物学)となります。研究所では、10年、20年先を見越した研究開発を期待されており、それがソニーというクリエイティブ・エンタテインメント・カンパニーを支えているという自負があるのですが、それを実現するのはとても大変です。ソニーらしい、ワクワクする製品を生み出すにはどうすれば良いのか、組織の奥の方にいればいるほど考え込んでしまいます。
そんなある日、これまでのソニー製品は、人間の五感のうち、視覚(=映像)と聴覚(=音楽・音声)、そして触覚(=製品の質感)を満足させることについてはしっかり取り組んできていたものの、残された2つのうちの1つである嗅覚については、ほとんど手つかずであることに気がつきました。また、嗅覚を扱うにはケミストリーの知見が必要となるのですが、近年勢いのあるIT企業は、その点が弱く、我々に大きなアドバンテージがあります。それが、ソニーとして嗅覚を刺激するプロダクトをやってみようと考えた理由の1つです。
さらにもう1つ、大きな原動力となったのが、嗅覚が、視覚・聴覚と異なり、人間の本能を直接刺激できる感覚器官であったこと。人間の脳には、大脳辺縁系という、喜怒哀楽や記憶、免疫機能を司る部分があるのですが、嗅覚はそこに直接刺激を送ることができるんです。我々は、ここに新しい可能性があるのではないかと考えました。
その気付きから『AROMASTIC』が生まれたのですね。
藤田:いえ……実は最初に思い付いたのは『AROMASTIC』ではありませんでした。寒川らと嗅覚を刺激するプロダクトについて取り組み始めた当時、まずやってみたのは、匂いをバーチャルリアリティーに活用するということでした。当時、ソニーがリリースしていたヘッドマウントディスプレイ『HMZ-T1』の3D映像体験を、嗅覚をジャックすることで、よりイマーシブ(没入)なものにできるのではないかと考えたのです。
それはそれで面白そうです。
藤田:はい、これにも可能性を感じました。ヘッドマウントディスプレイで映画を観ている人に、そのシーンに関連したにおいを嗅がせると明らかに没入感が増すんです。当時はまだ実験段階だったので、森のシーンで腐葉土の臭いを嗅がせたり、古い建物のシーンで図書館で一番古そうな本を持ってきてパラパラめくったりという原始的なやり方だったのですが、それでもかなり好評でした。京都の映像を見せながらお香を焚くと、本当に京都に行きたくなったりするんですよ(笑)。
とは言え、それを実際に製品に落とし込もうとすると、ハードからコンテンツまですべて考えねばならず、研究者がやるには複雑すぎ、規模的に現実的ではありません。また、私がその後、海外に留学することになったため、一旦、そのプロジェクトは断念することになってしまいました。
一度、諦めてしまった、と。
藤田:そうなんです。ただ、留学先での体験が最終的には『AROMASTIC』の開発につながっていくことになるんです。
え? どういうことなんですか?
藤田:留学先の大学で、学生から「最近のソニーは何を作っているのか」と聞かれて、今はスマートフォンのカメラに使われているイメージセンサーが好評だと返したのですが、思ったほど驚いてくれません。皆がソニーに期待しているのは具体的な製品のようでした。それで、ワクワクや感動は、技術ではなく、製品として認識されているんだと強く意識しました。
そして、そんな思いで帰国したところ、ちょうど、社内で新規事業を募集する「Seed Acceleration Program(SAP)」の募集が始まっていて、再び、寒川らに声をかけて、諦めていた嗅覚を刺激するプロダクトの開発を再開しました。
SAPからは、電子ペーパーを利用した多機能リモコン『HUIS』や、既存の腕時計をスマートウォッチ化できる『wena wrist』など、画期的な製品が多数生まれて話題になっていましたね。
藤田:そうなんです。これに選ばれれば、研究者でも直接製品作りに関わることができますから、チャンスだと思いました。時が来たぞ、と。
そこでいよいよ『AROMASTIC』を思い付かれるのですね。
藤田:バーチャルリアリティーのアイデアは断念してたので、それ以外にどういうことができるか、ずっと考えていたのですが、あるとき、ふと、アロマテラピーで使われている香りが、単体のコンテンツとして成立していることに気がつきました。アロマをやられている方には当たり前のことなのでしょうが、当時の私にとっては、それがとても新鮮な発見で……。それでアイデアが一気にシンプルになりました。
そして、その気付きを図書館で煮詰めていたとき、ふと、こういう場所でアロマを楽しめるようなパーソナルなアイテムがほしいと思いました。自分だけの香りを、スマホみたいに、気軽にパッと体験できるものにはニーズがあるのではないかと気がついたんです。
藤田:はい、このアイデアで、SAP(Seed Acceleration Program)と呼ばれる、社内の新規事業オーディションに応募。幸いにもこれを突破することができ、2015年の夏からプロジェクトがスタートしました。同年末にはクラウドファンディングでお客さまの反応も確認。981人もの皆さまのご支援を集めることができ、2016年10月に、無事『AROMASTIC』を発売することができました。
なお、留学時の体験が『AROMASTIC』の開発に役立ったことはもう1つあって、実は、留学先の大学でお世話になった教授が、『AROMASTIC』で使っている「マイクロ流路」技術の世界的な大家だったんです。これは本当に偶然だったんですが、そこで学んだことも、製品作りに大いに役立っています。
なんだか運命的なものを感じてしまいますね。
藤田:本当にそうですね。
これまで手つかずだった“嗅覚”に新しい可能性を感じた にいいね
最後に読者に向けてメッセージをいただけますか?
寒川:私は普段、就寝前に、寝っ転がりながら『AROMASTIC』で気持ちを落ち着かせる香りを嗅いで眠りにつくようにしています。でも、これを従来のアロマディフューザーでやろうとすると、準備に手間がかかり、それだけで目が冴えてしまいます。この点だけでも『AROMASTIC』のメリットはとても大きいと感じました。手軽に生活の質を上げられるアイテムとして、愛用していただけたらうれしいです。
なにより、ニールズヤードさんのエッセンシャルオイルなど素晴らしい香りを楽しめる点も、『AROMASTIC』の大きな魅力です。
藤田:好きな香りを手軽に持ち歩け、しかもシーンに合わせて切り替えて使えるというものはこれまで存在しませんでした。香りというものは、見ても聞いても分かりません。百聞は一嗅ぎにしかず。ソニーストアとニールズヤードの一部店舗で『AROMASTIC』を体験できるブースを用意していますので、まずはそこで体験してみていただきたいですね。自分の好きな香りを入れられるカスタムカートリッジも、ぜひお試しいただきたいです。
鎮西:今は、健康をとても大事にする時代。中でも五感を使ったセルフケアがとても注目を集めています。そして、それらの中でも嗅覚はとりわけ特別な存在。香りには、人を“旅”に連れて行ってくれる力があります。日々の暮らしに忙しく、実際に旅行にでかける余裕がないという人も、素敵な香りを嗅ぐだけで、リラックスしたり、リフレッシュしたりできるのです。『AROMASTIC』はそれをいつでもどこでも楽しめるようにしてくれるアイテム。これを知らないというのはちょっと損かも知れませんよ?
取材協力
表参道本店
表参道本店
ニールズヤード レメディーズ
ニールズヤード レメディーズ(Neal’s Yard Remedies)は、1981年、ロンドン中心部のコヴェントガーデンにオープンした英国初の自然薬局店が発祥。美容と健康をトータルにサポートするエッセンシャルオイル(精油)やナチュラルコスメを取り扱い、今では世界中に店舗を拡大しています。日本にも約35年前に上陸。現在は日本全国に30店舗を構えています。1996年には東京・表参道にアロマテラピーの基礎を学べるスクール(HOLISTIC SCHOOL)も開設。正しい知識と技術の普及にも尽力しています。
百聞は一嗅ぎにしかず『AROMASTIC』を実際に使ってワクワクしてほしい にいいね
オリジナルのAROMASTICカートリッジ作り
&アロマ講座
下記のソニーストア2店舗において、ニールズヤード レメディーズの精油約60種からお好きな香りを2種類選んで、オリジナルのAROMASTICのカートリッジをお作りいただけるイベントを開催いたします。
アロマ初心者の方をはじめ、どなたでも様々な香りに触れて楽しんでください。
イベントご参加のお客様には AROMASTIC ヒノキスタンドプレゼントいたします。
※イベントにはAROMASTIC本体及びカスタムカートリッジをお持ちいただくかご購入いただく必要があります。
※ご購入はイベント当日、ソニーストア 銀座店頭でも承ります。ご購入手続きにお時間がかかる場合がありますので、当日ご購入希望の場合は、イベント開始30分前までにご来店ください。
ソニーストア札幌:2019年3月2日(土)
(1)13:00〜14:00
(2)15:00〜16:00
イベント情報はこちら
ソニーストア銀座:2019年3月9日(土)
(1)13:00〜14:00
(2)15:00〜16:00
イベント情報はこちら