商品情報・ストア Feature Playing Time vol.01 細井美裕

Playing Time | vol.01 |
Chapter 3

細井美裕
サウンドアーティスト

サウンドアーティストの細井美裕さんを
迎えた「Playing Time」も第3章。
細井さんが作品をつくるうえで
大切にしてきたことや、いまの課題、
これから取り組んでいきたい活動などに
ついて聞くことができました。
そして今回は、最新の機能を備えた
スピーカーとヘッドセットを使用。
自分らしい使い方で、楽しさも広がります。

自分の声を多重録音したサウンド作品をつくり続け、これまでに山口情報芸術センター[YCAM]やNTTインターコミュニケーション・センター[ICC]など、さまざまな施設・場所で発表。2020年、文化庁メディア芸術祭にてアート部門新人賞を受賞。近年は、音を再生する平面的な作品など、オブジェクトとして完成させる作品も手がけ、2023年夏に長野県立美術館で新作を発表する予定。

「 デジタル技術を使って、
自分を拡張している 」

― 細井さんの作品には、サラウンド関連の先進のデジタル技術が使われていますが、その起点となっているのは、常に自分の生身の声。そうした作品を聴いていると、人間の声の魅力にあらためて気づくようです。

「最初にも話しましたが、私はもともと合唱部に所属していて、あの大人数による歌唱というのは、言ってみれば“スーパー・マルチチャンネル”。いまこうして生きている世界も、いろんなところから音が聴こえてきて、“無限チャンネル”と言っていいくらいですよね。マルチチャンネルを使ったサラウンド音響の作品のほうがつくりやすいのは、そもそも自分がそういう音の世界にいるから。左右2つのスピーカーで再生されるステレオだけで表現するのは、私にとっては難しいことなんです。自分が思い描く音の空間や、さらに想像をプラスした表現をするためには、アナログな手法だけでは限界があるので、デジタルの技術を使っているという感覚。私の体だけではできないことをコンピューターがやってくれていて、自分を拡張しているようなイメージです」

「 その場所の魅力に気づく
“仕掛け”になればいい 」

― 曲が再生される場所や環境に対しては、どのような向き合い方を心がけているでしょうか?

「実際に、作品の展示を依頼されるときには、あらかじめ場所が決まっていて、まずはそこがどういう場所なのかを詳しく知らないと、前に進めないことが多いですね。その場所ごとに、自我のようなものがあるというか。そうした環境としての固有の特徴を踏まえて、再生する曲においても、視覚的な演出においても、リスペクトを払うべきだと思っています。私の曲が再生されることで、その場所のいつもは気づかない魅力に気づく、といった“仕掛け”になればいいなと。ただその一方で、場所が決まらないと制作や発表ができない、というのも悔しいので(笑)。ここ数年でやっと、オブジェクトとして完成させて、移動ができる作品もつくり始めました。自分にとっては、それも大きな挑戦になっています」

「 時間をかけて考えていく
インスタレーションを 」

― 細井さんにとって、今後とくに力を入れていきたい作品や活動とはどのようなものでしょうか?

「自分がいまいちばんやりたいと、やらなくてはいけないと思っているのは、音を使った空間的なインスタレーションの作品をつくること。曲をつくる場合は、そのときに抱えているフラストレーションが糧になったり、楽しくて瞬発的につくっているようなところがあるけれど、インスタレーションに関してはもっと先を見据えて、時間をかけて考えていく必要があります。3カ月とかではなくて、3年くらいかけて考えながら、たとえ自分の中で目指すところが完全に定まっていなくても、途中段階の表現としてでも発表していきたい。私自身、自分がまだ考えられていないことを、考えさせられるような作品が好きなので。それを見るために足を運んで、時間を使ってくれた人が、なにかに気づいてくれるようなインスタレーションを実現したいですね」


スピーカー「SRS-RA5000」、
ヘッドセット「WH-1000XM5」で
“いい音”と思いのままにつながる。
スピーカー「SRS-RA5000」、
ヘッドセット「WH-1000XM5」で
“いい音”と思いのままにつながる。
音源や空間によって、
聴き方を選べるという楽しさ

「全方位型のこのスピーカーで『360 Reality Audio』を試してみて、アコースティックな曲、生演奏の楽器の音がめちゃくちゃよかったです。小編成のジャズなど、自分がいまいる空間の広さと近い場所で収録された音源はとくに、リアルに感じられてすごくいい。ボーカルの入った曲は、コーラスの位置がしっかり分かれて聴こえるのが面白くて。低音もしっかり出てパワーがあるので、ある程度広い空間でもこれ1台あれば、大勢で楽しめそうです。

いろいろな音源を聴いてみると、『イマーシブオーディオエンハンスメント』をオンにすることで印象が大きく変わる曲もあって。たとえば、プログラムで生成された音源はとくに、高音域の音が飛んでくるようで、ステレオで聴くのとはまた違う広がりがあって驚きました。信号のような音を含む曲が、こうしたスピーカーのエフェクトを通じて、どういう変化が生まれるのか。電子音の可能性について考えてみたくなります。また、そうしたエフェクトをオフにしたモードで聴いても、気持ちのいいスピーカーでした。曲を再生する空間によっても、求めたい音は異なるので、音源とさまざまな向き合い方ができるのはいいですね。

スマートフォンからストリーミング再生している音にも違和感がなくて、圧倒的に手軽さのメリットが勝るという印象で。『360 Reality Audio』だけでなく、『イマーシブオーディオエンハンスメント』をオンにしても、オフにしても楽しめて、自分で聴き方を選べるのが、このスピーカーの大きな魅力だと思う。音源によって聴き方を変えられるという“環境”から、新しい発見も生まれてくる気がします。私にとっては、空間をどう使うか、どんな音をどこに配置するか、といったことを考えるきっかけにもなりそうです」

ノイキャンで移動時も快適に、
カスタムも自在にできる

「このヘッドセットは、ノイズキャンセリングのクオリティがすごい。街なかでも家でも、6時間くらい通しで使ってみたのですが、ワイヤレスでも途切れなく安定していました。外した瞬間に、周りがこんなにうるさかったんだ!と驚きますね(笑)。私は雑音が聴こえすぎると疲れてしまうので、ヘッドホンを耳栓がわりに着けることも多くて。今回も、曲は聴かず、ノイズキャンセリングをオンにしただけで使ったりしていました。飛行機や新幹線での移動時も騒音がつらいので、そういう使い方ができるとかなり楽です。オンラインのミーティングでも2時間くらい使ってみたのですが、余計な音が入ってこないので、やっぱり疲れない。イヤーパッドやヘッドバンドも適度なソフトさで、着け心地がよかったです。『スピーク・トゥ・チャット』*の機能も、コンビニで買い物をしたり、タクシーに乗っているときなどにすごく便利。内蔵されている機能やアプリを設定しながら、自分が使いやすいように、どんどんカスタムしていけるところが、なにより魅力的だと思いました。普段のファッションに合わせやすいカラーやデザインも好きです」

*ヘッドセットを装着したまま誰かに話しかけると、再生中の音楽が止まるとともに、相手の声が聞き取りやすくなる

Chapter 1 
細井さんの原点と音づくりへの思い >

※ Chapter 1では、ウォークマン「NW-ZX707」
+ ヘッドホン「IER-M7」の
組み合わせも使用していただきます


ワイヤレススピーカー
SRS-RA5000
部屋が音に包み込まれ、上質な空間へ。6.1chのスピーカーシステムが、臨場感豊かで広がりのある音場を実現
ワイヤレスノイズキャンセリングステレオヘッドセット
WH-1000XM5
「新世代」の静けさで 音楽は深化する。
業界最高クラスノイキャン(*1)に、ハイレゾ高音質(*2)
*1 ヘッドバンド型ノイズキャンセリングヘッドホン市場において、2022年1月1日時点。ソニー調べ、電子情報技術産業協会(JEITA)基準に則る
*2 ハイレゾコンテンツをLDACコーデックで最大転送速度990kbpsで伝送する場合。「Headphones Connect」アプリから操作が必要です

PROFILE

細井美裕(ほそい みゆ) 1993年生まれ。サウンドアーティスト。慶應義塾大学卒業。自身の声を多重録音し、マルチチャンネル音響を用いたサウンドやインスタレーションなどの作品をつくり続ける。2019年に、22.2chの音響フォーマットで制作した「Lenna」を含む、自身初のアルバム『Orb』をリリース。山口情報芸術センター[YCAM]、NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]、日本科学未来館、東京芸術劇場コンサートホール、羽田空港、愛知県芸術劇場などで作品を発表してきた。「Lenna」のインスタレーションにより、第23回文化庁メディア芸術祭にてアート部門新人賞を受賞。

細井美裕 オフィシャルサイト
https://miyuhosoi.com/ 別ウィンドウで開きます

Edit by EATer /
Photography by Kiyotaka Hatanaka /
Design by BROWN:DESIGN