4K液晶テレビ BRAVIA 9(XR90シリーズ)
高画質テレビの新たな選択肢として、今、注目を集めているMini LEDテレビ。その魅力がどこにあるのかをこれからのライフスタイルを提案するオンラインメディア「GetNavi web」編集部が解説。圧倒的な映像美と包み込まれるようなサウンドを満喫したいこだわり派だけでなく、ふだん使いを重視するファミリー層にも適した選択肢であることを、ソニーのフラッグシップMini LEDテレビ「BRAVIA 9」の開発者を交えて紹介します。
Index
「Mini LEDテレビ」が
テレビをさらなる高みへ
明るいリビングでも映画の
繊細な表現を満喫できる。
コンテンツの多様化・高品質化と絡み合うように進化してきたテレビ。特にこの20年の進化はめざましく、さまざまな新技術が画質と音質を大きく底上げしてきた。中でも今、自宅でも劇場そのままのクオリティで映画を楽しみたいという人に試してもらいたいのがクリエイターの思いをそのまま再現できる色再現性と、液晶テレビならではの高輝度で置き場所を選ばずカジュアルに使える利便性を兼ね備えたMini LEDテレビだ。太陽光の差し込む明るいリビングでも映り込みを気にすることなく、空気感をも感じさせる繊細なサウンド体験と合わせ、土曜の昼下がりから夜中まで、とことん映画三昧できる。
GetNavi webも太鼓判を押すMini LEDテレビとは?
「ソニー」の総合力で美しさを引き出す
明るさ、発色、省電力。
Mini LEDテレビの魅力を技術とノウハウで引き出す。
ソニーから発売された最新のMini LEDテレビ「BRAVIA 9」では、独自のバックライト制御技術「XR バックライト マスタードライブ」など、ソニーが誇る技術とノウハウをフル活用。Mini LEDバックライトのポテンシャルを十分に引き出し、まばゆいほどの明るさと繊細な色表現を両立させることに成功した。効率的なバックライト制御は消費電力の低減にも貢献している。
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プロジェクト
リーダー
吉田 「BRAVIA 9」ではLEDが効率良く発光できる部分だけを使うような特殊な制御を追加しているほか、電源周りを効率化することで、従来モデルと比べて劇的に明るくなったにもかかわらず、消費電力は同じかそれ以下にまで抑えることができています。
開発チームの枠を超えて生まれた
新開発超小型LEDドライバーIC
さらに、「BRAVIA 9」では、映像に合わせてバックライトの発光を細かく、俊敏に制御するなど、高画質化を支えるゴマ粒大の超小型LEDドライバーICをグループ内の半導体メーカーであるソニーセミコンダクタソリューションズと共同開発したほか、映像制作現場の定番として、プロから高い信頼を得ているマスターモニターの画質を取り込むなど、「ソニー」の総合力を駆使して高画質化を追求した。
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画質設計担当
秋山 通常こうしたドライバーICはさまざまな製品での利用を想定した汎用品を使うのですが、それゆえに使わない機能が多く含まれてしまいます。一方、この超小型ドライバーICは余計な機能をカットして「BRAVIA 9」が必要とする機能のみを搭載することで、ゴマ粒のような超小型を実現することができました。
ソニーの総合力が引き出すMini LEDテレビの美しさ
“上”からの音が高める劇場級の臨場感
“ビーム”の力で劇場を感じさせる
広大なサラウンド空間を生成。
これまでも空間を感じられる劇場クオリティのサウンドを追求し続けてきたブラビア。その最新モデルとなる「BRAVIA 9」では音を壁と天井に反射させて上方向からの音をリアルに再現する「ビームトゥイーター」を新搭載。テレビ単体でも、包み込まれるようなサラウンド体験を実現した。
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音質設計担当
山岡 昨今の映画タイトルは、上方からの音で臨場感を高めたものが多いのですが、「BRAVIA 9」であれば、テレビ単体でも頭上をまわる飛行物や雨の音などを、コンテンツクリエイターの意図通りに感じられます。
映画にとって大切な“セリフ”を
AIにより高精度に抽出
ダイアログ(セリフ)は映画にとってなにより大切な音のひとつ。それだけに、人の声を美しく再現できる音響設計は映画を楽しむ上で極めて重要だ。画面に表示されている人の口から声が発せられているような定位感や、クリアで聞き取りやすい声が、映画の音体験をダイレクトに向上させる。
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音質設計担当
山岡 「BRAVIA 9」では、音響設計向上による声の聞き取りやすさの改善に加え、新機能として人の声を大きく聞き取りやすくしてくれる「ボイスズーム 3」を搭載しました。AIを使って高精度に人の声だけを抽出し、映画の視聴体験を損なうことなく、セリフを聞き取りやすくしてくれます。
Mini LEDテレビ「BRAVIA 9」は音が上から降ってくる!
Interview
映画ファンを中心に高画質志向ユーザーの期待を集めるMini LEDテレビ。
ここではGetNavi web編集部と共に、
ブラビア登場以来約20年のテレビ史を振り返りながら、
Mini LEDテレビとはなんなのか、なぜ今、求められているのかを明らかにする。
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GetNavi web
URL:https://getnavi.jp
老若男女幅広い層から支持を集める「モノ・コト・暮らし」の深掘りレビュー&ニュースサイト。テレビなどのデジタル製品から生活家電、ガジェット、カルチャー、グルメなど、「いま知っておきたい」注目情報をピックアップして分かりやすく紹介する。
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商品企画担当
長谷川 -
プロジェクト
リーダー
吉田 -
画質設計担当
秋山 -
音質設計担当
山岡
GetNavi web編集部と振り返る
テレビの歴史
テレビ進化の最先端として話題の「Mini LEDテレビ」ですが、ここではまず、ブラビア登場以降の約20年間、テレビがどのように、どれくらい進化してきたのかをGetNavi web編集部の玉造副編集長に伺います。GetNavi webではこの20年のテレビの進化についてどのように捉えていますか?
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GetNavi web
副編集長
玉造 GetNavi web編集部ではテレビの進化を2つの軸で捉えています。ひとつが映画館レベルの映像と音響を家庭でも楽しめるようにする「ホームシアター」軸、もうひとつが映像以外のコンテンツもテレビで楽しめるようにする「スマートテレビ」軸ですね。ブラビア初号機である「ブラビア X1000」シリーズにもWebブラウザが搭載されており、専用ポータル「TVホーム」でニュースや天気予報などを確認できるようにしていました。我々は、こうしたライフスタイルの変革を促すようなガジェットの進化に長年注目してきているのですが、テレビはその中でも注目すべき存在のひとつですね。
たしかにこの頃からリビングの一等地にある大型テレビをさまざまな用途に使っていこうという気運が高まっていったように感じます。特に近年のブラビアはGoogle TV搭載によってテレビ放送だけでなく、インターネット動画・音楽配信から各種情報サービスなどまで幅広いコンテンツを再生できるようになりました。また、デジタル一眼カメラで撮影した写真を高精細な大画面で楽しむ人も増えていますよね。
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GetNavi web
副編集長
玉造 特にこの20年は、そうしたコンテンツの多様化・高品質化が、テレビの進化とからみ合うようにして相互の質の向上を促していったという背景があります。
この点、ソニーとしてはどういった思いでテレビの進化に取り組んできましたか?
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プロジェクト
リーダー
吉田 細かいことは後ほど詳しくお話ししますが、どうやったら深い没入感を得られるのかは今もずっと大切にしていることのひとつです。ハードウェアの進化によってできることが少しずつ増えていく中、よりリアリティを感じられる表現を追求してきたのがブラビアの歴史の一側面だと考えています。
そうしたハードウェアの進化の最先端として、今、Mini LEDテレビが大きな注目を集めています。ブラビアも2022年に発売された「ブラビア X95K」シリーズでこの技術を初採用しました。GetNavi webではMini LEDテレビをどのように捉えていますか?
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GetNavi web
副編集長
玉造 この20年、直下型LEDバックライトや有機ELなど、テレビの画質を飛躍的に向上させる技術が多数登場してきましたが、GetNavi web編集部はMini LEDテレビにとりわけ注目しています。それはMini LEDバックライトが日常生活の中で高画質を実現するポテンシャルを秘めているから。専用のシアタールームを作ったり、部屋を暗くしたりすることなく、いつも通りのリビングで、あたかも映画館のような高画質で映画やドラマを楽しめるのはとてもGetNavi的。ずばり、今後のテレビの大本命と言っても過言ではないでしょう。
テレビの買い換えサイクルは約8〜10年。長く使うことになるものだけに、できるだけ新しく良いものを選ぶべき。そういった意味でもMini LEDテレビはおすすめの選択肢です。
Mini LEDテレビは
“良いところ取り”の選択肢
GetNavi webもおすすすめのMini LEDテレビですが、まだ登場して数年しか経っていないこともあり、どういうものなのか分からないという人も多いのではないでしょうか? ぜひここでその仕組みについて簡単に教えていただけますか?
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GetNavi web
副編集長
玉造 テレビ進化の最先端として話題のMini LEDテレビは、仕組みとしては液晶テレビの一種となります。液晶テレビは「バックライト」の光を「液晶パネル」を透過させて映像を表示するのですが、その光源を従来使っていたLEDよりも小さくしたものがMini LEDテレビとなります。
なるほど。しかし、光源を小さくすると1つのLEDで照らせる範囲が狭くなり、全体としては暗くなってしまうのではありませんか?
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GetNavi web
副編集長
玉造 その通りです。ですので、Mini LEDテレビでは従来のLEDを使った液晶テレビと比べて多くの小さなLEDを敷き詰めて、同等あるいはそれ以上の明るさを実現します。製品によって異なりますが、従来液晶テレビが約1,000個程度のLEDを敷き詰めていたのに対し、Mini LEDテレビでは数千個以上ものLEDを敷き詰めています。
バックライトの光源を細かくするとどんなメリットがあるのでしょうか?
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GetNavi web
副編集長
玉造 これまでの液晶テレビでは画面を数百のエリアに区切り、表示している映像の明るさに応じてエリア単位でLEDをコントロールし、明るい部分は全力で発光させ、真っ暗な部分では消灯させるなどして映像のコントラスト感を高めていました。これを「ローカルディミング」と言います。
この際、1つのLEDで照らす範囲が大きいと、夜空の星のようにピンポイントで明るくしたい場合に、本当は暗くしたい周囲の部分まで光が漏れてしまいます。そこで、LEDのサイズを小さくし、より緻密に画面の明暗をコントロールできるようにしたのがMini LEDテレビなのです。有機ELに近い黒の表現に加え、液晶テレビならではの明るさを活かしたダイナミックな映像表現が可能になります。
有機ELテレビに迫るコントラスト感と、液晶テレビならではの明るさを兼ね備えた、“良いところ取り”の選択肢。それがMini LEDテレビなのです。
ソニーとして第3世代目となるMini LEDテレビ「BRAVIA 9」。その画質と音質がどのように進化しているのか、どのような情熱で作りあげたのかを、GetNavi web 玉造副編集長が、その開発に携わった中核メンバーたちに訊く。
ソニーの技術とノウハウが、Mini LEDテレビの
ポテンシャルを余すところなく引き出す!
前段でMini LEDテレビの仕組みについて解説させていただきましたが、Mini LEDバックライト搭載=高画質という単純な話でもありませんよね。このあたり、ソニーとしてはどのような技術やこだわりをもって差別化を図っているのでしょうか?
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プロジェクト
リーダー
吉田 おっしゃる通りMini LEDバックライトというハードウェアがあっても、それを活かす制御ができないと良い画を出す事はできません。その点、ソニーは先ほどの年表にもあった「ブラビア Z9Dシリーズ」(2016年発売)で初搭載された独自のバックライト制御技術「バックライト マスタードライブ」など、LEDバックライトを緻密にコントロールするための技術とノウハウを持っており、Mini LEDバックライトのポテンシャルを十全に引き出すことで差別化を図っています。
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画質設計担当
秋山 最新モデル「BRAVIA 9」は、緻密なバックライト制御に加え、ローカルディミングの分割数を前モデル比で約3倍にするなど、多くの点で進化しており、従来のMini LEDテレビを超える高画質を目指しました。
それらによって具体的にはどのような画質の違いが生まれているのでしょうか?
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プロジェクト
リーダー
吉田 特に違いが分かりやすいのは映像の明るい部分ですね。当然ながらその中にも微妙な明暗があり、バックライトをきちんと制御する必要があります。しかし、輝度を上げることばかりに意識がいってしまうと、その中の濃淡まで意識した制御を怠ってしまいがちなんです。その点「BRAVIA 9」ではそうしたシーンでもバックライトをしっかりコントロールし、映像の明るい部分でも高いコントラストを感じられるようにしています。
「BRAVIA 9」の映像を見ると、まずその圧倒的な明るさに驚かされるんですが、よく見ると、単に明るいだけでなくしっかりとした立体感、奥行き感を感じられます。そこにはそんな秘訣があったんですね。
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画質設計担当
秋山 ただしこの際、映像信号に則って明るい部分をそのまま明るくするだけでは良い画になりません。映像の動きや色の彩度など、さまざまな情報を取得し、膨大な情報をもとにどのように光らせれば高画質に感じられるのかをしっかり計算して制御をかける必要があります。
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プロジェクト
リーダー
吉田 当然、それは従来のLEDバックライト搭載テレビとはくらべものにならないデータ量です。一般的なMini LEDテレビと比べても倍以上のデータを取り扱えるパフォーマンスが求められます。
それをどのようにして実現したのですか?
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画質設計担当
秋山 ブラビアには2021年に発売された「ブラビア X95Jシリーズ」以降、独自に開発した「XR」と名付けられた強力なプロセッサーを搭載しているのですが、これが個々のMini LEDバックライトの緻密な制御を可能にしてくれました。もちろん、単に処理性能を高めれば同じことができるわけではありません。そこにはバックライト制御に長年取り組んできたソニーのノウハウがアルゴリズムとして落とし込まれています。かねてより進化するプロセッサーとしてその高性能を誇ってきた「XR」ですが、「BRAVIA 9」でいよいよ、その進化を引き出せたと思っています。
ソニーグループ一丸となって作りあげた
「BRAVIA 9」
長年培ってきた技術とノウハウによってMini LEDバックライトの持つポテンシャルを引き出したことが「BRAVIA 9」の高画質化の秘訣とのことですが、それ以外に「BRAVIA 9」の高画質化において、ソニーならではのアドバンテージがあれば教えてください。
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プロジェクト
リーダー
吉田 大きなところでは、LEDドライバーIC設計技術を持っているグループ内のソニーセミコンダクタソリューションズと共に、Mini LEDをコントロールするための超小型LEDドライバーICを共同開発したことが挙げられますね。具体的にはこれなんですが……
とんでもない小ささですね(笑)。
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プロジェクト
リーダー
吉田 この白い基板が「BRAVIA 9」のバックライト基板です(写真はその一部を拡大撮影したもの)。従来のテレビと比べてドライバーIC(中央の黒いチップ)の大きさが劇的に小型化されています。1つのドライバーICで制御するLEDの数が異なるので単純な比較はできないのですが、各ドライバーICの体積を制御できるLEDの数で割って比較しても約6分の1程度になっているんですよ。
どうしてそんな小型化ができたのですか?
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画質設計担当
秋山 通常こうしたドライバーICはさまざまな製品での利用を想定した汎用品を使うのですが、それゆえに使わない機能が多く含まれてしまいます。一方、この超小型ドライバーICは余計な機能をカットして「BRAVIA 9」が必要とする機能のみを搭載することで、「ゴマ粒のような超小型を実現することができました。もちろん、単に小さいだけでなく、俊敏なバックライトの立ち上がりなど、美しい映像を実現するために必要な機能はより高性能化しています。
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プロジェクト
リーダー
吉田 ちなみにMini LEDテレビにおいては、ドライバーICが小さいことが画質向上にも貢献します。同じ基板上に配置されたLEDの光を遮り影になることがないため、明るさのムラが起こりにくいのです。一方、ここまでチップサイズを微細にしてしまうと、基板にICを実装するのが困難になってしまうのですが、ソニーグループの一員であるソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズが持つ実装技術によって、なんとか製品化することができました。
まさにソニーグループの総合力の賜物なんですね。
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プロジェクト
リーダー
吉田 なお、ローカルディミングの分割数をより細分化し、より効率的な駆動アルゴリズムを開発したことは、高画質でありながら消費電力を減らすことにも貢献しています。特に「BRAVIA 9」ではLEDが効率良く発光できる領域だけを使うような特殊な制御を追加しているほか、電源周りも効率化しているため、従来モデルと比べて劇的に明るくなったにもかかわらず、消費電力は同じかそれ以下にまで抑えることができています。
それは日常使いにはとてもうれしい進化ですね。「BRAVIA 9」のような画質最優先のフラッグシップモデルでも消費電力低減を目指すというのはGetNavi webの読者からも支持を集めそうです。
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プロジェクト
リーダー
吉田 ブラビアはかねてからエコへの取り組みにも力を入れていますが、特に「BRAVIA 9」の開発にあたっては、当初から画質・音質と同じくらいエコを重視するという方針が設定されていました。
プロフェッショナルの
映像美をリビングでも
ここまでで「BRAVIA 9」のハードウェアがソニーグループの総合力で生み出されたことがよく分かりました。続いては、そのハードウェアの上でどのような画作りをしたのかを聞かせてください。まずは、開発チームとして、どういった画質を目指したのか教えていただけますか?
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商品企画担当
長谷川 企画コンセプトとしては、クリエイターの意図する画を、自宅のテレビでもそのまま楽しめるようにすることを目指しました。加えて、劇場で映画を観るような感動、臨場感を自宅でも味わえるようにしたいという思いもあり、そのための技術を多数詰め込んでいます。
なお、ここで言う「映画」には、劇場で観られるもののほか、NetflixやAmazonプライムビデオなど、動画配信サービスのものも含みます。これらのサービスによって映画に触れる時間が増えたという方は多いのではないでしょうか? 「BRAVIA 9」ではそうした方々の映画体験をより豊かなものにしたいと考えています。
ソニーには過去に何度も取材をさせていただいていますが、クリエイターの意図する画を再現したいというコンセプトはもうずっと変わりませんよね。
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プロジェクト
リーダー
吉田 はい。ただ、随時アップデートは行っています。たとえばソニーは2023年4月に映画やPVなど、映像制作のプロフェッショナルに向けたマスターモニターの新製品として、ピーク輝度4000nitにも達する『BVM-HX3110』を投入しており、これにより今後、高輝度表現を活かした高品位な映像作品が増えていくことが予測されています。そこで「BRAVIA 9」では『BVM-HX3110』に迫るピーク輝度を実現したほか、『BVM-HX3110』の試作機と映像を見比べながら画作りを行うなど、今現在、ご家庭で試聴されているコンテンツだけでなく、これから登場してくるであろう次世代の映像作品もしっかり再現できるよう心がけました。これもまたソニーグループの総合力で実現したことのひとつだと考えています。
Prime Video モードもしくは、Netflix画質モードなど、いくつかの映画配信サービスに特化したスタジオ画質モードでご視聴いただくことで、制作者の皆さんが制作現場で確認している映像に近い画質を再現することができます。一般の方がマスターモニターを見る機会はないと思うのですが、これがスタジオクオリティなのだと思っていただきたいですね。
そして、Mini LEDテレビの魅力のひとつに、その明るさゆえに周囲が明るい場所でも画質への影響が少ないことが挙げられます。このあたり「BRAVIA 9」はいかがでしょうか?
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プロジェクト
リーダー
吉田 映画館などと異なり、ご家庭の試聴環境は千差万別です。その点、「BRAVIA 9」は輝度が極めて高いこともあって、その影響を受けにくくなっています。昼間、窓から外光が差し込んでいても、夕食時に照明を明るく照らしていても、部屋を暗くしたときとほとんど変わらない画質で映画などをお楽しみいただけます。また、「BRAVIA 9」からの新機能*として別売「ブラビアカム」を利用した環境光連動にも対応。壁紙の色や、ユーザーの背景に窓があるか(外光が画面に映り込むか)などをより厳密にセンシングして、自動で従来以上の見えやすさを実現することができます。
* BRAVIA 9のほか、BRAVIA 7も対応。
テレビは家族みんなで、日々の暮らしの中で使うものですから、手間なく、いついかなる状態でも最高画質でコンテンツを楽しめるというのはありがたいですね。画質を徹底追求しつつ、ふだん使いの快適さも忘れず両立させているところが「BRAVIA 9」のすばらしいところだと確認できました。生活者目線を重視するGetNavi web的にも高評価です。
テレビ単体でも
劇場のような音体験を再現
画質について一通り聞かせていただいたので、ここからは音質についても聞かせてください。「BRAVIA 9」ではどのような音体験を目指したのでしょうか?
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商品企画担当
長谷川 「BRAVIA 9」では、音質についてもまるで劇場で聴いているかのような、自宅で聴いていることを忘れてしまうような音体験を目指しました。具体的には広々とした空間に包み込まれるようなサラウンド感、そして画面の中から音が鳴っている定位感、聞き取りやすい人の声にもこだわって開発しています。
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音質設計担当
山岡 従来のブラビアでも、まるで画面の中から音が鳴っているように聞こえる「アコースティック マルチ オーディオ プラス」による音の立体感・広がりと、クリアで定位感のある声の再現を実現してきました。
その上で今回、新機能として本体背面に「ビームトゥイーター」を内蔵。強い指向性を持たせた音を壁と天井に反射させ、画面の外、上方向からも音を届けられるようにしました。昨今の映画タイトルは、上方からの音で臨場感を高めたものが多いのですが、「BRAVIA 9」であれば、テレビ単体でも頭上をまわる飛行物や雨の音などを、コンテンツクリエイターの意図通りに感じられます。
「ビームトゥイーター」は、ソニーのサウンドバーにかねてより搭載されていた機能ですが、それと同じものなのでしょうか?
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音質設計担当
山岡 筒状のパーツを通して音をビーム状に放出するという仕組みはサウンドバーに搭載されているものと同様です。実際、その開発にはサウンドバーの設計チームに協力してもらい、彼らがもつ技術とノウハウを取り入れることで、ブラビアとしては初の搭載となりますが、上から鳴っている音をしっかり感じ取れるようになったと思っています。
ただし、サウンドバーでは側壁に向けて音を放射し、横方向の音の広がりを生みだしていましたが、「BRAVIA 9」では縦方向に搭載し、上方向の音の広がりを生みだしている点が異なっています。そのため、ビームトゥイーターを本体背面のどこにどの角度で配置するかはゼロから試行錯誤する必要がありました。背面両端に置くと音の中央が抜けて感じてしまいますし、中央寄りだと広がりがなくなるため、3種類ある画面サイズに合わせてそれぞれ適切なバランスに微調整しています。そして、このビームトゥイーターも含めて調整できる自動音場補正機能で個別の環境に合わせたチューニングを行い、どのようなお部屋でも音の広がりを感じられるようにしました。
確かにテレビ単体の音とは思えないほど広がり感のある音場を感じられますね。薄型テレビの内蔵スピーカーの音は物足りないというイメージを持っている人も多いと思うのですが、これなら十分満足できそうです。
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音質設計担当
山岡 音の定位感が高まることで人の声についてもさらに聞き取りやすくなっているんですよ。
映画視聴時にサラウンド感が大事だということはイメージしやすいのですが、声の聞き取りやすさも大切にしているんですね。
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音質設計担当
山岡 はい。ソニーは映画の音で最も重要なもののひとつが声だと考えています。事実、多くの映画では、音声情報のほとんどがダイアログ(セリフ)ですから、これをクリアに聞き取りやすくすることは映画の音体験をダイレクトに向上させることにつながります。もちろん、映画以外のコンテンツにおいても人の声の聞き取りやすさは重要です。
たしかに、どんなに迫力ある音が楽しめても、それによってセリフが聞き取れなくなったら意味がありませんからね。
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音質設計担当
山岡 そうなんです。そこで「BRAVIA 9」では、もうひとつ新機能として人の声を大きく聞き取りやすくしてくれる「ボイスズーム 3」を搭載しました。名称から分かるよう、既存機能のアップデートなのですが、従来ボイスズームをさらに進化させて、AIがより高精度に人の声だけを抽出してくれるようにしました。抽出した人の声を大きく、あるいは小さくすることができます。
(実際に機能を試してみて)これは面白いですね! 従来の機能は声が大きくなるかわりに音質が劣化するイメージがあったのですが、ボイスズーム3は本当に人の声だけを自然に大きくしてくれます。映画などで使っても視聴体験を損なうことはなさそうです。
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商品企画担当
長谷川 その上で「BRAVIA 9」は、従来モデル同様、ソニー製サウンドバー接続時にテレビのスピーカーをセンタースピーカーとして使えるようにする「アコースティックセンターシンク」にも対応していますので、よりリッチな音を楽しみたいという場合は、容易にグレードアップが可能です。
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音質設計担当
山岡 なお、今回のモデルのアコースティックセンターシンクでは、映画製作の本場に近いアメリカの設計チームと、これまで以上に協業して音色の調整をするなど、より密接に作り込んで行っています。
ホームシアターシステム
BRAVIA Theatre Quad(HT-A9M2)
リビングに溶け込むデザインで360立体音響を楽しめる進化した新スタイルサラウンドシステム
サウンドバー
BRAVIA Theatre Bar 9(HT-A9000)
360立体音響による臨場感のあるサウンドと洗練されたデザインを両立したフラッグシップサウンドバー
ご購入はこちら
4K液晶テレビ
BRAVIA 9(XR90シリーズ)
4Kブラビア史上最高の明るさ。独自の技術により圧倒的映像美を実現した、Mini LED搭載のフラッグシップ4K 液晶テレビ
オープン価格
85V型:2024年8月10日発売予定
75V型:2024年8月10日発売予定
65V型:2024年8月10日発売予定
GetNavi web
副編集長
玉造
専用のシアタールームを作ったり、部屋を暗くしたりすることなく、いつも通りのリビングで、あたかも映画館のような高画質で映画やドラマを楽しめるのはとてもGetNavi的。ずばり、今後のテレビの大本命と言っても過言ではないでしょう。