商品情報・ストアデジタルビデオカメラ ハンディカム AX700 Creator’s Voice HDR・HLGなど最新技術を身近にし、美しい映像を誰でも簡単に扱える

No.002

HDR・HLGなど最新技術を身近にし、
美しい映像を誰でも簡単に扱える

PROFILE

自然映像作家

菅原 安/ YASUSHI SUGAWARA

1957年北海道生まれ。身近な自然をテーマに野鳥、昆虫など、自然全般を撮影。TV映像素材提供、展示映像製作、ビデオ雑誌・執筆のほか、DVDソフト『渓流の戦略』(小学館)なども手掛ける。

はじめは野鳥ばかりを追いかけていましたが、
今は昆虫、植物と、好奇心がそそられるままに
撮影対象が増えています

ヤマセミ撮影をきっかけに退職し、
映像作家の道へ

高校生の頃から8mmカメラを回すほど動画撮影が好きでしたが、この道を極めたいと思ったのは就職してからでした。ヤマセミを撮影したのをきっかけに野鳥の魅力に取り憑かれ、映像制作に没頭。しかし働きながらでは満足のいく動画が撮れないと考え、思い切って会社を辞めました。
最初は野鳥全般を撮っていましたが、次第に昆虫に夢中になり、改めて機材を揃え直したにもかかわらず、次は植物に。好奇心のままに対象の被写体が増え続け、今は自然全般の映像を撮影しています。

※本映像では一部4Kにアップコンバートしている部分もあります

野鳥の映像素材をつくるには
驚くほど時間がかかる

野鳥の映像素材はさまざまなシーンを組み合わせて1つの作品をつくり上げます。例えば、遠くに野鳥を見つけたら、風景を入れた状態から撮り始め、10〜15秒かけて寄りながらフルショットを撮影。15秒ぐらい置いた後、引きながら撮影します。その後、画角やズームスピードを変えて数パターン撮り、最後は鳥の脚から頭へと移動させながら各パーツを撮影。いわゆる「なめる」というやつです。
このように映像素材として作品をつくるには、とても時間がかかります。ですから撮影時は被写体を刺激しないように、かなり神経を使っています。

難しいイメージがあるLog撮影。
同じLogでもHLGは撮影も編集も手軽にできる
嬉しいモードです

カラーグレーディングが不要な
HLG収録が可能

AX700には今後主流になることが予想されるHLG※1の撮影モードが搭載されています。プロの世界ではHDR※2に対応するHLG収録のオーダーもあるのでとても便利です。HDRに適したモニターではHDRで映し、通常のSDR※3のモニターではSDRで出してくれる。さらに通常のLog収録では不可欠なカラーグレーディング(色を補正する作業)もしなくて済む。こういう最新技術を誰でも扱えるようになるのはとても嬉しいことです。
実は今回の作品の花火のシーンもHLGで撮影しました。編集によってHLGではなくなっていますがトーンだけはHLGが残っているので、HDRのモニターで見ると驚くほどきれいな映像を見ることができます。

  • ※1 HLG(ハイブリッド・ログ・ガンマ)=NHKと英国のBBCが共同開発したHDR映像をディスプレイに送信するためのテレビ放送向け配信規格。画像の明るさの特性を表すガンマカーブを設定する際、暗部から中間部までは従来の標準画質(SDR)に合わせ、中間部から明部にかけて輝度の情報量を増加させることにより、HDR非対応のテレビなどの映像機器と互換性が保たれる。
  • ※2 HDR(ハイ・ダイナミック・レンジ)=旧来の方式に比べ、明暗の差をよりダイナミックに表現できる新しい映像技術。HDRディスプレイは通常のSDRテレビと比較して、最大10倍の明るさを表示できる。
  • ※3 SDR(スタンダード・ダイナミック・レンジ)=HDRに対して使われる、従来のダイナミック・レンジを持つ映像技術のこと。

ノイズが少なくきれいに
撮れるインターバル撮影

インターバルモードでは、シャッタースピードを遅くしてもノイズの少ない画を撮ることができました。富士山のシーンは比較明合成をした映像です。まずは背景の富士山を撮影しましたが、通常夜の撮影だと満月じゃない限りここまでしっかり姿が見えません。でも、これだけ美しく明るい映像が撮れるのもAX700ならでは。素材としてクオリティの高い映像を撮れれば、作品の印象も良くなります。

やっと実現した、
美しくやわらかな玉ぼけ

背景をぼかした時にできる丸ぼけも好印象です。いわゆる「玉ぼけ」です。
民生機のムービーカメラは四角ぼけができることが多いです。ずっと「いつになったら丸ぼけが実現できるのか?」と思っていたので、これが撮れた時はちょっと感動しました。AX700は七枚羽根のレンズを使っているので円形に近いぼけになり、被写体をより立体的に浮かび上がらせてくれます。ぼけの印象が良くなると、表現力もかなり豊かになります。

駆動速度が変えられる!
動体に強い驚きのAF性能

私はシーンによってAFとMFを使い分けています。
AFを使う時は機能をきちんと理解して設定することが前提です。私はある程度動きが予測できるシーンで活用しています。今回の作品では白鳥が飛び立つシーンの撮影で使用しました。テレ端で追ってもずっとピントを外さなかったので、かなり高性能だと思います。
AX700はピント合わせのスピードを7段階から選べるのがいいですね。白鳥はすべて最速で撮影しましたが、ピントを移動させる時はスローにします。例えば鳥が飛び立った後に景色にピントを合わせる場合、素早く合ってしまうとちょっと味気なく感じてしまうからです。このようにAFの駆動スピードを変えるだけで、映像のイメージがずいぶん変化します。

撮影スタイルに合わせて
ボタンをカスタマイズ

AX700にはカスタマイズできるボタンが複数レイアウトされています。メニューモードから項目を探して設定を変更するのは手がかかり決定的なシーンを逃してしまう。特に野鳥を撮影する際はスピード勝負になるため、カスタマイズできるボタンが多いのは有効です。
私の場合、撮影中はほぼ100%ブラインドタッチで操作するので、操作しても撮影に影響が出ない位置に頻繁に使うボタンを配置します。このように、自分の撮影スタイルや好みによってボタンをカスタマイズするのがおすすめです。撮影中に機能を切り替えるために撮影ポジションを変えたり、ブレたりすると致命傷になるので、事前によく考えてカスタマイズを試してみても良いと思います。

構成や音楽で作品の印象はガラリと変わります。
興味を持って最後まで見てもらえるよう、
考えながら編集しましょう

どうしたら見てもらえるかを
考えて撮影&編集を

映像作品をつくる場合、見る人を意識することが大切です。編集作業では「見てみたい」と思わせるような構成を考え、興味をそそるような音楽をつける。今回の作品では、夕景から夜景に変わる港の映像からスタートしていますが、実はこれも戦略のひとつです。美しい夕景や夜景は親和性が高いので「つかみ」になります。そこからだんだんおもしろく見せようとタイムラプスで撮影した都心のさまざまな夜景を繋ぎ、夜景でも映像にスピード感があるから音楽もちょっと激しい感じにしようと思いました。専門の野鳥はあえて後半に持ってきて、鳥好きだけでなく、より多くの人に見続けてもらえるような作品に仕上げています。

おもしろい作品を
つくるためには好奇心が必要

動画を撮る意義や楽しさは、見る人に対していかにおもしろく見せるか、サービス精神を持って見せられるか、ということに尽きます。
ただ記録したものを見せるのではなく、どうすれば興味を持ってもらえるのか、それにはどういう映像を撮るべきなのか。そんなことを考えながら撮影や編集を楽しんでください。動画は相手に感動を与える手段のひとつです。自分の思いを伝えるためには好奇心を忘れず、能動的になること。今はYouTubeなどの映像コンテンツも豊富なので、より多くの人に見てもらえるような魅力あふれる映像作品を目指してもらえたらと思います。