商品情報・ストアデジタルビデオカメラ ハンディカム AX700 Creator’s Voice 旅先の撮影では「他撮り」がどうしても必要です。「生っぽさ」「リアルさ」と画質を求めるとFDR-AX700に行き着きました。

No.005

旅先の撮影では「他撮り」がどうしても必要です。
「生っぽさ」「リアルさ」と画質を求めると
FDR-AX700に行き着きました。

PROFILE

クリエイティブアーティスト

あさぎーにょ/ ASAGINYO

「へんてこポップ」という独自の世界観を幅広い分野で表現し続ける次世代のSNSアーティスト。YouTubeやTikTokなどSNSでの合計フォロワーは150万人を超え、音楽、ファッション、映像制作と幅広い分野で活躍中。新しい音楽の届け方や独自の世界観の表現を追求するなど、常に新しいことに挑戦し続ける姿が若い世代から多くの支持を得ている。
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あさぎーにょさんは、YouTubeチャンネルにアップロードされている動画では、いろいろなカメラを使い分けていますね。映像作品を制作するにあたり、最初に使われたのはどんなカメラでしたか?

一番はじめは小型のビデオカメラだったのですが、そのうち手持ちで「自撮り」ができるタイプのコンパクトデジタルカメラを使い始めました。またミュージックビデオのような、作品っぽいものはフルサイズのデジタル一眼カメラα7シリーズを使うなど、カメラを使い分けていました。しばらくはその2台を使い分けて撮影していたのですが、コンパクトデジタルカメラのほうを、さらに画質も音も良くしたいなということで、いろいろと検討していました。

現在は?

今も作品っぽく見せたい映像は変わらずα7シリーズを使って、大きなボケ描写を生かした撮影をしています。一方でVlogなどの「自撮り」用には、小型のデジタル一眼カメラα6400に超広角のズームレンズ(E 10-18mm F4 OSS)を組み合わせて使用しています。

そして、もう一つがこのビデオカメラです(FDR-AX700/以下AX700)。

最初のうちはずっと「自撮り」のみだったのですが、ファッションがテーマの映像では私自身の全身を撮らなければいけない場面や、旅先の撮影ではどうしても「自撮り」ができない場面も増えてきました。同行してくれている人に撮ってもらうことを「他撮り」と言ってますが、その「他撮り」用のカメラとしてAX700を使い始めました。

私のYouTubeチャンネルでは、ミュージックビデオのようなものや、「自撮り」を中心として、ありのままの姿を記録したVlog、そして旅番組のような、でも、こてこての演出はしていない旅の思い出動画のような映像を発信しています。いくつもの映像を制作していく中で自分が表現したいものを求めた結果、AX700はとても大事な位置づけになっています。

AX700の使用する中での印象は?

AX700は5月の台湾旅行から使い始めました。あの映像の中で私が「自撮り」しているシーンはα6400、街の風景なども含めてそれ以外のカットはすべてAX700で撮影しました。

撮影時に感じたのはパワーズームがとても便利だな、と。手元にあるズームレバーの押し込み具合や設定によってゆっくりと寄るズームも素早いズームも使用できます。そのズームの動きがぬるっとしている感じがシュールさというか、「生っぽさ」があります。これまでのα7だとどうしても作品っぽくなってしまって、Vlogに必要な「生っぽさ」「リアル感」が減ってしまう感じがあるのですが、AX700の映像にはそれがあって、私の感覚にあっていると感じます。

「生っぽさ」を大事にしているのですね?

そうですね。AX700に出会うまで「生っぽさ」が出せるカメラを探していました。「生っぽさ」という点では手ブレも大事な要素です。AX700も他のカメラと同様に手ブレ補正機能が入っているのですが、手ブレを一切なくすのではなく、ほど良い感じのブレ感があります。意気揚々とドン、ドンと歩いている時の振動みたいな、その時の気分にあわせて動く私の行動をカメラがしっかり捉えてくれるのが嬉しいです。

旅先などで撮影をするとき、私は皆さんの想像以上に動き回るんです。例えば、山道を歩いたり、街中を走り回ったり。その動きに撮影者がついていけなくて、カメラが振り回される形になってしまい手ブレ補正でも補正しきれないほどでした。結果、視聴者の方から見ていて酔ってしまったというご意見をいただいてしまいました(笑)。それ以降は貴重なご意見をしっかり受け止めて、撮影の取り回しなども考えて、AX700にグリップを付けて撮影しています。

そんなことがあったのですね。そのグリップの先にはガンマイクをつけているのですか?

音は大切にしたいと思っているので、ガンマイクは必要な機材です。実は自身のYouTubeチャンネルの他にも、旅専門のチャンネルもやっているのですが、そちらではラベリアマイクも使っています。

ただ、本当はガンマイクも使いたくないと思っています。なぜかというと、どうしても機材全体が大きくなって、否応なしに目立ってしまうからです。今はYouTuberの活動も一般的に認められていますけど、街中でやるとどうしても注目が集まってしまいます。だから、「自撮り」にしても「他撮り」にしても撮影機材はなるべくコンパクトにまとめることを常に意識しています。

街中で大きなプロ用の制作機材で撮影していると、撮影している私達も周囲で見ている一般の方々も「何か特別な撮影をしている!」と、かしこまってしまう印象があります。その点AX700のようなビデオカメラは一般的に家族が使っているイメージが強いからか、プロの機材と感じさせずに自然なスタンスで撮影できる点が良いと思っています。

良い画質と音で撮りたいけれども、「生っぽさ」や「リアルさ」を表現するためには機材を小さくしたい。そんな難しい条件をAX700は満たしてくれているわけですね。レンズフードを外しているのも、少しでも小さくするための工夫ですね。マイクをグリップハンドルの横につけているのも、目立たなくするためですか?

マイクは最初は上につけていたんですが、ロケーションや時間帯によっては上にライトをつけることもあって、いちいち付けかえるのが面倒なので、横にしました。

グリップがあるとファインダーが覗けないと思いますが、撮影時にはファインダーは使わないのですか?

そうですね。液晶モニターしか使いません。私のVlogはロケハンもしないですし、ここで撮るという撮影のスケジュールも決めていなくて、いつ何が始まるか分からない状況で撮影をします。だから私がいきなり行動した「今!」という瞬間に、モニターを開くとすぐに電源が入って、録画ボタンを押すだけですぐに撮影を始められるのはとても助かっています。

その他、「自撮り」用に使用しているα6400との違いとしてはどんな点がありますか?

まずバッテリーがとても持ちます。バッテリーはこのサイズ(中間サイズのNP-FV70A)を使っていますが、1日を通じた撮影はこれ1つで大丈夫です。

あと、何よりもNDフィルターが内蔵されていることが便利です。デジタル一眼カメラの場合、野外での撮影時などでは、状況やレンズに合わせてNDフィルターを付け替えるのが大変でした。

AX700は3段階のNDフィルターをスイッチひとつで入れられて、すぐに撮り始めることができます。撮影中でもNDフィルターを切り換えて光量を調整することが素早く行えます。撮影中はほぼNDフィルターのことを考えなくていいですね。

フォーカスはオートフォーカスですか?

オートフォーカスです。α6400はタッチフォーカスを利用して液晶モニターをタッチすることが多いのですが、AX700はオートフォーカスのピント合わせの速度設定などもデフォルト設定のままにしています。タッチフォーカスやオートフォーカスのピント合わせの速度設定などしっかり設定してピントが外れないようにすることもできますが、AX700の場合はあえてデフォルト状態にしておいて、少しピントが外れてしまってもそれがいい味だと私は思っています。あまりにきれいにピントが合ってしまうと、テレビ番組のようになってしまうので。

ピントがずれてしまったようなシーンでも、その「生っぽさ」を私は大事にしたいと思っています。

とことん「生っぽさ」を大事にしていることが、とても伝わってきました。ほかにも映像に対するこだわりを教えてください。

基本的に見続けてもらえる映像にしたいと思っています。広角でたくさんものが写っていて一つのシーンに多くの情報があるというような映像や、超広角で顔がぐっと寄ったときはインパクトがあって楽しい映像になりますし。

技術的に詳しいわけではないのであくまで感覚的になのですが、α6400のほうは結構いろいろ調整しています(ピクチャープロファイルをPP10に設定し、追加で独自調整している:ビデオSALON編集部確認)。女性としても肌が鮮明に見えすぎてしまうのは困るので、コントラストも抑えめにして、細かくチューニングしていまして、色温度も調整しています。「他撮り」のAX700もそれに合わせるようにしています(こちらはPP3のCine1ガンマで、シーンセレクション設定はポートレートになっていた:ビデオSALON編集部確認)。編集で色をいじるということはあまりなくて、最初からカメラ側でチューニングして、自分好みの色を作っています。あと、ソニーのカメラで揃えておけば編集時の色合わせも楽にできるので助かります。

撮影は4Kで行なっていますか?

AX700もα6400もHDの60pで撮っています。スマートフォンでYouTubeを見る場合、4Kで見られることはまだ少ないと思っています。また作業的な面でも4Kは大きな負荷と時間がかかるので今はまだHDですね。でもいずれ、5Gなど通信面の環境が変わってくれば、制作内容も変化するのではと思っています。

なるほど。でも60pで撮影されていることには、なにかこだわりがありますか?

演出上、ところどころでスローにすることもあるので、60pで撮っておくと表現の選択肢が広がります。

あさぎーにょさんの映像は編集にリズム感もあって楽しいです。

旅の映像の場合、身近さを表現するために「自撮り」がメインになってきますが、メリハリをつけるために「他撮り」のインサート映像を入れることも必要です。その撮影にはAX700が今一番ぴったりなカメラですね。もう少し「他撮り」が多くなると、今度は「TVの旅番組感」が強くなってしまうので、バランスを意識して編集しています。

それから編集においてはテンポ感はすごく気にしています。私の中では一番気にしているかもしれません。SE(サウンドエフェクト)とかBGMはテンプレート化しているのですが、喋りのテンポは、早すぎてもさらっと流れていってしまう。だからあえて何もセリフのないシーンを差し込んだり、あえてセリフのスピードに変化を付けてみたり。みんなが想像しないポイントをつくることで見ている方が飽きない工夫をしています。

デジタル一眼カメラのα7シリーズとα6400、そしてAX700を使い分けているということがお話を通じてよく理解できました。

フルサイズのデジタル一眼カメラα7シリーズ系はプロっぽさ、おしゃれさ、憧れの世界という感じ。α6400の「自撮り」は日常感の演出のために使用しています。

そしてAX700は「生っぽさ」、「リアルさ」。私はAX700に関しては撮ってもらう側であることが多いのですが、AX700は撮っている人自身が撮影を楽しんでいる印象を受けます。撮影している人がそのシーンに参加しているようで、撮影現場の雰囲気が和やかになります。それは片手で撮影できるからでしょうか。

そういう点でも「自撮り」のα6400と、「他撮り」のAX700の組み合わせは、私にとって今一番いい選択肢だったかなと思っています。