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「αで広がる可能性」
〜写真館の経営者が感じたビジネスチャンス〜

α Universe editorial team

2016年6月21日、22日に「PHOTONEXT(フォトネクスト)2016」で行われた、写真家 中嶋さん・小林さんのセミナーをレポートします。

中嶋 秀磨 1970年、長野県生まれ。日大芸術学部写真学科卒業後、留学のため渡米し、School of Visual Arts、School of Visual Arts Master of Fine Arts in Photographyを卒業。帰国後は、創業明治29年の写真館を引き継ぎ、家族写真やウェディング写真など、心を写す写真館のカメラマン、代表取締役社長として従事。

小林 浩 2014年に、あざみ写真館3代目代表取締役に就任。写真によって「すべての人に存在する人生のストーリー」を表現することを目指し、日々変わる撮影技術に敏感に反応、技術を取り入れ吸収し、家族写真や学校写真などの撮影を行う。

プロカメラマン向けフォトビジネスフェア「PHOTONEXT2016」に、ソニーが初出展。講師は、長野と東京と場所は違えど、ともに写真館を経営している中嶋氏と小林氏。それぞれの仕事内容や写真館の現状のほか、α導入のメリットなどを対談いただきました。

長野と東京―
写真館の今を紐解く

中嶋氏(以下敬称略):私は、長野県長野市にある善光寺の近くで写真館を経営しています。明治29年に私の曾祖父がこの地で写真館を開業しまして、私はその4代目になります。
小林氏(以下敬称略):創業何年ですか?
中嶋:121年目になります。でも、歴史を感じるようなものは、あまり残っていないんですよ(笑)。現在は家族写真を中心に、お宮参りなど記念日の写真やお子様の写真など、人物を中心に撮影をしています。スタジオのほか、目の前に私が勝手に第2スタジオ、第3スタジオと呼んでいる大きな公園がありますので、お子様の撮影などはそこでロケーション撮影も行います。ロケーション撮影では、機材の持ち運びが大変です。さらに、小さいお子様は公園に行くと元気に走り回りますので、フォーカスを合わせるだけでも苦労します。

小林:お子様の撮影は、いろいろと苦労が多いですよね。私は東京都文京区にある「あざみ写真館」を経営しております。会社の事業は、大きく分けて、学校写真とスタジオ店舗での撮影の2つです。スタジオは流行の蛍光灯を使ったり、太陽光が入るようにしたり、お子様が動き回っても撮影ができるようなインテリアを取り入れています。お子様の表情や仕草を、コミュニケーションをとりながら撮影ができるように工夫をしました。学校写真では行事や式典など、さまざまなシーンで撮影を行います。体育館など暗い場所での撮影や、遠足や登山などハードな場面での撮影も多くありますので、苦労が絶えません。

撮影での苦悩を
αがすべて解消してくれた

中嶋:例えばこちらの写真。ご家族でスタジオに入って来られた時、正直「うわ〜!」と思いました。みなさん、写真館に挑戦しているんじゃないかと思うような服装で現れまして(笑)。おじいちゃまのグレーのツイード、手前の男の子の凸凹感のある服、お姉ちゃんのスカートの細かい千鳥格子……。どの方もモアレの原因になるようなデザインの服ばかりで。しかし、『α7RⅡ』の4240万画素の高解像度をもってすると、モアレがほぼ出ない。端の部分は微妙に出てしまうところがありますので「ほぼ」という表現をしましたが、メインの部分はまったく出ません。そのため、画像処理をしなくてもまったく問題なし! この写真も全然手を加えていないんですよ。さらに、『α7RⅡ』には「顔検出」という機能がありますので、手前の男の子から後ろのお父さんまで、合わせた絞りをカメラが的確に判断して全員の顔にしっかりピントを合わせてくれます。ピントが外れることがほとんどないのは、ありがたい限りです。
また高解像度でいうと、引きで全体を撮っておけば、半分にトリミングしたとしても約2000万画素はあるので六つ切りには十分。全身の写真を希望されたお客様から「表情がすごくいいからアップにできませんか?」と言われても対応できます。うちは六つ切り、それ以上大きいものを商品として扱っていますので、高解像度というのは重要だと思います。

中嶋:こちらは先ほど申し上げた公園で撮影した男の子です。彼は公園に行きたくてうずうずしていたので、とにかく走り回りました! もちろん、私も追いかけて走るんですが、小型軽量な『α7RⅡ』とレンズ1本くらいで撮影ができる。しかも被写体を追いかけて的確にピントを合わせてくれる。つまり、今までやりたくてもできなかったことを可能にしてくれたのが、この『α7RⅡ』だったわけです。

『α7RⅡ』は高感度をうまく使えるところも利点ですね。こちらは「グランドピアノの前で撮影したい」というご本人の希望で、ロケーションで撮影したピアニストの宣材写真です。ライブ感を出すためにストロボをセットで持って行ったんですけど、ストロボとグリッドのタングステン、いわゆるモデリングのみで撮影しました。ISO1600で少しザラッとした感じに仕上がるように、あえて狙ったカットです。「1600でザラッと」と軽く言いましたが、あまりザラッとならないのも高感度特性の強い『α7RⅡ』の特長だと思います。小林さんは『α7SⅡ』も使っているようですが、いかがですか? 小林:『α7SⅡ』は高感度に強く、暗い場所でもバンバン撮れるのが魅力です。ISO3200〜4000でもキレイに撮れるので、体育館などの暗い場所では大活躍です。さらに、機動性が高く、軽くてコンパクト。スタジオではお子様を追うのに最適ですし、学校写真では、登山や遠足で実力を発揮してくれます。また舞台や式典などの撮影があるので、サイレントシャッターも便利です。無音で撮影できるので、観客の真横で撮っていても平気ですし、来賓の方の隣で撮影していてもまったくクレームがありません。

小林:小さいお子様を撮る時には、ボディの小ささも武器になります。大きなカメラの前では緊張もしますし、撮影に入ると突然テンションが落ちることもありますから。でも『α7SⅡ』は小型なのでお子様とコミュニケーションをとるときの障害になりません。お子様の顔を見て、話しながら楽しく撮影できます。『α7SⅡ』 は私が頭を抱えていた問題をすべて解消してくれた、すごいカメラです。

本当に狙いたかった写真が撮れる
驚きのAF精度

小林:AFの精度にも驚きました。『α7SⅡ』、『α7RⅡ』どちらも同じく動き回るお子様を追うのに対応しています。お子様が相手だと話しながら撮ったり、無茶な体勢で撮ったりするのですが、どんな時でもフォーカスはバッチリ! 中嶋:私にとっては『α7RⅡ』 のAFは完璧! 先ほど「顔検出」の話をしましたが、さらに「瞳AF」という、顔の中の目玉をピンポイントで見つけてくれるモードがあるんです。これは眼鏡をかけている方を撮影するときに有効です。眼鏡の奥の目にピントを合わせようとすると、眼鏡の縁のコントラストが強いので、そちらで測距点を検出してしまうことが多々あるんです。私はそれで何度も泣いたことがあります。ところが、「瞳AF」を使うと目の中にしっかりピントを合わせてくれるので、被写界深度が浅い状態でも眼鏡の縁が軽くボケてまつ毛がきっちり出ているという、まさに狙いたいカットが撮れるというわけです。
小林:僕の場合、小学生や中学生を撮ることが多いので、極端なローアングルで撮影することもあるのですが、『α7SⅡ』はしっかりピントが合っています!
中嶋:合いますよね! センサーが的確に計算してくれるので、目的の被写体に向けて適当にノーファインダーで撮ってもピントが合う。私自身、デジタルカメラを長年使ってきて一番の悩みは開放状態でのピントの精度だったので、そこを解消してくれた『α7RⅡ』にはとても感謝しています。

4K動画により見出した
写真館の新たな可能性

中嶋:以前、何度か撮影したことがある若手のバイオリニストから、「もっと演奏会や講演会をしたいのだけれど、自分をアピールするにはどうしたらいいか」と相談がありました。私が提案したのはYouTubeへの動画投稿です。写真だけでなく自分の演奏シーンを一緒に上げられたら、一番のプロモーションになるのでは、と考えまして。それを実現できるのが、簡単に4K動画を撮影できる『α7RⅡ』でした。今はYouTubeにも4K動画を投稿できますので、他のバイオリニストが4K動画を上げていなかったら、彼女はそういうことができるんだ、とクライアントは注目してくれると思うんです。さらに、うちで撮った動画がYouTubeで見られることで私の宣伝にもなり、利益に繋がると考えています。もう一歩先に行きたいので、あまり他ではやっていない4K動画をこれからも勉強しなければ、と思っています。

小林:私も可能性を広げてくれるのは動画だと考えています。『α7SⅡ』はスチール撮影のために導入しましたが、動画も強いカメラです。うちは学校写真を多くやっていますので、舞台や式典の動画撮影の依頼も来てしまうんです。でも、ただの長回しでは意味がない。卒業アルバムも作っているので、「記録」ではなく「記憶」に残る動画を作らなければ写真館がやる意味がない、と思っていました。そして昨年チャレンジしたのが、卒業式のダイジェスト映像の制作です。3時間程度の卒業式を25分のダイジェストムービーにして、卒業式という非日常を切り出しています。式に出席していない人でもその場にいたかのようなイメージを味わい、感動し、涙を流せるような映像を作ることができました。 中嶋:動画と一緒にスチールも撮っているの? 小林:そうです。写真もムービーも撮れるハイブリッドカメラなので、動画のためにわざわざ機材を導入せずに済みました。翌年の受注もいただきましたし、このクオリティでしたら他の学校の動画もどんどん請け負えるのではないかな、と思っているので今後も進めていく予定です。

After Seminar

小林:カメラを使って何かが変わるって、正直ここ数年なかった気がするんです。画作りが変わったな、撮り方が変わったな、被写体との向き合い方が変わったな、みたいな。『α7』シリーズはそんな新たな一歩を踏み出せるカメラです。一度手にしたら、きっと手放せなくなりますよ。 中嶋:『α7SⅡ』はデジタル一眼レフカメラで不満だった部分をすべて解消してくれました。いろいろ探して行き着いた、やりたいことができる、要望に応えてくれるカメラです。思いのほか4K動画も使えて楽しいので、きっと想像以上にあなたの撮影の幅を広げてくれると思います。

PHOTONEXTとは

国内最大級のプロ向けフォトビジネスフェア。ソニーとして「PHOTONEXT(フォトネクスト)2016」に初めて出展し、写真館やブライダル専門のカメラマンをはじめとする来場者の方々に、当社のレンズ交換式一眼カメラや業務用カムコーダーなどの多彩な商品群を、実写での撮影体験や、セミナーなどを通して紹介しました。

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