α Universe editorial team
プロフェッショナルにとっての、「FE(Full-Frame E-mount)レンズの魅力」とは?
風景写真を中心に写真家としてのキャリアをスタートし、近年では写真家目線での動画撮影/編集や、ドローンを使用しての空撮なども数多く手がけるなど、α7R IIをメインカメラとしてマルチに活動なさっている中西学氏。
販売店/ソニーストアでもセミナー講師を行っていただいている同氏に、愛用しているα7R II、そしてα7シリーズについて、その魅力を語っていただいた。
様々なジャンルを撮る自分にとってのカメラ、α
私の仕事は風景、スポーツ、ポートレート、物撮り、建築などの幅広いジャンルにおいてストックフォトへの素材提供、ウェディングを中心としたイベント撮影を行っております。そんな私にとって、仕事をするうえで不可欠な存在になったα7 IIシリーズについて、後編ではその理由の3つ目、4つ目を説明します。
機動性を飛躍的に向上させる、5軸ボディ内手ブレ補正
3つ目の理由は、5軸手ブレ補正の存在です。料理や商品撮影の仕事では、SEL90M28Gをよく使います、マクロ撮影で重要なのはラィティングもありますが、一番の大敵はブレです。α7R IIほどの高画素になると、等倍にしたときに如実にブレが分かってしまうので、最初は焦点距離の2倍、3倍は早いシャッタースピードにしないと、ブレが目立ってしまうのではないか、と思っていましたが、杞憂でした。5軸手ブレ補正はマクロ撮影には効果てきめんで、シャッタースピード1/125で等倍で見てもブレがなく、驚くほどの質感描写が出来ています。
こうした撮影の場合、どれくらい商品全体をしっかり写す必要があるか、で絞りを決めますが、ふわっと大きくぼかして雰囲気を重視するなら開放で撮影します。そんな時でもピントを合わせた部分はしっかり解像していてほしいんですが、このレンズとの組み合わせだと、開放から面白いくらいにしっかり解像します。あまりに開放の描写がいいので、私の場合このレンズを使う時は開放ばかり使うようになってしまいました。
撮影現場は必ずしも凝ったライティングや、三脚を設置して撮影できる環境ばかりではありません。そんな時でも、開放から十分解像力があるレンズと5軸手ブレ補正の組み合わせは、想像以上に撮影しやすくて、撮影のフィールドを広げてくれました。
優れた精度を発揮する、瞳AF
4つ目の理由は、「瞳AF」が使えることですね。ポートレート撮影時は、周りの景色を入れながら…というよりは、「人物を立たせる」ために、背景や周りは大きくぼかしてしまうことも多いと思いので、撮影ではSEL55F18Zをよく使います。このレンズは絞り開放から非常に描写がいいので、撮影の時は基本絞りません。
開放で撮影する場合、一般的な一眼レフのボディとレンズだとピントのズレがよりシビアになってしまうため使い勝手が悪い…といったことを耳にすることもあります。 例えばポートレート時に、目にピント合わせたいのに、目の近くの髪の毛の方にピントがあったりするのもそうで、被写界深度の差が気になってくる。だから絞ってしまおう、と。
でも、開放の描写はメーカーが一番力入れてるところでもあるわけで、私はあえてそこを攻めます。
この写真は、逆光の中で太陽の中にモデルの方が収まるように構図を作りましたが、レンズにも非常にコントラスを要求する状況ですし、迷いなく瞳にAFを当てるのは難しいシーンです。でも、α7R IIとこのレンズの組み合わせでは、コントラスを失うことなく、AFが迷うこともなく、豊かな諧調を再現してくれました。
この写真はα7R IIで「瞳AF」を使って撮りました。目にピタッと非常に速く正確にピントが来る。それが絞り開放の時に、特に効力を発揮してくれます。
すぐピントが来る、AFが迷わない…そこが信頼できるポイントです。
そういった理由で、α7R IIとSEL55F18Zでのポートレート撮影は、それまでの撮影と比べてテンポが良くなりましたね。撮影時間も半分くらいに短縮された。AFが思うように合ってくれなくて、イライラして結局MFに切り替える、ということが無くなりましたからね。全部AFでもいけるようになりました。
どこの現場に行っても「仕事速いですよね」と言ってもらえるんですが、それって重要だと思っていて、例えばモデル撮影なら、撮る方も撮られる方も撮影が短い方が疲れないし、何よりモデルさんが良い表情をする瞬間に集中することができるんですね。
他にも、料理の物撮りの時なども鮮度は重要ですし、仕事が速いとシェフも喜んでくれるんですよ。
私がαシステムを仕事に選んだ理由、いかがでしたでしょうか。
小型で扱いやすくて、撮影フィールドを広げてくれるイメージセンサーと5軸手ブレ補正の組み合わせ、そしてAFが良い。最初にも言いましたが、これだけあれば、殆どの仕事の現場に対応できます。
αシステムには今後も将来性を感じられますし、「次、何がくるんだろう」とすごく楽しみにしています。
使ったことがない方も、是非とも一度、手にとって確かめてもらえたら、と思います
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