フォトグラファー 高木 康行氏
ソニービル50周年 記録撮影
ソニービル50周年の記録
銀座の数寄屋橋交差点の一角に建設されてから50年、「ソニービル」は銀座の街とともに歴史を見つめ、ソニーのショールームとしての役割を果たしてきた。 ソニービルは、リニューアルに向けた「銀座ソニーパーク プロジェクト」の元、オープンな空間へと生まれ変わり、さらに2022年以降の新たなソニービル営業開始へとつなげるべく、変化の時にある。 このようなプロジェクトの中で、現在のソニービルの姿を公の記録として残すべく撮影を進めているのが、プロフェッショナルフォトグラファーの高木康行氏である。 ファッションスタイリストとしての出自をベースに、高木氏は様々な角度からソニービルの姿・カタチを記録している。今回は、そんな「記録撮影」の背景と、高木氏が切り取ったソニービルのカットにスポットを当て、ご紹介していきたいと思う。
「成長記」としての記録写真
高木氏とソニービルの接点は、10年以上前にさかのぼる。雑誌の撮影を行うにあたり、「テクノロジーとファッションの融合」というテーマに沿った場所として、着目したのが契機であった。その後、写真展などの機会を経て、今回の50周年記録撮影プロジェクトの依頼を受けることになった。 高木氏が今回のプロジェクトで最も惹かれたのは、「老朽化」や「耐震性」の問題ではなく、今後50年・100年のプランを想定したソニービルの記録写真…つまり「成長記」としての撮影であった点だという。 それからというもの、「どういう風に残し、生かしていくか」をテーマに据え、単なるオフィシャル記録としての外観写真だけでなく、ポートレイトを撮影するように丹念に様々な切り取り方を模索してきた。 ここからは、高木氏によるソニービル撮影の様子と写真を紹介してゆく。
先進的なデザインを織り込んだ建築物
ソニービルを訪れた経験のある方はご存じだろうが、この建物は現在の建築基準ではもはや作ることのできないユニークな構造となっている。 その具体例の一つが、軸となる階段の周辺に、全25層のフロアが配置される「花びら構造」である。訪れたお客様が各商品のショールームを連続的に観覧できるようになっていた。 また、数寄屋橋交差点に面するコーナーには、三角形のイベントスペース「ソニースクエア」が据えられ、これまでに数多のイベントのステージとして活用され続けてきた。 今後人々が集うためのコミュニティスペースとして生まれ変わるにあたり、高木氏によって撮影された写真がこちらである。 さらに、今回のプロジェクトを契機に、ソニービル屋上から特別に撮影された「数寄屋橋交差点」の俯瞰カットでは、交差点に映る光と影の揺らめき…まるで水面のようにもみえる光景が写されている。これは、近年周辺に建てられた高層建築物に反射した光の効果であるという。
内部にもみられるユニークな構造
建物の内部に目を移しても、斬新なデザインが随所に織り込まれているソニービル。 続いて、高木氏が次に着目したのは、7Fのフロアから真上を見上げた際に目に飛び込んでくる「ハニカム(=六角形)」構造。 ライト、スプリンクラー、スピーカーなど、様々な構造物がランダムに配置されている様に、ある種の「生命感」のようなものも感じることができるという高木氏。 α7シリーズのダイナミックレンジの広さにより、逆光下でも照明の光・天井のデザイン共に、あますところなく記録してゆく。
歴史を刻んできた外観と周囲の景観の変遷
今もなお斬新な内部構造に比べ、建物の外部環境は、この50年で様変わりしている。 ブランド発信の一等地である銀座、ソニービルに隣接する土地にも、今や多くの商業ビルが立ち並ぶ。かつて、2300個のブラウン管を配置して、街ゆく人々にインパクトを与えた晴海通り沿いのエレベーターコアの外壁も、静かに景観の中に溶け込む。 様々な建築物の合間から垣間見えるビルの姿もまた、オープン当時には見られなかった趣がある…という高木氏。 ありのままの「今の姿」をリアルに切り出し、これから大きな成長を遂げようとしているソニービルに想いを馳せながら、高木氏は今日もシャッターを切り続けている。
高木氏によって、αで撮影された
ソニービルと周辺の景観
※「銀座ソニーパークプロジェクト」について、詳しくはこちら
http://www.sonybuilding.jp/ginzasonypark/
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