「G Master」の設計思想や魅力を
開発陣が解説
FE 12-24mm F2.8 GM編
Concept 開発コンセプト
“大三元”レンズと並び立つ、4本目のキーレンズ開発に挑む
千葉:ソニーのEマウントシステムでは「G Master」ブランドとして、2017年に広角ズームレンズFE 16-35mm F2.8 GMを発売し、先行して発売していた標準ズームレンズFE 24-70mm F2.8 GMと望遠ズームレンズFE 70-200mm F2.8 GM OSSと合わせて、カメラ業界で“大三元”レンズと言われる、開放F値2.8通しのレンズが完成しました。これらのレンズは多くのプロフェッショナルユーザーにもご使用いただき、高い評価をいただいております。今回はF2.8のズームレンズでの撮影領域をさらに拡大するために、超広角領域のズームレンズの開発を行いました。ソニー最高峰レンズの証しである「G Master」として開発するからには、ソニーの最先端の技術を惜しみなく投入するとともに、レンズ史に名を刻むような世界初スペックのレンズに挑戦したいという強い思いがありました。 そこでF2.8ズームレンズでありながら、広角端を焦点距離12mmまで拡げることに挑戦しました。ズーム全域開放F値2.8の交換レンズとして12mmスタートは世界最広角※の画角への挑戦となります。12-24mmという超広角域をカバーしながら、開放F値2.8を達成した大口径ズームレンズというのは、まだ世の中にはありませんでした。超広角領域では焦点距離1mmの差が写真の画角としては非常に大きな差となって現れますので、このスペックが実現できれば写真表現の幅が大きく拡がることは分かっていましたが、同時に困難な開発になることも理解していました。開発をスタートするにあたっては「どのようなユーザーが、どういう被写体を撮り、どういう使い方をするのか」、企画担当者も交え開発メンバーひとりひとりが意見を出し合いながら、時間をかけて商品コンセプトを検討しました。また「G Master」として世界初スペックのレンズを世の中に出すからには、光学性能には一切妥協が許されません。開発当初から「解像」と「ぼけ」を最高レベルで両立させるとともに、今までにない超広角描写を実現することで「このレンズがあるからソニーを選ぶ」と言われるようなレンズにしたいと考えておりました。そして“大三元レンズ”と共に、ズーム全域開放F値2.8の4本目のキーレンズとして、ユーザーの皆様の新たな選択肢となるべく困難な開発に挑みました。
Optical Design 光学設計のこだわり
最大径かつ大偏肉比という、最高難易度の光学レンズの開発
奥村:「G Master」にはFE 16-35mm F2.8 GMという広角ズームレンズがありますが、今回は世界最広角※の12mmの焦点距離をカバーすることになるため、特に歪曲収差、像面湾曲などの収差補正が一段と難しくなります。それを解決するには、「どういう光学タイプで、どんな光学レンズが必要なのか」、かなり早い段階から検討をはじめていました。光学断面図を見ていただくと分かると思いますが、前玉に大きな超高度非球面XAレンズを2枚、それも中心部と周辺部のガラス厚の差が非常に大きい大偏肉比の光学レンズを採用しています。FE 16-35mm F2.8 GMで使われる前玉も非常に大きなものでしたが、今回開発したXAレンズはそれをはるかに超える約1.5倍の外径で、面積比は2倍を超えるものになります。大面積かつ大偏肉比にもかかわらず、従来のXAレンズと同じ面精度を確保することは非常に難しく、従来の生産設備から、細かな加工方法に至るまで、すべての加工プロセスを見直す必要があり、このXAレンズの開発にはこれまで以上に大変な労力と時間がかかりました。しかし世界初となる光学スペックで「G Master」にふさわしい光学性能を満たすためには、この非球面レンズの量産化実現が不可欠であり、この大口径XAレンズが開発できるどうかが、商品化実現への重要なカギでした。
超広角レンズ開発に不可欠だった、
新開発「ナノARコーティングII」
超広角かつ大口径となるため、より多くの光を取り込める一方で、従来のコーティングではゴーストの抑制や色味の補正が難しいことも分かってきました。今回の大口径のXAレンズは特に曲率が大きく、従来のコーティング加工のプロセスでは中心部と周辺部でコーティング厚の差が大きくなり、周辺部におけるゴーストやフレアの抑制効果が弱まってしまうという課題がありました。特に広角レンズは画角が広いため太陽光などの強い光が画角内に入ることも多く、ゴーストの抑制は必須です。「G Master」が目指す光学性能を満たすためには、この課題を解決する新たなコーティング開発が求められました。そのため、先ほど説明したXAレンズの開発と並行し、曲率の大きなレンズに均一なコーティングを可能にする「ナノARコーティングII」の開発も進めました。この新開発のコーティング技術の実現により、超広角レンズでありながら、高いゴースト・フレア耐性を達成することができ、画面内に強い光源が入るような厳しい逆光条件においても、高いコントラストの画を得ることを可能としています。加えて、鏡筒内での余計な光の反射を防止するために、設計段階から鏡筒構造の細部まで含めた非常に細かなシミュレーションを何度も重ね、ゴーストやフレアに対して徹底的に配慮された鏡筒構造も実現しています。
無限遠から至近まで、MTF曲線で裏付けされた優れた描写力
今回のレンズは超広角から広角に属するズームレンズのため、風景や夜景、建物撮影での用途がメインとなることを想定していましたが、さらに近接撮影能力を向上させることでさまざまな撮影シーンにおける表現力と利便性を高め、より多くのお客様にご使用いただきたいという思いがありました。無限遠から至近までの全域での光学性能を高めるために採用したのが、撮影距離に応じて複数のレンズ群を動かして収差を効果的に補正するフローティングフォーカス機構です。ソニーが採用する完全独立アクチュエーターによるフローティングフォーカス構造は、複数のフォーカス群を完全独立で個別に動かせるだけでなく、複雑なメカ連結起因によるフォーカス群の配置制約が少ないため、光学設計的に非常に自由度が高く、これまで実現不可能だった理想的な光学設計が可能です。またフォーカス群を1つではなく複数に分けることでそれぞれの重量を軽量化できるため、高速で静粛なオートフォーカス駆動と高精度なオートフォーカスの実現にも寄与しています。 MTF曲線をご覧いただくと分かるように、一般的な広角系レンズは周辺部のMTFが低下する傾向があるのですが、このレンズではF2.8の開放時においても、画面の7割の位置に相当する周辺部でもコントラスト再現性を80%レベルまで達成するなど、非常に高い解像性能を実現しています。超広角レンズでは高周波のMTF性能が実際の画質にも大きく影響しますので、今回のレンズで実現したワイド端開放からの圧倒的な解像性能は撮影者にとっても、ここ一番という大事な撮影で大きな武器になると思います。また、解像性能とぼけの表現に大きな影響を与える球面収差に関しても理想的な球面収差形状を設計するだけでなく、製造工程においても最高レベルの精度で研磨されたレンズを高精度で組み込み、かつ球面収差の出方を1本1本調整することで理想の収差状態に追い込みました。これにより、「G Master」としての高い解像力と美しいぼけの両立を実現しています。
Auto Focus AFへのこだわり
大口径超広角ズームレンズに最適化された、AFパフォーマンス
中田:これまでソニーでは何本もの「G Master」を発売しており、その光学性能だけでなく、オートフォーカス性能においても高い評価をいただいております。今回のFE 12-24mm F2.8 GMでも、これまでのレンズ開発で培ったオートフォーカスの技術をすべて投入し、「G Master」を代表する一本となるよう開発に挑みました。今までにないスペックの大口径超広角ズームレンズを実現するためには、フォーカス部にフローティングフォーカス構造を採用すると同時に、2系統の重量の大きいフォーカスレンズ群の搭載が必要でした。この2つのフォーカス群を高速に動かすために必要となったのが、「XD(extreme dynamic)リニアモーター」です。今回のレンズには完全に独立駆動する2つのフォーカス群があり、それぞれに2基ずつのXDリニアモーターを搭載していますので、合計で4基のXDリニアモーターを搭載しています。高出力のXDリニアモーターを4基も搭載する贅沢な構造とフローティングフォーカス構造の組み合わせにより、大口径の超広角レンズながらあらゆる被写体に高速で正確に追随するオートフォーカス性能を実現することができました。また、これだけの重量の複数のフォーカス群を独立制御で完全に同期させて駆動させるためには、非常に高度な制御技術が要求されますが、これまでの「G Master」開発で培ってきた高度なフォーカス制御技術をすべて投入し、この高い性能を実現しました。静止画、動画問わず、あらゆる被写体に静かで軽快に追随する圧倒的なオートフォーカス性能をすべてのお客様に試していただきたいです。
高精度なフォーカス実現のための、センシング精度の追求
高精度なオートフォーカス制御を実現するには、レンズを速く正確に駆動させるためのアクチュエーター制御と同時に、位置検出センサーでレンズの位置を正確に把握し、制御にフィードバックをかけることが不可欠です。特に今回採用した完全独立駆動のフローティングフォーカス構造では2つのフォーカス群を完全に同期させて駆動する必要があるため、それぞれのフォーカス群の実位置をミクロンオーダーの非常に高い精度で、かつ高速にセンシングすることが重要となってきます。このために非常に分解能の高いセンシングデバイスを搭載するのはもちろんのこと、その配置に関しても内部のさまざまなデバイスからの微少な信号の干渉や磁束の影響を受けないように、内部構造の電気磁束のシミュレーションを徹底的に行い、各デバイスの配置を最適化することで、どのような環境下においても常に安定したセンシング能力を実現しています。メカと光学と制御が連携して、ここまで徹底した内部構造設計を行うことで、厳しい環境下でも信頼のおける安定したフォーカス性能を実現しています。
動画撮影時における超広角レンズに最適化されたフォーカス駆動
静止画の撮影ではどれだけ速く被写体にフォーカシングできるかが問われますが、動画の撮影ではそれにプラスして自然で違和感のないフォーカシングが求められます。そのため、静止画モードと動画モードではフォーカス駆動は全く別々の制御パラメーターを用意してそれぞれに最適な駆動を行っています。動画における自然なフォーカシングの実現は非常に難しいフォーカス制御を求められますが、ソニーには長年プロ向けの動画機材開発で培ってきた多くのノウハウがあります。これらのノウハウも生かしつつ、さらに多くのユーザーからのさまざまなご意見をもとに徹底的なチューニングを施しました。たとえば被写体に対してのフォーカスの食いつき方なども人によって好みが異なりますが、こうした感性に響くような細かな部分の制御も取り入れています。また、実際の撮影現場からのフィードバックもいただきながら、高速性と静音・低振動の相反する要素をどちらも満たせるようにパラメーターを徹底的にチューニングしました。今後10年先のカメラボディのAF性能の進化を見据えながら、最大限のAFパフォーマンスを発揮できるようにAF制御の精度を極限まで高めることで、大口径の超広角ズームレンズに最適なフォーカス駆動を動画と静止画の両方で実現できたと思います。
Mechanical Design メカ設計のこだわり
重量バランスを最適化することで、システム全体を軽量化
千葉:交換レンズに関してはレンズ1本だけではなく、複数のレンズや他の機材と一緒に持ち歩いて撮影されることが当たり前ですので、大口径の超広角ズームレンズであっても軽量化の実現は非常に重要なポイントだと考えました。実際に写真撮影も行う登山家のかたに話を聞くと、「時には命がけで危険な場所も登らなければならないので、機材はできる限り軽くしたい」などのご意見もあり、高い信頼性と軽量化の両立を今回のレンズの開発ポリシーに据えました。そこで、重量の大きい前玉を含む光学系を支える強度を確保しながら、鏡筒全体の軽量化を行うために新しいシャーシ構造を採用しました。具体的には、前玉からレンズマウントまでつながる光学系の保持部分をすべて高強度のアルミ合金製シャーシで一体的に構成する構造を採用しました。この一体金属のシャーシ構造は部品の形状が複雑となり、部品の加工難易度は非常に高くなりますが、高いシャーシ剛性と軽量化を同時に実現することが可能です。また、シャーシを一体構造とすることで、レンズ群の相対位置精度も高いレベルで保持できるため、光学性能の信頼性確保にも有利となります。さらに鏡筒の強度シミュレーションによる解析も行いながら、それぞれの部品に求められる強度を正確に割り出し、その要求される強度に合わせる形で金属材料とカーボンフィラーを含有した特殊なエンジニアリングプラスチックをハイブリッドで使用し、強度と軽量化を徹底的にバランスさせていきました。 一般的に、超広角ズームレンズでは非常に大きな前玉が必要となるため重心バランスが前側に偏りやすくなります。今回のレンズの設計検討が進むにつれ、最前面の大口径レンズに比重の軽いガラス材料を採用することで、光学性能向上と前玉の軽量化を同時に実現できることが分かってきました。これにより前玉の重量は軽くできるのですが、そのかわりにレンズの加工難易度は飛躍的に高くなるため、開発チーム内でも非常に判断に悩むポイントでした。しかし今回は加工の難しさよりも前玉の軽量化を優先し、最前面の大口径レンズには比重の軽いガラス材料を採用することにしました。加工の難易度は技術で克服できますが、前玉の重量を軽くする他の選択肢はないため、あえて技術難易度の高い手法にチャレンジしました。さらにアクチュエーターなどの重量物を鏡筒の後部側にできるだけ配置するなどの工夫をして鏡筒全体の重量バランスを取っていますので、実際にカメラボディに装着した状態でも重量バランスが良く、見た目以上の軽さを感じていただけると思います。カメラボディを含めたトータルの重量バランスが良いので、長時間の手持ち撮影も苦にならず撮影に集中していただけると思います。またズーム操作時においてもレンズの重心変動が少なくなるように、ズーミングにより移動する複数のレンズ群が鏡筒重心に対して常に逆方向に移動する構成の光学系を採用しました。この構造により、ズーミングによる重量バランスの変動が少なく、手持ち時の安定したホールド感だけでなく、三脚やジンバルなどに装着した場合も常に安定した重量バランスを維持することが可能です。
鏡筒の小径化と高いホールド性の実現
レンズの軽量化に加えて、撮影時の高いホールド性を実現させるために、前玉以外の部分をどれだけ小径化できるかも重要な開発ポイントでした。ここで大きな効果を発揮してくれたのがXDリニアモーターです。今回のレンズのような大重量のフォーカス群を動かす場合、回転型のモーターを減速して大きなトルクを発生させて駆動させるのが一般的ですが、回転型のモーターは円形や筒型の形状ですので、レンズ内に組み込むと必ず無駄な空間が生まれてしまい小径化が難しくなります。またモーターからの動力を減速する減速機構と回転を直線運動に変換する複雑なメカ機構が必ず必要となりますので、さらに小径化は難しくなります。一方でソニーが採用している独自開発のXDリニアモーターは元々直進方向の高い動力なので、直進変換機構も減速機構も必要ありません。よってフォーカス群をアクチュエーターでダイレクトに駆動することができ、最小限の部材構成を実現できます。またモーター占有スペースも円筒形状ではなく角柱型の最小限のスペースで済むため、モーターを他の部材との隙間に効率的に配置可能で、無駄のない内部レイアウトが実現でき、理想的な小径化を達成することができました。実際にレンズをカメラ本体に装着してホールドしていただくと、非常に自然なホールド性を実現しているのを感じていただけると思います。また、今回のXDリニアモーターはこのレンズのために専用設計されたモーターです。ソニーでは光学、メカ、アクチュエーターとその制御に至るまで、すべてのデバイスを内製で開発していますので、それぞれのデバイスを商品の求めるスペックに応じて最適設計することが可能です。今回のレンズの開発が実現したのも、これらの独自技術が最適な形で融合できたことが大きかったと思います。
使いやすさを追求したリアフィルターホルダーと信頼性を追求した固定式フード
明るいF値を利用したぼけ味を生かした動画撮影やスローシャッターでの風景撮影などを想定し、開発当初からフィルター対応を検討していました。以前GレンズのFE 12-24mm F4 Gの発売後、多くのお客様から「フィルターが使えるようにして欲しい」とのご意見をいただいておりましたので、今回はお客様からの要望が多かったシートタイプのリアフィルターに対応しました。フィルターホルダーはフィルターを入れやすく、取り出しやすく外れにくいホルダー形状にすると同時に、装着するフィルター自身も、光学有効面を触らないように、かつ手で入れやすい形状になるように吟味を重ねました。
今回、固定式のレンズフードを採用していますが、不要光を抑制する効果だけでなく、前玉のXAレンズを保護する役割も担っており、材料選定から構造まで、さまざまな設計的な工夫を施しました。今回のフードは金属とエンジニアリングプラスチックのハイブリッド構造としました。金属の高い剛性とエンジニアリングブラスチックの持つ優れた柔軟性を組み合わせることで、衝撃が加わった際にも光学ブロックへの影響を最小限に抑え、光学性能に影響が出ないように設計されています。プラスチック材料は、一般的に剛性が高いほどたわみにくいのですが、強い衝撃が加わると割れてしまいます。破壊に対して粘り強い材料、すなわち靭性(じんせい)が高い材料だと割れにくいのですが、たわんだ際に前玉に直接衝撃が加わってしまいます。そのため、剛性と靭性のバランスに優れたガラス繊維強化型のエンジニアリングプラスチック材料を選定するとともに、これを高強度のアルミ合金部材と組み合わせることで高い強度と信頼性を実現しました。さらに部材の肉厚や長さなどもひとつずつ検証を重ね、厳しい衝撃テストにおいても前玉を保護する高い堅牢性を確保しました。
未到な領域に挑むフォトグラファーの道具となり、
新たな表現を支える信頼性
大自然や野生動物など撮影するネイチャーフォトグラファーたちは、たとえば雪山の嵐や炎天下の砂漠など、未到な領域に踏み込み今までにない写真表現に挑戦しています。こうしたプロフェッショナルの方々が存分に使いこなせる道具として、過酷な環境下でも高い信頼性を確保するレンズを目指しました。そのためには、光学性能やアクチュエーター性能があらゆる環境下で安定した性能を発揮するのはもちろん、フォーカスリングなどの操作部まで、常温時と同じ感覚で使えることも大変重要です。操作部材や内装部材、グリスひとつひとつの選定から、ソフトウェアのアルゴリズムまで、厳しい高低温下での使用を想定して、非常に厳しい試験環境で品質テストを繰り返し行い、操作感や性能が損なわれないか検証して設計にフィードバックしていきました。また、スペックには表れない重心バランスの最適化やフィルターの装着性など、あらゆるユースケースを想定して細部までこだわり、プロフェッショナルユーザーはもちろん、αシステムで撮影を楽しまれる多くのユーザーの要望に応えるレンズに仕上げられたと思います。
最後に
千葉:今回のFE 12-24mm F2.8 GMの開発では、ソニーの最高峰の技術を惜しみなく投入するだけでなく、開発陣の思いまですべて詰め込みました。お客様ひとり一人のユースケースを考え抜き、それを技術やスペックに落とし込んで生み出されたレンズです。我々の思いがレンズを通して、撮影者のクリエイティビティを刺激し、その映像表現が多くの人に感動をもたらすことができれば開発者冥利に尽きます。世界初となるスペックへの挑戦は困難を極めましたが、ファインダーをのぞいた瞬間に、今まで見ていた世界がガラッと変わるような、本当に自信を持ってお届けできるレンズが完成しました。ぜひこのレンズを手にして世の中を感動であふれさせていただければ何よりです。
奥村:今回のレンズでは、ファインダーをのぞいたときの超広角の世界、持ったときの重量感、道具としての使いやすさも含め、ユーザーが手にしたときにワクワクするようなレンズを届けたいと思い開発に挑みました。これまで「G Master」の開発を通して培ってきた光学設計・メカ設計・AF技術はもちろん、飛躍的な進歩を遂げた光学レンズの製造技術なくして、このレンズは存在し得なかったと思います。ソニーの持てる技術を惜しみなくつぎ込んだ1本だと断言できます。風景や建物、夜景撮影だけでなく、さまざまなジャンルのかたに超広角の迫力のある世界を体験していただきたいと思います。皆様の映像表現の世界を広げられる一助となれば幸いです。
中田:多くのフォトグラファーの方々から「最近のG MasterのAFスピードは素晴らしい」とお褒めの言葉をいただき、「G Master」の開発者としては非常に嬉しく、やりがいを感じています。今回、大口径超広角ズームレンズというスペックから、星空や風景撮影がメインだと思われるかたが多いかもしれません。しかし、これまで培ってきたAF技術を余すところなく注ぎ込み、今まで撮れなかった画角での屋内スポーツや舞台撮影はもちろん、小型・軽量設計で容易に持ち歩けるため、街中などでパースペクティブを生かした映像表現まで楽しめます。開発者である我々の想像を超える、新しい表現を可能にするポテンシャルを持ったレンズです。このレンズをお手に取って、風景撮影だけでなく新たな表現領域にもぜひチャレンジしてほしいと思います。
記事で紹介された商品はこちら
ワンクリックアンケートにご協力ください
αUniverseの公式Facebookページに「いいね!」をすると最新記事の情報を随時お知らせします。