ダイナミックな星空を写し出す、私にとってパーフェクトな大口径超広角ズームレンズ
広角端12mmが作り出すダイナミックな世界、強力なパースペクティブによって普段の何気ない景色までも別世界に変えてしまう。大口径F2.8の明るさと、開放でも周辺の隅々までほぼ完璧に対称的な星像を生み出す性能は、星空風景の撮影にはとても魅力的だ。しかも常用するソフトフィルターを装着するリヤに設けられたフィルターホルダーは素晴らしく機能的。私が特に驚いたのは開放での周辺光量の豊富さと、α7R IVとの組み合わせが生み出す並外れた情報量だ。このレンズの解像性能は並外れているが、それは6000万画素超のセンサーによってその凄さを思い知らされる。デスクトップで拡大するとどんどん現れてくるディテールは、まるで望遠レンスで撮影したかのようなあり得ない錯覚をもたらしてくれた。
天体写真家
沼澤 茂美
Shigemi Numazawa
1958年新潟県神林村(現村上市)出身、在住。東京デザインアカデミー建築士科及びパース専門課程卒業。建築設計事務所勤務を経て1980年に新潟郵便貯金会館プラネタリウムに入る。1984年独立して日本プラネタリウムラボラトリー(略称:JPL)を設立。天文・宇宙のイラストや天体写真の仕事を中心に、NHKの天文宇宙番組の天体撮影や撮影指導、取材活動を行ってきた。天体撮影に関する著書多数。